3

がちゃ。


心臓がドッドッと、早くなる。苦しい。喉の奥に何か詰まったような息苦しさ。頭がくらくらとする。きっとここに手がかりがある。

部屋の奥へと向かう。


カーテンが閉まって薄暗かった。

バッっとカーテンを開けると、明るくなった。

部屋は整理整頓されており、綺麗だった。

‥‥。あまりにも綺麗すぎやしないか?

あの時の友人は、精神的におかしくなっていた。それなのに、ゴミ一つ落ちてない。あいつは絵を描くのが好きだった。たまに遊びに来ると絵の具とかで部屋が大変なことになってるくらいだった。

しかし、その後絵描き道具ですら、きちんとまとめられていた。

他に何かないかと見回すと、部屋のテーブルに手紙が置かれていた。

手が震えた。 

彼が、私のことを心配して肩をさすった。

深呼吸して、落ち着いて。手紙を出した。





僕の友人へ

あのとき、心配してくれたのにごめん。

僕は、おかしくなった、みたいで、

あの女に近づくな。

   のことが好き。

あの女はやはり、噂どうり化け物なんだ。

いやちがう。

あぁ。愛してる。

どこかに閉じ込めて、僕だけのものにしたい。

あああああ。あたまがおかしぃよ

あの女のことをおもうと、きが、くる、う。


ああああ!!!あいし、てる!



あああ。ほしい!!!ほしい!!!!ほしい!!!ほしいょ!!!

お前にも、渡さない。

あの女は、ぼくだけの!!僕だけの!!!

ああああああああああああああああああああああああああ‥‥‥











‥‥。

それ以上は、読み取れなかった。

「おい‥これ‥‥」

彼は何かを見つけた。

壁に違和感があった。

上から何か貼り付けたような。

いっせーのでそれを剥がした。



吐き気がした。


壁一面あの女の写真。″愛″の文字。

そして、

その壁の下に、大きめの段ボールが置かれていた。

中には、

土のついた錆びたスコップと縄。

何かの領収書。金額が20万円。

わけがわからない。

ただ、この現状を見て、わたしの友人は生きてないだろう。

頭が熱い。



あの女を、殺したい。



ハッ!

と、我に帰った。

彼が、大丈夫か!?と心配する。

彼がいなかったら、多分。あの女を殺しに行っていた。



なんとか、冷静を保ちつつ、段ボール中をよく見ると、何か紙のようなものがあった。

それは、地図?みたいで。

大学の地図だ。おそらくこれは、使われてない旧校舎のところだ。


私と彼は、冷や汗をかいた。

もしや、ここにいるのか?

まてよ。この地図を入れたのは誰なんだ?


あの女は確か、合鍵を持っていたはずだ。

そうすれば全て繋がる。



なぁ。

このスコップ、サビているんじゃない。血が、変色してるんだ。


彼が顔面蒼白になりながら、呟いた。

確かに。血だった。固まって、カサカサになった血。

全身がゾワっとした。



わけもわからず涙が出た。

もう、おかしくなりそうで。


紙に星マークで記された地図。


そこに全てがあるんだろう。


私たちは、そこへ向かった。



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