4
カビの匂いが鼻につく。
旧校舎は危ない噂もよくあり、誰も近寄らなかった。
近々壊す予定ではあると、聞いたが。
ギィギィと床がなる。
今夜は満月でよかった。月が明るくて真っ暗にならなかった。
星のマークがあるのは、おそらく化学室あたりじゃないか?
と彼がいう。
ドッド
心臓が激しくなる。
化学室。おそらく、薬品もそのままだろう。
死体を保存する方法もある。
隠すならもってこいだ。
そう。ここに、友人がいるのか、
ガラッと扉を開けた。
彼が私の手を握った。
きっと心配してくれたのだろうか。
中に何もない。が、
何か腐ったにおい。
今まで嗅いだことのない吐き気を催す。
獣くささに、腐った生ごみを混ぜたような。
鼻にこびりつく。
恐る恐る中へ入る。
ホルマリン漬けにされた生き物たちが不気味にこちらを見ている。
ぴちゃ。
何かを踏んだ。
下を見ると、そのホルマリン漬けの入れ物がわられていた。なかのものが黒く、ぐちゃぐちゃになって、うじがわいていた。
臭いの原因はこれか、
少し安堵した。
が。
彼は吐いた。
ホルマリン漬けの容器にライトをてらした。
人だ。
臓器、骨、目玉。
各部位がバラバラになって保管されていた。
化学準備室が空いていた。
中を覗くと真っ暗だった。
いや違う。
血が固まったのか?
臭い。
くさすぎる。
なんだこのにおい。
ああ。
そうか。
友人はここで、、、、、
私は。
警察に連絡をした。
数分後、パトカーの音がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます