EP.2 新たな仲間
貸家意外と高いけど借りるの巻
空港から離れ、大通り
ユウタ「デートってなにするの?」
リン「取り敢えず家だよ家」
ユウタ「近くの不動産屋は?」
リン「さあ」
ユウタ「スマホスマホ…」
いつも持っている鞄を漁りスマホを取り出す
ユウタ「不動産屋…こっちだな」
と二人とも歩いて行き
コミュニスト不動産
リン「うわなにこの名前」
ユウタ「わからん」
からんからんからん
店員「いらっしゃい、どんな御用で?」
普通の店員が出てくる
ユウタ「このへんで貸家を探してるんですけど」
店員「ああ、お座りください、そして予算の程は?」
ユウタ「特に決まってません、出来れば内見で決めたくて」
店員「ならこちらは如何でしょうか?」
と提示してくるものは空港格納庫から徒歩1分倉庫、家具付き4DLK、月15万トニーのものである
リン「これの内見行きたいんですけど」
内見を終わらし戻ってくる
リン「私はこれでいいかな」
ユウタ「おれもこれでいいと思うわ、引き渡しはいつになりそうです?」
店員「今日にでも可能です」
ユウタ「ならお願いします」
と書類にサインをする
店員「ありがとうございます、鍵はこちらです」
ユウタ「どうも」
とその後各種書類を書き終わらし
外に出る
リン「うわもう5時じゃんやば」
ユウタ「買い物は明日するか」
リン「だね、先にシュウタの方行かないと」
格納庫
ガラガラガラ
ユウタ「まだ作業してるね」
シュウタ「おお、いいタイミングできた」
ユウタ「どうした?」
シュウタ「整備終わったよ、今回は無料ね、来月からは定額5万な」
ユウタ「わかった」
シュウタ「お前らは撤収開始」
「サー」
ユウタ「ドリンクホルダーはどのについた?」
シュウタ「それならスロットルの前の方につけたよ、飛ぶ時はテープで固定してくれよ」
ユウタ「わかってる」
シュウタ「俺は次の仕事があるからじゃーな、頑張れよ」
ユウタ「お前もな」
リン「次行きたいところあるんだけど」
ユウタ「なんだ?重要じゃなければ明日行こうぜ?」
リン「めちゃくちゃ重要だよ」
ユウタ「そんなのあったか?」
リン「飯と銃」
ユウタ「確かにどっちも重要だな…」
リン「飯はその辺のお店で済ませせとして銃はどうする?」
ユウタ「家の数軒隣に銃砲店あったよ」
リン「ならそこで買おう」
ユウタ「飯屋は…」
見回すと”焼きすぎ屋”と言うか世界にチェーン展開している牛丼屋がある
リン「焼きすぎ屋にしよう、美味しいし」
普通に牛丼を頼み完食する
銃火器を選びにゆく
カランカランカラン
店主「なんだ、もう店終いだぞ」
ユウタ「銃買いたいんですけど」
店主「なんだ?目当てのものがあるのか?」
リン「えっとTMPってありますか?」
店主「TMPはちょっと待っとけ」
と奥への倉庫へ消える
ユウタ「いいのないかなぁ…」
とショーケース内を見てるとG36に似ているが少し違う銃を発見する
ユウタ「なんだこれ」
名札にはスコーピオンEVO3 A1と書かれており、
性能は
重量:2.7kg(30発マガジン付き)
全長670 mm(ストック展開時)410 mm(ストック格納時)
装弾数:25,30,50,100
発射速度:1150発/毎分
その他:4面汎用レール
ユウタ「これでいいかな」
リン「少し重くない?」
ユウタ「常備装備じゃなくて地上戦をする機会があったら用だよ、メインはそこにあるグロック26にする」
リン「私はTMPを常備でいいかな」
店主「ちょうど明日捨てようと思っててな、嬢ちゃんは運がいい、値段は100トニーでいいぜ、どうせ廃棄品だ」
リン「え?いいんですか?」
店主「マガジンが20発が2しかなくてな、代わりとしてなんだが同じく廃棄品の追加レールと銃のホルダーとマガジンホルダーをだ」
リン「それなら規定の値段払いますよ?」
店主「ああ、別にいいさ、どうせ廃棄品だ」
リン「そっか」
ユウタ「ならそこのEVO3A1とグロック26、EVO3A1のマガジンは30を3個、50を1個、グロックの方はマガジン2個とマガジンホルダーと銃本体のホルダーで」
店主「それなら10万トニーだ」
ユウタ「うごご…」
リン「大出血…」
ユウタ「出来ればこれ以外にもスコープやら買いたいが…働いてからにしよう…」
店主「これにサインをくれ」
ユウタ「俺のでいいかい?」
店主「ああ」
とサインをする
店主「ほれ、これだ」
と9x19弾50発入りの箱を5箱ドカンと置く
ユウタ「これでいくらです?」
店主「いいやこれはうちでキャンペーンをやっててな、銃を3丁買うとなんらかの弾を5箱分無料プレゼントって企画だよ、9x19でよかったろ?」
ユウタ「そうなんですか、お会計は合計で…」
店主「12万2100円だ」
ユウタ「カードで」
店主「はい」
家に帰り
リン「強面だったけどめちゃくちゃいい人だったね」
ユウタ「頑固かと思ったんだけどな」
リン「と言うか金やばいよね」
ユウタ「あと20万ちょっとしかないな」
リン「明後日から本格的に稼がないとねー」
ユウタ「だな」
リン「明日は何買うんだっけ?」
ユウタ「食料品とかだな」
リン「そこまでは出費しないかな?」
ユウタ「多分な」
リン「ふぁああ…もうこんな時間、眠たいから寝るねおやすみ」
ユウタ「おやすみ」
翌日 昼 11時
ユウタが一人で軽い買い物を済まし、キッチン道具類や食品を買って帰ってきた
ユウタ「おはようリン」
リン「んーんーもう少し眠らせて」
ユウタ「はあ」
無駄に広い部屋を通りキッチンにて昼食を作る
作っていると
リン「んん…おはよう」
ユウタ「もう11:30だぞ」
リン「うっそ…ほんとだ…」
ユウタ「キッチン道具類と食品は買ってきたぞ」
リン「んーわかったあとは…」
ユウタ「風呂道具類とか雑貨物だな」
リン「何時頃に行く?」
ユウタ「飯食ったらすぐ行こうかな」
リン「よしわかった」
飯を食い
買ったばかりの銃を身につける、街へ出る
リン「まあ買うものって至って大してないよね」
ユウタ「だな」
リン「パパッと買い物済ましてカフェ行こ?」
ユウタ「金ねぇのに?」
リン「いいじゃんいいじゃん」
と買い物を終わらしカフェにゆく
カフェ
ユウタ「お手洗い行ってくるわ」
リン「いってら」
ユウタがトイレに行く
南部産の
19,20歳ぐらいの犬耳豊満な女性と柄の悪そうなおっさんが言い合いをしている
リン「…ゆっくりしてる時に揉め事起こされるとイラつくんだよね…」
と立ち上がり近づく
近づいているうちに口論は悪化して行き、男が叩こうとした瞬間にリンが手首を掴む
リン「おっさん、女性に手を出すのはいかがなものかと思うよ」
おっさん「な、離せクソガキ」
リン「いやだよ」
と手首を少しずつ捻り回す
おっさん「いででで、やめ」
リン「なら出て行けよ、こっちもさゆっくりクルーゲルヒー飲んでる時に気分悪いんだわ」
おっさん「で、出てゆくからやめろ」
リン「本当?」
手を離し、少しすると自分の席に戻ろうとする、すると男は反旗を翻し殴ろうとしてくる
女性「危ない!」
リン「はあ…何も理解しないって怖いね」
と男の拳を避け後ろ襟を掴み背中に膝蹴りを入れると男はよろけながら倒れる
マスター「避けたのかい?嬢ちゃん」
リン「マスターさん、色々すみません」
マスター「良いんだよ、こいつ少し前からこの辺でナンパしててな、どうにかしたいと迷惑してたんだよ」
すると警官の格好をした男たちが入ってくる
マスター「あの倒れてる男だよお巡りさん」
警官「どうして倒れてるんだ?」
マスター「この嬢ちゃんを殴ろうとして、返り討ちにあったんだよ、ここにいる全員が証人だよ」
と客の全員が頷く
警官「おい、起き上がれ」
とおっさんを立たせる
