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ー今日未明。〇〇大学の旧校舎から死体が発見されました。犯人は殺害後死体をバラバラにして、化学室に置いていたホルマリンに保管していたとのこと、警察は身元の調査を急いでいます。
あの後、彼と私は事情聴取を受けた。
警察側から身元がまだ判明していないが、行方不明になってた友人の可能性が高いとのこと。
そして、何故?発見したのか?
あんな遅い時間二人で何をしていたのか?
など聞かれた。
私と彼は全てを話した。
彼の部屋のことも。
そして、あの化け物のことも。
きっと、あの化け物もこれで逃げられないだろう。ただ、あの女がやったという証拠がない。
大学は休み。
当然だ。
家にいたくなくて、街に出かけた。
足がふわふわと、地につかない感じがする。
これは現実だ。
そして、あの女はいずれ捕まるだろう。
あれだけの殺人をしておいて、ボロを出さないわけがない。
早く、捕まってくれ。
「私じゃないよ?」
ハッと顔を上げた。
がいた。とても穏やかな、優しい笑みを浮かべて。
ついておいでと言っているように手招きをする。
を追いかける。
行き先は学校だろうか?
今は取り調べの時間のはず。
もしや、、のがれたのか?
もしそうだったら、私の手でこの化け物を。
教室についた。
あいかわらず、愛しいものを眺めるように微笑みを絶やさず私を見つめる。
「お前だな。殺したのは。」
「私じゃないよ?さっきもいったでしょ?」
「じゃあ何故、、私の友人は、、いなくなったんだ?お前に関わっておかしくなったんだぞ?
お前は人をたぶらかして、狂わして、楽しんでるきちがいだ!!!」
「ひどいなぁ。わたしはただ、愛を知りたいだけなのに。それに。」
「ーーくんはあーーなかーーなーーった。」
プルルルル
電話の音と重なり聞き取れなかった。
このタイミングで誰だ?
警察からだ。
「もしもし」
「もしもし!今そこに昨日の彼はいますか!?」
「いや?今日はあってないですが?」
「今すぐその彼に連絡してください!!彼はっ!!!〇〇〇〇〇〇〇〇!!」
サザーー
プープープー
圏外?
なぜ?
電話が切れた。
ー言ってる言葉が理解できなかった。
「だから。私はね。なーんにもしてないの。」
さっきこの女が言ったことをよく思い出す。
「ところで。彼って本当にそんな顔してたっ
け?」
「は?」
ぐちゅ。
急に腹部に痛みが襲う。
刺された?
誰に?
後ろを振り返ると。彼がいた。
「ふふ。やっぱり。誰かと思ったら。
久しぶりだねぇー」
「よお。久しぶりだなぁぁぁ!!ごめんなぁ。お前の忠告無視して、あの女と付き合って。でも、後悔はしてないよ。お前には感謝してる。」
理解ができない。
彼が私を刺した。
いや、それよりも警察が言っていた言葉を、ゆっくりと理解していく
「彼は死んでいる!!死体の身元は彼だったんだ!!そして、彼を殺した犯人は、、
君の友人だ!!!!!!!」
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