第2話彼女の最後の海
:まゆがメッセージを送信しました
まゆ:やっほー
涼真:なに?
まゆ:今暇だよね?
涼真:勝手に決めつけないでくれる?
まゆ:じゃあ出掛けよ?
涼真:話聞いてた!?
まゆ:また海行きたいなーって思って、海の横に有名な神社もあるんだよ
涼真:俺が居ないと外出れないんだから俺に感謝しないとね
まゆ:ありがとうございます!
涼真:んで?いつ行くの?
まゆ:今週の日曜日にしよっか
まゆ:あ、1回病院来てもらわないと出れないからよろしく!
涼真:相当信用されてないんだね
まゆ:やだ、照れる
涼真:別に褒めてないよ
0:涼真は病院までまゆを迎えに行き
0:まゆと電車に乗る
まゆ:わー!電車なんて何年ぶりだろー!
涼真:そんなに久しぶりなんだね
まゆ:うん、だって今日も電車乗るなって言われてるもん
涼真:ちょ!俺を巻き込むなって!
まゆ:私が今日死んだら逃げていいからね?
涼真:ひき逃げみたいなことはしたくないよ
まゆ:あははっ!おもしろ!ナイスジョーク!
涼真:俺は笑えないよ
まゆ:あ、そうだ、写真撮ろ?
涼真:また撮るの?
まゆ:いいの!はい撮りまーす
涼真:まったく
0:目的地に着く
まゆ:私、階段登れないからおんぶして?
涼真:な、なんで俺が!?
まゆ:涼真以外に誰が居るの?ドキドキしちゃうかもしれないけど早くー
涼真:一言余計なんだよ
0:神社まで登る
まゆ:ここの神社ね、願い事ちゃんと叶うらしいよ?
涼真:そうなんだ
まゆ:涼真は彼女が欲しいって頼んだ方がいいよ
涼真:余計なお世話だよ
0:お賽銭を投げて手を合わせる
まゆ:ふぅー!この願いは叶えばいいなー
涼真:あからさまに何願ったか聞いてほしそうな顔してるけど俺は聞かないよ?
まゆ:ほんっと冷たい人!
涼真:君に付き合ってあげてるだけでも心優しい人だよ
まゆ:はいはいありがと、じゃあ写真撮ろ?
涼真:また!?
まゆ:早く!ほら!
涼真:まったく最近の若い子は
まゆ:涼真も同い年でしょ!
0:海に行く
まゆ:おー!ここの海も広いねー!
涼真:まゆはなんでそんなに海が好きなの?
まゆ:んーとねー広いからかな?
涼真:頭悪そうな回答だね
まゆ:そんなディスる!?
涼真:もっと理由があるのかと思ったから
まゆ:理由はあるよ?海見てると心が綺麗になる
涼真:心が綺麗な人は内緒で電車乗らないよ?
まゆ:うるさーい!
涼真:じゃあ理由話してよ
まゆ:私と真逆なんだよね、海って
涼真:どうして?
まゆ:何年も前から生きてるじゃん?私はすぐ死ぬじゃん?
まゆ:なんか、何年も前から今でも生きてるのにこんなに広くて暖かい気持ちになるのなんか憧れるんだ
涼真:そっか
まゆ:何?またばかにするの?
涼真:いいや、君らしい理由だったからさ
まゆ:あのさ、涼真の言葉って感情ないよね!?
涼真:そう?
まゆ:うん、なんか何も伝わらない
涼真:伝わらなくてもいいじゃん?伝えようともしてないんだから
まゆ:涼真には気持ちってのがないの!?
涼真:気持ちなんてない
まゆ:ひねくれてる
涼真:別にいいよひねくれてても
まゆ:何が君をそうさせたの!?不気味なんだけど
涼真:いいじゃん
まゆ:よくない!もうすぐ死ぬ私に全部吐きなさい
涼真:・・・ならいっか
涼真:俺は君の言う通りひねくれものだ
涼真:俺は学年で一番頭がいいからね
まゆ:そうなの!?すごいじゃん
涼真:何もすごくないみんな最初はそう言うんだ
涼真:だんだんとそれが当たり前になってみんなの言葉が信じられなくなった
涼真:学年一位を取るたびにまたあいつか、また気取ってる、かっこつけてる
涼真:そんな言葉が飛び交う教室で俺は感情を表に出せると思う?
まゆ:それってさ、君がみんなからすごいって言われた時、ありがとうって言ったの?
涼真:・・・なんで?言う必要ないじゃないか
まゆ:もう!それだよ!
まゆ:自分の努力で勝ち取った一位だとしても褒められたらありがとうって言うの!
まゆ:笑顔で、あ・り・が・と・う
涼真:なんで感謝なんか・・・
まゆ:涼真、死にそうになったことないでしょ?
涼真:ないよ
まゆ:私は何回もあるよ?その度に思うもん
まゆ:生きててよかった、私が生きていられるのはみんなのおかげだ
まゆ:みんなありがとうってね
涼真:なんか妙に説得力あるな
まゆ:伊達に生死さまよってませんから!
まゆ:人に感謝出来る人は素敵だと思うよ
涼真:・・・そっか、まゆが言うなら間違いないのかもね
涼真:ありがとう
まゆ:おー!よく言えました!じゃあ写真撮ろ?
涼真:何回撮るの!?
まゆ:また行こうね・・・
涼真:・・・まゆ?
0:まゆはまた一瞬の寂しそうな顔をした
:3話に続く
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