警官「なっ、こいつ指名手配中のキリシィムア・マァスワトじゃないか」
マァスワト「く、くそあのクソガキ覚えてろよ」
と
警官「名前は?」
リン「ヤコブレーフ・リンです」
警官「どうしてあの状況に?」
リン「あいつがそこの子に手を出そうとしたから手を押さえて…やめるって言ったから解放したらやられそうになったので背中に膝蹴りを入れたんですよ」
警官「ああ…わかった職業は?」
リン「フリーのパイロットです、航空協会の方に行ってもらったら出てくると思います」
ユウタ「はいこれ、そいつのパイロット免許です」
警官「君は?」
ユウタ「彼女の機体の1番席のマーティン・ユウタです」
警官「なるほど、ならまあ問題ないね、正当防衛みたいだし」
と帰ってゆく
リン「はあ…疲れたから帰ろう?」
ユウタ「はいはい、マスター、いくら?」
マスター「無料でいいよ、あのうざったいやつから守ってくれたんだ」
ユウタ「椅子も壊したし払いたいんだけど」
マスター「なら僕のこと覚えてる?」
ユウタ「は?…は?」
マスター「君が小さい頃に来たんだけど…」
ユウタ「来た?マジで?」
マスター「1歳ぐらいの頃にリヴァーの腕の中で寝てたんだけど」
ユウタ「覚えてるわけないんでしょ」
常連らしき人「なに?あいつらの子供なのか?!」
マスター「目の部分とかそっくりじゃないか?」
常連A「本当だ!リヴァーの兄貴にそっくりや」
ユウタ「あの二人が常連だったんです?」
マスター「と言うかあの二人が出会った場所がここなんだよ」
ユウタ「へー、確かに小さい頃に店のマスターがショットガンで撃たれたって話を聞いたような」
常連B「アッハハハハハハハあの話したのか!!」
マスター「あれは本当に悪気はなかったんだよ」
ユウタ「そう伝えときますね、もし帰ったら」
マスター「なんだ?帰らないのか?」
ユウタ「3年後に帰るって約束で出てきたんですよ」
マスター「そう言うことか、頑張ってくれよ」
ユウタ「ありがとうございます」
女性「先程はありがとうございます」
と店から出ると先程の犬耳で豊満な女性が頭を下げている
リン「何があったのよ」
女性「それは…」
リン「なら良いよ別に」
女性「それでお二人はパイロットさんなんですよね?少し頼みことが」
リン「どうする?」
ユウタ「聞くだけ聞こうか、歩きながらになるけど」
と歩き始める
女性「それで話なんですけど、フリーのパイロットさんなんですよね?」
リン「そうだね」
女性「そのなんて言うか…」
リン「なんで言うか?」
女性「私を仲間に入れ欲しいんです」
リン「うん?もう一回言って?」
女性「仲間に入れ欲しいんです」
リン「うん…うん?」
女性「だから…」
ユウタ「機体は何乗ってるの?」
女性「おじいさんから貰ったJA37Dです」
リン「ビゲンちゃん良いよねー」
女性「はい!あの美しい流線形はたまらないですね!!!」
リン「でもSu-27とかも良いよね」
女性「はい!あの機体も考えられた流線形から繰り広げられる翼の大きさ、それと一緒に可愛いエンジン!とっっても好きです」
リン「ねー」
ユウタ「あ…お二人さん?」
女性「あっ…すみませんテンションが上がってしまって」
ユウタ「その気持ちは十二分にわかるから良いよ、名前の方を聞いてないなんだけど名前は?」
女性「インベストル・エルサです」
ユウタ「エルサかユウタだよろしく」
リン「リンだよ、エルサちゃんよろしくね!」
エルサ「仲間に入れてもらえるのでしょうか?」
リン「今から仲間だよ」
エルサ「あ、ありがとうございます」
ユウタ「と言うかなんでうちだったの?古いとはいえ他のチームに入れるだろう?」
エルサ「まだパイロットとしての経験も浅いですし何より迷惑になったら嫌なんです、それに私、元は歩兵なんですよ」
歩兵:銃火器を使用する冒険者たちのことを指す
ユウタ「歩兵から航空に?珍しいな」
エルサ「祖父以外みんなが歩兵なので祖父にこう言われたんです”お前はパイロットになるといい、陸よりも空の方が活躍できる絶対にな”って言われたんです」
リン「へぇ、そんなに祖父から期待されたんだね」
エルサ「それでパイロット試験を受け取ったところで祖父が亡くなってしまって…それでその遺品の一つのJA37Dビゲンを貰ったんです」
ユウタ「祖父の形見か、なら一人前の飛行士にならないとだな」
エルサ「それがそのビゲン、あまり状態が良いものじゃなくてギリギリ付近の大型空港のここについたんです」
ユウタ「資金は?」
エルサ「それが…両親からの仕送りもないものでギリギリなんです…」
リン「とりあえず機体がどんな状態か見に行こう、格納庫の番号は?」
エルサ「えっと13番です」
リン「お隣さんなんだね」
と格納庫に向かう
格納庫 後方入り口
エルサ「えっとここです」
とドアを開け入る
リン「お邪魔します」
ユウタ「お邪魔します」
入り電気をつけるとそこには塗装が剥げ、所々部品が飛びかけている可哀想なJA37Dが駐機してある
リン「oh…」
ユウタ「板金数万コースってレベルじゃねぇ」
エルサ「…すみません」
ユウタ「少し待っててくれ」
とシュウタを呼びにゆく
整備士待機室
ユウタ「シュウタさん居ます?」
シュウタ「おうなんや」
ユウタ「少し見てもらいたい機体が居るんだけど」
シュウタ「もしかしてあれちゃうやろな」
ユウタ「それかも」
シュウタ「ちょい待ち」
と部屋の奥に行き何やら資料を持ってくる
シュウタ「ok、行こう」
と13番格納庫へとゆく
シュウタ「やっぱりか」
ユウタ「どう思う?」
シュウタ「治せるけど予算がエグいことなるぞ」
と格納庫に入る
ユウタ「凄腕整備士の方だ」
シュウタ「良くもまあこんななるまで放置したよ」
エルサ「すみません、色々あって」
シュウタ「コックピットキーあるか?」
エルサ「これです」
とキャノピーを開け乗り込む
シュウタ「コックピットは綺麗だな」
ラバーペダル部分を漁り何かを取り出す
エルサ「えっそれなんですか?」
シュウタ「保険証の予備だな」
リン「そんなのは入ってるんだ」
シュウタ「お前さんたちは電子保険だからIFFとの同期だな」
リン「そういえばそうだね」
シュウタ「よし、おめでとう」
エルサ「え?なんですか?」
シュウタ「損傷保険に入ってるぜ、きっちり今月分も保険料の払いがあるから直せるぜ」
エルサ「おじいちゃん…」
と涙を流し始める
シュウタ「な、なんなんだ?」
ユウタ「祖父の形見でコイツを貰ったそうだ」
シュウタ「そうか…来週にまた見に来い、その時にまでに直してやる」
エルサ「そ、そんなゆっくりでいいので…」
シュウタ「俺の祖父がな、厄介者なんだが自分の人生の基点にもなっててな、同じように見えたものでな」
エルサ「そうなんですか…それでもゆっくりでいいので」
シュウタ「どうせ暇だ部品もあるしすぐに終わる」
コンコンコン
スタッフ「あの、ユウタさんとリンさんいらっしゃいますでしょうか?」
ユウタ「なんです?」
スタッフ「急遽依頼が来てまして…できれば事務所の方に」
リン「エルサちゃんごめんね、ユウタ行こう」
ユウタ「わかってる」
と事務所にゆく
ユウタ「無名の僕らに所長殿が何のご依頼ですか?」
所長「無名?何を言ってるんだ、あの二人の息子ってこの街じゃ知らな者のは居ないよ」
ユウタ「はあ…
所長「空爆愛好爆撃協会からの護衛依頼でF-111Bアードヴァークの護衛を腕の立つ複座戦闘機乗りに頼みたいと」
ユウタ「俺ら以外にもF-15が居たでしょう?」
所長「あれはCだよ」
ユウタ「それでも俺ら以外に居るでしょう」
リン「ユウタ、やめよ?」
ユウタ「はあ…報酬は?」
所長「燃料、兵装代は爆撃協会持ちで”一人当たり”25万トニーだそうです」
ユウタ「1人当たり?本当に?」
所長「そうだ、なにしろ爆撃協会会長のヴォーイング・トゥーポレフさんが乗機してるそうですから」
ユウタ「それなら大量に雇えんじゃん…目標とバックアップは?」
所長「目標はここから821マイル地点にあるペアレット教団の本部だそうだ、バックアップに空中給油ポッド搭載のEF-111レイヴンが付くそうだ」
リン「増槽ありで戦闘半径が1200km…足りるね空戦すると足りないかな」
ユウタ「いや、増槽をつければ足りる」
リン「そういえばそうか」
ユウタ「任務開始は何時からですか?」
所長「えっと…3時間後に離陸開始だそうだ」
ユウタ「17時か、巡航だとして910kmだから往復で3時間程度か」
所長「そうだね、任務推定時が3時間30分って書いてあるよ」
ユウタ「わかりました請け負います」
所長「そうじゃないと僕の家が跡形も無くなるからねありがとう」
と握手を交わす
ユウタ「ではこれで」
と部屋から出てゆき早足で整備士待機室に向かう
ユウタ「兵装の搭載をあの頼みたいんですが」
人当たりの良さそうなおっさん「なら兵装をこれに書いてくれ」
ユウタ「あ、はい」
燃料 AIM-120C 6本 AIM-9L 4本 267ガロン増槽2本 300ガロン増槽2本と描き渡す
おっさん「267はインテーク下だろ?300は?」
ユウタ「ワインダー2本パイロン下に着きます」
おっさん「わかった、12番な、戻っていいよ」
と言うと若いのを連れ武器管理の方にゆく
ユウタ「機体の方に戻ろうとか」
戻り待っていると燃料タンカーや兵装を積んだ車両が続々と入ってき搭載しゆく20分後
おっさん「搭載完了や」
ユウタ「ありがとう!」
おっさん「おおきに」
と出てゆく
リン「全部認識してるよ」
ユウタ「あとは待つだけやな」
ビゲンの方に顔を出しにゆく
エルサ「あ、二人とも戻ってきましたよ」
シュウタ「遅かったな」
ユウタ「まあな、なんか進展あったか?」
シュウタ「こいつはすげぇよね
ユウタ「なんだ?」
シュウタ「これを見てみろ」
一枚のエンジンの写真を見せる
リン「ジェットエンジンだね」
ユウタ「これは…」
シュウタ「見覚えあるだろ?そう、F110-GE-129、アフターバーナー使用時の最大推力は131 kNのイカレタジェットエンジンさ、サイズも直径が
ユウタ「あの人ならやりかねないね」
エルサ「え?心当たりがあるんですか?祖父はそんな話してなかったので少し気になります」
シュウタ「さっき話した俺の祖父さ」
エルサ「え?シュウタさんの祖父も整備士なんですか?」
シュウタ「ああ、今の仕事についたのもあの人のおかげさ、近くに作品があるから見に行くか?」
エルサ「是非よろしくお願いします」
シュウタ「連れて行ってくれるか?」
ユウタ「あいよ、来てください」
エルサ「あ、はい」
と12番格納庫にゆく
エルサ「ここに作品が?」
ユウタ「ええ」
と扉を開け入る
エルサ「え”?」
垂直尾翼のAIM-9を持つ大天使ミカエルを指差す
ユウタ「ああ、色々あってですね、行きましょう」
と近づき、装着されたばかりの増槽を撫でながらいう
エルサ「ふ、二人が伝説のF-14ミカエルのパイロットなんですか?」
ユウタ「伝説?なんの話ですかそれ」
エルサ「祖父が”ありえないがもし機体を敵としてみたら逃げろ”と…」
ユウタ「ああ、それなら私の両親ですね、この機体もあなたと同じくお下がりなんですよ」
と脚立をつけキャノピーを開け、乗り込みAPUを立ち上げモニター類を起動させる
エルサ「そうなんですか…」
ユウタ「どうぞどうぞ、シュウタの祖父が改造したF-14ですよ」
コックピットか降りる
エルサ「え、はい」
と脚立を上りコックピット内を見る
エルサ「な、なんですかこれ…タッチパネル式のグラスコックピットじゃないですか…」
