第七話『戦巧者の将たる器』
―1568年―
極めて迅速な動きをみせる信長は、動座
岐阜城を出立し関ケ原を越え、
しかし
信長軍は同盟国
出陣前の
「
戦端で
城を捨て
だが
◇
開戦一夜にして秀吉隊が
信長の思惑通り、六角氏は
信長も予想していなかった副産物は、六角氏が城を捨て逃げるのを見た地侍達が、次々と信長に寝返った事だ。
「秀吉ばかりに手柄をあげさせてはおれん!」
信長が秀吉と隊を組んだという事は、絶大なる信頼の証――。此の戦いに於いて、敵が逃げると予想されていた本城に陣取った自身よりも、落とさねばならない支城についた秀吉の方が期待されていると、勝家は焦燥感に駆られた。そして
勢いに乗る信長は、
「
六角氏が一日足らずで落城するとは思ってもいなかった三好氏は、慌てふためく中で
◇
義昭は朝廷から将軍宣下を受け、『室町幕府第十五代将軍』に就任。赤や白の
前将軍
将軍就任行事が落ち着くまで、京で過ごす事となった信長一行だが、
世に横行する“
家臣も盟友も少なかった頃から、敵との大きな兵力差を埋めるため、信長は「褒美はしかとやる。倒れた兵の刀を盗む暇があれば、一つでも多くの首を取れ!」と飛檄。
過去、桶狭間の戦いにおいても、戦の合間に
信長は常日頃から、戦陣での規律を保つ為、「破格の俸禄を与える代わり、一銭でも盗めば死刑に処する」と厳罰を予告している。
“
慎ましやかに上洛戦勝利を祝う信長軍だったが、其の酒宴の席において、ただ一人不穏な空気を漂わせる者がいた――。
“本能寺の変”には『黒幕』がいた――。
この作品は史実を基にしたフィクションであり、作者の妄想が多分に含まれます。何卒ご容赦頂けますと幸いです。
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