今記 20230429

@IkiToNingenSeikatsu

父と和解した話

唐突だが、父と和解した。夢の中で。


昨晩というか、2023/0429 01:21現在からすると、ついさっきなのだが、夢の中で父と和解した。


夢の中で和解とは、バカなんじゃねえの?と思う人もいるかもしれないが、わたくし個人としては革命的なことで、人生初であるので記念に「今記」を書いておく。


夢の中で会った父は相変わらず、わたしの顔を見ただけで「殴るぞ」と拳を固めてきた。これまで、現実では無抵抗に殴られ、夢の中では逃げだしてきたのだが、昨晩は違った。

わたしは父の拳を、わたしの手で包んだ。

すると、父はわずかに反発したが殴るのを留まってくれた。

これが人生初の革命だった。


父との関係性を語ろうにもぴったりした表現ができない。

・確執があった

・因縁があった

・険悪だった

どれも違う気がする。

仲が良くなかったのは間違いないし、対等な人として関係性などはなかった。所謂「会話」というものが成立したと感じたことはない。


わたし目線は「突然殴ってくる人」なので、そもそも接触を避けるべき存在であった。何かしら強要されたときのみ仕方なく接触する人。接触する際は可能な限り怒らせないよう気をつかうべき人。怒らせてしまったならあきらめ、振り下ろされる暴力に抵抗せず、ただ過ぎ去るのを待つ、これがわたしには日常だった。


わたしが父に抱いていた一番強い印象は「怖い」である。

なぜ怖いかは一見「暴力をふるうから」と思うとことなのだが、実際は違う。

殴られること自体は慣れのようなものがあり「根源」ではないと気が付いていた。自分自身に体力がつき「全力で抵抗すれば一方的にやられることはない」という思いはあったが、実際は恐怖で身が竦み抵抗する気にならないからだ。

では、何が「根源」なのかはいまも分からない。少なくとも父のことが脳裏に浮かぶだけで身震いしてしまうくらいに「怖い」存在であった。


しかし、父の死後はそんな思いも緩やかに解消していっていることを感じていた。

そして、昨晩の和解に至るのである。


暴力をふるわれたエピソードを具体的に書く気はない。(書きつくせないといったほうが正しい)

最悪のコミュニケーションだとは思うが、不思議と酷い悪感情まではない。

ただ、明確に「影響」は受けたとは思っていて、夢の中で父にかけた言葉にも色濃く反映していた、と今では思う。


父にかけた言葉

・結婚はしません、だから孫は望めません

・恨んではいません

・でも、もう会いたくないです


・結婚はしません、だから孫は望めません

父は病床でこう言っていたらしい。

「もし、孫ができたならかわいがる。絶対に暴力は振るわない」

これを聞いたときは「あれだけ人と関係を持つのが下手であることを自身の人生で噛みしめていただろうに何を言うか」と思うと同時に「そんなささやかな願いがあった」ことも知った。


父は59歳で3人の成人した子供がいた。

客観的には孫の一人もいても罰は当たらない。

そういう意味では父は権利を有していたといえるため、ずっと罪悪感があった。


しかし、わたしの個人的な事情がそれを許さない。

わたしには幼少期から唐突に訪れる抑えられない暴力性がある。

虐待は遺伝するという。

父との関係から逃げ続けたわたしがこれに向き合って乗り越えるなど到底できそうにもないため、早々と「あきらめる」ことを決めていた。


そんな中で孫発言である、こっちはたまらない。


なので、夢の中ではあるものの、父に謝罪と宣言を兼ねて伝えることができてよかった。


・恨んではいません

少しメタい話だが、ここで奇特な読者に弁明をしておく。

本文の内容が内容だけにネガティブに受け取る人もいらっしゃるだろう。

しかし、わたしは原則楽観主義者であまり物事を深く考えない、と他人を見て思う。

ということで父との出来事、またそこから派生したエピソードはいまでは「貴重な体験」カテゴリーに分類されている。


せっかくなので具体例を1つあげようと思う。


---鼻血が止まらないので耳鼻科に行った話---

わたしはとある事情で鼻血をだすことが日常茶飯事であった。母からは「もう鼻が馬鹿になってるのよ」とよく言われていたが、そんなことより流れ続ける鼻血こそが問題である。


わたしは耳鼻科に行った。

治療自体はその日の内に済んだのだが、そこで面白い体験をした。


わたしは幼少期に身に着けたスキルにより大人の表情を読み取るのがうまい。


治療中、お医者さんが【大人が子供に見せるべきではない表情をした】

本人的には一瞬、顔にでてしまった!といったところなのだろうが、わたしは見逃さない。その表情はいかにも「いやなものを見せられた」って感じだった。


ただ、そのときは「なぜ?」がわからなかった。鼻の治療なんて日常茶飯事なのだから、ぼくの患部を状態など見慣れたものだろうに。


自宅に帰った後、改めて気になったので、お医者さんが見たものを知るべく、とりあえず両の鼻穴に指を突っ込んでみた。指が左の鼻穴に置かれたガーゼを発見した。更に指を押し込むとガーゼが奥にいき、押す力を緩めると戻ってくる。それが面白くなって遊んでいると気が付いた。わたしの鼻の中心が左から右に抉れていた。


このとき、ぱっと閃いた。漫画的表現で頭の上に電球が灯るあれだ。

これをみてお医者さんは察したのだろう。故に「いやなものを見せられた」なのである。

「・・・何もしないんだなあ」

そんなものなのだろうと思った。

--鼻血が止まらないので耳鼻科に行った時の話 ~fin~ ---


・・・いや、恨んでないよ。字面は悪いが、あくまで「貴重な体験」カテゴリーの話です。現に、こうやってネタになってるでしょ?


・でも、もう会いたくないです

そのまんまですね。人間としての関係は終わりです。

思い出の中でひっそり情報としてのみ存在しておいてください。


以上です。

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