ユウタ「それが彼の祖父のアナスタシア・メドッソさんの作品だよ」
エルサ「すごいです…」
リン「兵装の方も免許持ってる?」
エルサ「一通りは免許持ってるのでありますよ」
リン「2番席も見てごらん」
エルサ「すごい!めちゃくちゃ見やすい!」
リン「発射時にはミサイルの状況とか、多目的ロックの状況なんかも見れてめちゃくちゃ便利だよ」
エルサ「よくこんな改造をできますね…」
リン「ほんと、驚きだよ」
と降りる
ユウタ「ふぁああ…少し俺仮眠するわ」
と機体に乗り込みAPUを切り、腕を組みながらいう
リン「わかったー」
ユウタ「任務の時間になったら頼む」
リン「わかってる」
とユウタはそのまま眠りへと着く
13番に戻り
リン「戻ったよ」
シュウタ「おう、ユウタは?」
リン「眠いって言って寝たよ」
シュウタ「俺は整備の続きをするさ」
エルサ「リンさん、少しお茶しませんか?」
リン「いいよ、どこでする?任務があるからあまり遠くには行きたくないんだけど」
エルサ「そこの上で」
と格納庫にある事務所を指差す
リン「なるほど」
と事務所内に入り
エルサ「私の地元の緑茶って言うんですけどお口に合えば…」
ズズズズ
リン「さっぱりしてておいしいねこれ」
エルサ「よかったです」
リン「そう言えばいろいろな免許持ってるって話してたけど何持ってるの?」
エルサ「一応は固定翼メインサブ、兵装システム士官、レーダー迎撃乗員、ヘリメインサブです」
リン「私と変わんないのか」
エルサ「そうなんですか」
リン「私も色々取らされたからねぇ…」
エルサ「話は変わるんですけどお二人の関係性って…」
リン「まあ彼氏彼女だね、もしかしてあの人欲しい?」
エルサ「そ、そうじゃなくて私、男性って苦手で…」
リン「男性恐怖症?」
エルサ「そうじゃなくて…歩兵の頃から周りには女性しかいなくて、免許取る時も女性の教官で、父親は遠征でいなくて、家に居たのって母親、姉二人と妹一人、メイドさんなんですよね」
リン「完全な女世帯じゃん」
エルサ「なのであまり男性と話すのが得意じゃなくて、事務的なことなら良いんですけど私的なことになると突然…なんですよ」
リン「ユウタもシュウタもぐいぐいくるタイプじゃないし大丈夫じゃないの?」
エルサ「言い合いしてた人よりも尊重してくれてる気がします」
リン「尊重ってよりも同じ目線で話してる感じだよね」
エルサ「はい、そんな感じですね」
リン「…と言うかエルサちゃんって今幾つなの?」
エルサ「いま20ですね、リンさんは年上ですよね?」
リン「え?いや私15…」
エルサ「え?冗談ですよね?」
リン「はいこれ免許」
エルサ「95年1月57日…」
リン「なら敬語使った方が」
エルサ「このままがいいです…と言うかリンさんユウタさんどこで出会ったんですか、失礼かもしれませんけど15年ぐらい連れ添った夫婦って感じがするんですけど」
リン「同じ病院で同じ年同じ日に生まれた双子みたいな幼馴染だよ」
エルサ「すごっ、私も幼馴染が居たんですけど、パイロットになるって話したら大げんかになってそれから連絡すら取って無いんですよ」
リン「スマホは?」
エルサ「ここに来る時に機種変してデータが」
リン「ふーん…」
エルサ「リンさんってたまに辛辣ですよね」
リン「だって私からなんとも言えなくない?」
エルサ「確かにそうですね…」
リン「一言言うならまた合えて仲直りできるいいね、喧嘩別れだとお互い辛いし」
エルサ「はい…」
少しの沈黙後
エルサ「そう言えば任務があるんでしたっけ?」
リン「そうだね」
エルサ「内容は?」
リン「F-111Bの護衛だよ」
エルサ「友軍機は?」
リン「私達だけ」
エルサ「え?ってことは一機だけですか?」
リン「うん、バックアップに空中給油ポットを搭載したEF-111がついてるよ」
エルサ「F-14なら確かに複数目標を同時戦闘できますけど…厳しいんじゃ無いですか、そもそも要撃機ですし」
リン「大丈夫だよ、高度1万5000を910km/hで巡航してレーザー誘導爆弾を投下して帰ってくるだけみたいだし」
エルサ「なら大丈夫?なんですかね…」
リン「そういえばエルサちゃんって犬が何言ってるか分かったりするの?」
エルサ「一応わかりますけど…」
リン「わかるってテレビとかでも言うからさ、気になってね」
エルサ「その人間がどう言う動物に好かれるかもわかりますよ」
リン「なら私は?」
エルサ「猫ですかね」
リン「猫かー…昔っから猫っぽいとは言われるけど」
エルサ「ふふ、確かに猫っぽいですね」
リン「そう?」
エルサ「ツンとデレがはっきりしてて猫っぽいですよね」
リン「あ…自分でもなんとなくわかる気がする」
エルサ「…家どうしよう」
リン「ホテルとかは…お金がないんだったね、ならうちにこれば?」
エルサ「その二人の家に行くのは流石に…」
ユウタ「無駄に部屋が広い上にベッドがあと2個もあるんだ、泊まっても構わないさ」
リン「うわ、びっくりした」
ユウタ「なんか起きてな」
エルサ「本当にいいんですか?」
ユウタ「構わないよ、強いて言うならば月に5万程度入れてくれれば」
リン「まあ入れなくても私とユウタでその程度は稼ぐから大丈夫だと思うけど」
エルサ「今月中旬に入れるのでそれでいいんですか?」
ユウタ「別にいつでもいいよ、今行く?あと1時間はあるし」
エルサ「なら…」
と格納庫を出て目の前にある家に行く
リン「ここだよ」
エルサ「え?」
リン「運良くここになったんだよね」
ユウタ「どうぞどうぞ」
と一つある寝室に通す
ユウタ「ここがリビングね、その前がキッチン、キッチンは自由に使っていいよ、俺以外使わないし」
リン「…まだ怒ってる?」
ユウタ「まあな」
エルサ「何かあったんですか?」
ユウタ「カレーって料理あるだろ?」
エルサ「ありますね、それがどうしたんですか?」
ユウタ「隠し味としてチョコレートを入れたりするじゃん?」
エルサ「聞いたことはありますね、入れたことありませんけど」
ユウタ「
エルサ「え?」
ユウタ「バカみたいにまずいカレーの出来上がりさ、それ以降料理はさせてない」
リン「悪かったって…本当に」
エルサ「もしかしなくてもリンさんって料理苦手ですか?」
リン「ソンナコトナイヨ」
エルサ「となるとユウタさんは…」
ユウタ「得意だな」
エルサ「ある意味お似合い…なんですかね」
リン「…てへ?」
ユウタ「そろそろ時間だな、いくぞ、エルサはゆっくりしててもらって構わない」
と凛の後ろ襟を引っ張り連れて行く
リン「エルサちゃん鍵!」
とポケットから取り出し投げる
エルサ「あはい」
格納庫
ユウタ「エンジンチェック」
リン「問題ないよ」
ユウタ「さ、いこう」
と格納庫から誘導路へと出ると目の前にF-111Bが待機している
管制塔『タケー、離陸を許可する、ファルコン待機せよ』
タケー『了解』
リン『了解』
F-111BとEF-111が大きなフラップを下ろし離陸体制に入り、A/Bを炊き交互に離陸を開始する
リン「いいねぇ」
管制塔『ファルコン、離陸準備せよ』
ユウタ『了解』
リン「見惚れてたら無線逃しちゃった…」
ユウタ「しっかりしてくれよ」
リン「ごめん」
ユウタ「さて、土豚のケツを追っかけるぞ、チェックリスト」
チェックリストをこなし
管制塔『ファルコン離陸せよ」
と離陸し高度を取る
????『こちらEF-111ディセンバー1聴こえますか?」
???『F-111B ケター、聴こえるか?』
リン『こちらファルコン、ディセンバー1、ケター、両者とも感度良し問題ないです』
タケー『ファルコンよろしくな』
リン『よろしくお願いします、目標高度はいくつです?』
タケー『1万だ』
リン『了解』
と3機が編隊を組み上昇を開始する
高度1万mに到達し、水平飛行を開始し目標へと飛行を始め
目標まで折り返し地点値到達する
ディセンバー『空中給油を実施するか?』
ユウタ『パス、それより電子戦闘を開始してくれ』
ディセンバー『了解』
リン「不審に思った機体が上がってくるかもだからこっちでの監視を強化するね」
ユウタ「たのむ」
数十分後
タケー『これより爆撃に入る』
爆弾倉を開ける
そして
タケー『…投下投下投下』
と告げると数多のGBU-10 ペイブウェイIIが投下される
その後反転し帰路へ着く
リン『方位110方向からアンノンウン5、距離320knまっすぐこちらへ飛行中、接敵まで5分ない』
タケー『了解、迎撃に入れ』
ユウタ「さて、仕事の時間だ」
と敵機に向かい反転し、A/Bを炊き一気に近づく
リン「射程内、FOX-3」
と腹からAIM-120C が5発発射する
リン「敵機散開する様子なし、5,4,3,2,1、スプラッシュ、全機撃墜だよ」
ユウタ「流石120だ」
リン「その分高いけど今回はあっちもちだしね」『こちらファルコン、全機撃墜オールエネミーロスト』
タケー『流石だ、これで報酬は65万トニーだな』
ユウタ『なんです?もっと出してくれるんですか?』
タケー『いいや、流石にな」
ユウタ『へいへい、編隊復帰します』
とその後は特になく基地に帰還する
格納庫
リン「うわ、燃料空っぽじゃん…」
ユウタ「流石に危なかったな」
エルサ「あ、お二人ともおかえりです」
リン「あ、エルサちゃんふぁぁぁぁぁぁ」
あくびをする
ユウタ「ならおれ事務所の方行ってくる」
リン「よろしく〜眠たいなぁ」
エルサ「なら寝たらどうです?」
リン「今寝たら負けだと思う」
時計の針は18時を指している
エルサ「おら、リンちゃん」
とリンの体を掴みその豊満な胸にリンの頭を押し込める
リン「…」
無言ではあるもののニコニコ笑顔である
ユウタ「…はぁ」
リン「あんたには味わえないよー」
ユウタ「興味ないね」
とデータを持ち出てゆく
リン「むー」
ともっと埋める
エルサ「あの…」
リン「あ。ごめん」
エルサ「そうじゃなくて、ユウタさんが言った興味ないって…」
リン「えー…あいつ小さい方が好きなんだよね」
エルサ「え?男性って全員が大きい方が好きだってメイドさんが…」
リン「珍しいけど小さい方がいいんだってさ」
エルサ「そうなんですね…」
事務所
事務員「これと…これだね」
ユウタ「はい、二人で5機撃墜ですね」
事務員「65万トニーだね、ここにサインね、次の方」
サインを済まし自販機で飲み物を買っていると
「そこの坊主」
と40前後の男が声をかけて来る
ユウタ「なんです?」
「お前があの元エースパイロットの息子か」
ユウタ「そうだとしたらなんなんですか?」
「彼の方にお世話になったパイロットは五万といる、あの機体を見れば皆が敬意を表するさ、君はどう思ってるんだ?」
ユウタ「実はあの二人がパイロットだったってのは家を出る寸前に聞いた話だから知らないんだ」
「最後の最後まで言わなかったかあの人らしいな」
ユウタ「そうなんです?」
「ああ、そうだパイロットを辞めるっていうのも最後の一瞬まで行ってくれなかったさ、あの人が運営してたチームもあったんだがそれも当然解体、それをバネとして皆が大空に羽ばたき、新天地で新たにチームを始めた奴らは皆年をとって引退寸前だが、もしあったらなにかいい事をしてくれるだろうから頼ってみな」
ユウタ「…ええ、わかりましたもし何かあったら頼ってみますね」
「これからまだまだ長いパイロット人生頑張れよ」
とその男は悠太の肩を叩く
ユウタ「頑張ります」
「じゃあ」
と男は何処かへゆく
次回 護衛任務
無限の大空 さーら @NDVK
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