第16話 対策

 この街から出る事が出来なくなったラポーラ。出る方法はいくらでもある。しかし、ラポーラはその状況を楽しんでいた。困った事は困ったが。



 理由としては、ラポーラは前世は福祉一筋であった。大学では児童を専攻していたし、児童養護施設や児童自立支援施設等様々な施設を経験している。なので異世界の孤児院に子どもとして暮らすという経験はしないと損なくらい楽しみだ。



 その気持ちがキュービーにも伝わっていたのでキュービーは動かなかった。ラポーラが本当に逃げようとしていたらキュービーは門番でもなんでも戦うつもりであった。



 よし、まずは孤児院に行ってもずっといるのはどうかと思うか、準備が必要だな。


「孤児院に行くのはわかりました。その前に少し町を見ていいですか?逃げませんから。」


「わかりました。では必ずここに日が台5星の所に来るまでに戻って来てください。戻ってくる約束としてこの従魔を置いて行ってください。」



「従魔ではなく仲間です。この仲間強いので、変な事するとヤバいので気をつけてくださいね。」



受付のお姉さんは笑顔引き攣っていた。


 ラポーラはキュービーを置いて出て行く。時間については以前にオロチューから聞いていたので知っていた。この異世界には、どこでも同じ位置に見える、惑星が12個ある。その惑星と太陽の位置で時間がわかるらしい。



 限られた時間の中でラポーラは出来る限りの対策を始める。ラポーラが考えた対策は…


・たくさんのお金の確保

・街の情報収集

・孤児院の内容

・店の出し方

時間がないのでそれくらいだ。



 門番に素材の買取が出来る場所を聞く。ギルドでも買取出来るらしいがややこしそうなので普通の商店の方にする。門番にはラポーラが孤児院に行く事はまだ知らないみたいだ。



 急いで買取の出来る店に向かう。買取の出来る店は数店舗あるが、魔物の素材と薬草を買取出来る店にする。創造魔法のものは買取してもらうのは危ない。



 買取の店は質屋みたいな感じだ。ラポーラは店の人に家族に素材を売ってくるようにと言われたと話し、あらかじめアイテムボックスから出しておいた大量の小さな魔石が入った袋を店の人に渡す。



「手伝い偉いね。家族は冒険者かな?ま、売ってくれるならなんでもいいけどね査定するから待ってて。」



 店の人はそう言ったので、ラポーラは後で来ますと別の買取の店に向かう。数店舗の買取の店で大きめの魔石、薬草、鉱石と分けて査定してもらう。何処も通行証がなくてよかった。



 最初の店から査定結果を聞きに行く。


「おかえり。出来てるよ。たくさん狩ったんだね。何年分かだね。魔石小1つが500ウェル、魔石中1つが2000ウェルで全部合わせておまけして20万ウェルだよ。」



 ラポーラは相場はあまりわからないがそれでいい事を伝え、10万ウェル紙幣を2枚受け取った。これで魔石半分くらいだな。



 他の商店も周り、魔石大一つ1万ウェル、魔石特大1つ10万ウェル、薬草1束500ウェル、鉱石1キロ1万ウェルだった。合計約400万ウェルとなった。



 ラポーラはこの街の情報を各買取の店の人に聞いていたのである程度わかって来た。どのよに店を出すのかもわかった。



 ラポーラはもう少しお金が必要だと感じ、また各商店を周りさっきとは違った商品を出して持ってる魔石と鉱石を全て売った。全部で800万ウェルとなった。



 それで5時に近づいたのでラポーラは事務局へ戻った。

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