第17話 孤児院①
ラポーラは事務局に着く。着くとラポーラは奥の部屋に連れて行かれる。事務局には受付のお姉さんとソファに2人の男女がいる。
「ラポーラくん、仲間の魔獣くんね。静かにしてたよ。あの2人が来ると唸ってたけど。」
ラポーラはキュービーの反応は正しいと思った。あの2人からは赤いオーラが出ていたのだ。
「ラポーラくん、この2人がフェア孤児院の人よ。」
「ラポーラくんだね、12歳までの間よろしくね。」女の人が話すがラポーラは警戒し、頷くのみだ。
「よく逃げたかったな。ま、逃げれる訳ないけどな。」もう1人の男が話す。赤いのがわかる威圧感だ。
この孤児院には必ず何かある。街での聞き込みで、孤児院は5カ所あるが、4つの孤児院は子どもとかよく見るが、1つの孤児院は子どもを見る事はないとの事だ。この名前がフェア孤児院だ。
ラポーラは黙って2人の後ろを着いていく。着いたのは、ラポーラが創造したバイスティ町の地図の位置で1番東のブロックの1番端だ。
バイスティ町は6つのブロックに分かれており、その5つに各孤児院がある。孤児院がない唯一のブロックはお金持ちの人が集まるいわゆるセレブ街だ。セレブ街には孤児院は必要ないか、置きたくないのだろう。
5つのブロックにもランク付けみたいなのがされており、順番に騎士、商人、職人、農民、貧民だ。ラポーラの東のブロックは貧民街で1番森に近い。ラポーラには1番いい所だ。
孤児院の外観はかなり劣化している。中に入ると独特の匂いがする。汗と腐ったにおい等さまざまな匂いが混ざっている。内装も劣化している。大きめの部屋に行くと、9人の子どもが小さなパン1つと、スープだけが並んでいる所に囲んで座っている。
「新しく入った奴だ。これで10人いっぱいだな。」赤いオーラの男はニヤニヤ笑う。
ラポーラは9人の子どもを見渡し、挨拶をする。
「お前には今から名前はない。8番が空いているから、8番だ。」
男は支配的な性格のようだな。前世なら一発アウトだが、この国ではどうなのだろう。
男の他には3人の人がいる、1人は事務局に一緒にいた赤いオーラの女。大きな身体でニヤニヤしている。事務局の時とは表情が違う。もう1人は調理担当の年配の女性で、青いオーラだ。もう1人は若い女の人で、子どもの世話をしている。顔は前世の佐々木さんに似ていて、リーファというらしい。その人も青いオーラだ。しかもなんだか青が大きい。
みんなで食卓を囲む。量は少ないのでお腹いっぱいにはならないが、スープの味は美味しい。調理の担当の女性はラーナさんと言うらしい。ラーナさんは…
「もっとたくさん食べ物を出せたらいいのだけど、なかなか食べ物増やして貰えなくてね。」
ラーナさんは、今の状況に悩んでいるらしい。ラポーラは今持ってる肉を出せば10年くらいは食べ物には満足出来るけど、今の形態でラポーラが渡しても子どもたちには渡らないなと感じる。
リーファさんは、小さい子についてご飯を食べさせている。9人の子どもはラポーラとおなじか、上の子どもが7人、後は4歳くらいだろうか。
リーファさんは子どもに人気があり、よく働くがまだ中学生くらいだろうか。
リーファさんと話をすると、リーファさんは14歳で、ここの孤児院に来て3年らしい。出身は覚えていないそうだ。12歳になり、あの男にここでそのまま働くように言われ働いている。ここの状態について聞くと、リーファさんが来てすこしの間はご飯の量も多く、衛生的だったが、今のズーラさんとリンダさんに変わってから、状況が悪くなったとの事だった。貰えるお金が少なくなってしまって申し訳ないとみんなに話していたとの事だった。
ズーラが男で、リンダが女だ。やはり赤いオーラの2人が原因か。ラポーラはどうするか考えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます