scene 01
彼らとの出会い
ワタシには仲の良い男友達が二人いる。
「菜穂~、今日もオマエ、先生に怒られたの? 笑える」
そう言って、ワタシにひどいことを言ってくる
「からかってやるなよ、日向。楓が可哀想だろ!!」
そう言って、ワタシのことを助けてくれる
そんなワタシたち三人が初めて顔を会わせたのは、小学1年生の時。6年生に手を引かれ、入場した入学式。席に着いた後、緊張し過ぎて、大きな声をあげて泣きじゃくってしまったワタシ。
その姿を見て、ケラケラと笑っていたムカつく男子が日向。
泣きじゃくる私の席の隣で、どうしたらいいか困っていたのが白斗君。
ワタシたち三人は、1年生の頃から6年間ずっと、何故かクラスが一緒だった。そうなると、互いのことも知り、自然と仲も良くなる訳で……。
「菜穂~、勉強教えてくれ~」
「また? 少しは自分で解いたら?」
日向は凄く活発な男の子。運動神経抜群。勉強は苦手。ワタシに対して全然優しくないけど、不思議とキライにはならない。素のワタシで接することが出来る。
「日向、楓にまた聞いてるの? 俺が代わりに教えてあげようか?」
「白斗には教わらん!!」
白斗君は頭脳明晰。運動だって出来る。そして、ワタシに対して凄く優しい。ワタシが、ひそかに想いを寄せている男の子。
そして、ワタシ。
日向からは、「オマエって、何でこんなに面白いんだろ? 見てて飽きないわ~」そう言われる。
白斗君からは、「楓って、運動も出来るし勉強も出来るし言うことないよ!!」そう言われる。
もちろんワタシは、白斗君の言ったことしか信じない!!
自信過剰な女の子、かなぁ?
そんなワタシたち三人。
日向は男子から、白斗君は女子から人気がある。
そんな二人と仲の良いワタシは、日向と仲のよい男子からは一緒にからかわれ、白斗君と仲良くしてるせいか、女子からは嫌われる。だから、他の友達が少ない。
まぁ良いのだ。一人っ子だったワタシは、元々一人遊びは得意だった。
休み時間中は、廊下から外を眺めては、何か面白いものが見えないか探してみたり、様々なジャンルの本を読んでは、その情景を想像して絵に描いてみたり、一輪車や逆上がり、二重跳びをマスターしてみたり、リコーダーで面白い曲が吹けないか考えてみたりした。
そんな特技を持つワタシを、白斗君は、「凄い!!」といつも誉めてくれ、日向には、「面白いやつ~!!」と笑われた。
グループ活動をする時は、そんな白斗君や日向が居てくれたので、なんとか乗り切れた。
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