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カビの匂いが鼻につく。

旧校舎は危ない噂もよくあり、誰も近寄らなかった。

近々壊す予定ではあると、聞いたが。


ギィギィと床がなる。

今夜は満月でよかった。月が明るくて真っ暗にならなかった。

 

星のマークがあるのは、おそらく化学室あたりじゃないか?

と彼がいう。


ドッド

心臓が激しくなる。

化学室。おそらく、薬品もそのままだろう。

死体を保存する方法もある。

隠すならもってこいだ。


そう。ここに、友人がいるのか、

ガラッと扉を開けた。


彼が私の手を握った。

きっと心配してくれたのだろうか。


中に何もない。が、

何か腐ったにおい。

今まで嗅いだことのない吐き気を催す。

獣くささに、腐った生ごみを混ぜたような。

鼻にこびりつく。


恐る恐る中へ入る。

 

ホルマリン漬けにされた生き物たちが不気味にこちらを見ている。


ぴちゃ。

何かを踏んだ。

下を見ると、そのホルマリン漬けの入れ物がわられていた。なかのものが黒く、ぐちゃぐちゃになって、うじがわいていた。

臭いの原因はこれか、

少し安堵した。


が。

彼は吐いた。

ホルマリン漬けの容器にライトをてらした。


人だ。

臓器、骨、目玉。

各部位がバラバラになって保管されていた。


化学準備室が空いていた。

中を覗くと真っ暗だった。

いや違う。


血が固まったのか?


臭い。

くさすぎる。

なんだこのにおい。


ああ。

そうか。

友人はここで、、、、、



私は。

警察に連絡をした。


数分後、パトカーの音がした。


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