せっかくステータスカンストなのに不幸値までカンストしてるんですが

櫻える

第1話 忘却

俺は病人だ


いつからとか言われると生まれた時からかな


母親が俺を妊娠したと同時に体が衰弱して記憶が徐々に消えるっていう変な病気にかかっちゃったわけ


しかも未知の病気 母親が初めての症例


これが厄介で血液遺伝型だったのよね。んで俺は生まれた時から病院から1歩も出れないらしい。(他の人に移っちゃうかもしれないから)


んで母親はと言うと俺を産んで出血多量で死んじゃった


これついさっき先生に聞いた話ね。いや前も聞いてたかもしんないけど。


てかもう体動かせないでベットにずっと寝てるし。さっきは先生深刻そうな顔してたな。

まぁ 生まれてもう16年だしな。そろそろかなって思ってる。正直ね。



いつもと同じ白い天井が見える。しかし今日は光なく輪郭もぼやぼやだ


先生が来た。いつにも増して顔にシワを寄せている。



「そんなんじゃ老けて見えるよ先生。まあもうおじいちゃんだけどさ」


思ったことがすぐ口に出てしまう。俺の悪い癖だ


『そんな事分かっているよ。若葉君との別れが寂しいのさ』


皺を寄せた顔とは一変 穏やかな しかし少し寂しそうな顔がぼやけた視界の中で見えた


「そろそろかな。もう頭が働かないや」


この病気は脳と体の機能の低下。最終的には衰弱か脳が完全に記憶を忘れ 神経細胞すら動かすのを辞めてしまうという。


『そうか ではまたあっちで会おう』


「やだね 長生きしなよ先生」


そんな他愛もない会話で意識は途切れた

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せっかくステータスカンストなのに不幸値までカンストしてるんですが 櫻える @tyaahann

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