第9話 土地の加護②
ある程度土地の加護ではないかとわかってきたスキルの確認のため、ラポーラはキュービーとオロチューの魔物を見つける能力を頼りに森を進んでいく。
大分深い所まで来る事で、今までの探索で見た事のない草や果物、山菜、キノコなどたくさんアイテムボックスに入れる事ができた。
昼ご飯を食べてから少し歩くと、キュービーが足を止める。前には辺り一面色とりどりの花の絨毯になっているところに出た。そこなは、場違いな感じの3頭の魔物が花を踏み荒らしている。その離れた所に一人の女の子が泣いている。
ラポーラはよく観察すると、3頭のは赤く、女の子は青いオーラみたいなものが見える。ラポーラは確信して、キュービーとオロチューに合図して3頭の方に走り出す。
ラポーラは昨日の創造魔法の検証で作った、鉄の片手剣と盾を持ち、シルバーの胸当てを着ている。細かな細工は出来なかったので、シンプルなデザインだが、使用には問題はない感じだ。
まずはオロチューが、花畑の下を通り魔物に気づかれないように近づいて噛み付く。1頭の魔物はびっくりして、慌てて隣の魔物にぶつかり2頭仲良く転ぶ。
そこにキュービーがすかさず、あと1頭の魔物の首に噛み付く。キュービーとオロチューは噛み付く攻撃が好きみたいで、今までの魔物も大体噛みついて討伐していた。この状況を見て、ラポーラが片手剣で転んだ魔物に斬りつける。
ラポーラは剣術のスキルのおかげでとてもかっこよく2頭同時に真横に切る事が出来た。キュービーの方は噛んだ事で討伐完了していた。
「よし!討伐できたぞ。今回は罪悪感ないし、達成感あるな。キュービー、オロチューありがとう!」
キュービーはラポーラの表情を見て安心し、オロチューはラポーラの顔をチロチロしている。
倒した魔物をアイテムボックスに入れる。
【魔物オーガーズ 魔石 こん棒】
よし。処理完了だな。ラポーラがアイテムボックスを確認していると、
「あの〜、お花畑を助けてくれたの〜?ありがとう〜助かりました〜」
ゆっくりと心地よい声で話す女の子がいた。普通に話の出来る種族もいるのか。遠くからだと女の子だと思ったが、オーガーズが大きすぎたので小さく見えただけだった。体は160cmくらいあり、緑のワンピースを着て、おっとりとした可愛い女の人であった。
「いえいえ。たまたま通った所に綺麗な花をいじめているオーガーズと可愛らしい女の人がいたので、やっつけただけです。」
ラポーラは久しぶりに女の人と話したので、7歳の子どもの口調ではなく、60代の口調で話してしまう。
「小さいのにおじさんっぽいですね〜可愛いだなんてお世辞うまいです〜私が大事に育てたお花畑を毎回イタズラしに来てたので〜毎回悲しかったのです〜もう一度いいます〜ありがとう〜」
女の人は手を出す。ラポーラも手を出し、どういたしましてと握手する。するとキュービーとオロチューの時のように、
【ラポールの要件が満たされました。ニンフュと仲良くなりますか。 ハイ・イイエ]
また信頼してくれたんだ。嬉しいな。
ラポーラは[ハイ]を押す。
【ニンフュと仲良くなりました。ニンフュとお互い助け合う事ができるようになりました。】
「仲良くなってくれてありがとう。ニンフュさん。私はラポーラと言います。これからよろしくね。」
「はい〜よろしくです〜ニンフュでいいですよ〜」
ニンフュは受け入れてくれたようだ。ラポーラはニンフュのステータスを確認する。
------------------------------------------------------------------
名前:ニンフュ
種族:精霊(花)
年齢:600歳
レベル:計測不能
体力:∞
力:∞
魔力:∞
知力:∞
スキル:特定不能
その他:ラポーラと仲良し、キュービー、オロチューと同志
------------------------------------------------------------------
名前:ラポーラ
年齢:7
種族:人族
性別:男
レベル:70
体力:250+400
力:250+400
魔力:200+1500
知力:5000+1000
能力:創造魔法(生物、希少金属以外)、福祉力Ⅲ、異世界知識Ⅱ
スキル:アイテムボックス(170)、土地の加護、採取、鑑定、解体、戦闘(剣術、防御)、回復
その他:3種族と仲良し[3種族と仲良しの間は3種族の力、スキルがステータスに反映されます。]
----------------------------------------------------------------
なんか、あまり何もしてないのにレベルもスキルもステータスも上がってるな。すぐに死ぬ事はなくなったかな。ニンフュは精霊だったのか、だから透明感があってフワフワしてたんだな。回復スキルはニンフュのスキルかな?また検証が必要だ。
「ニンフュは精霊なら、ここから動けないね?私達はまた何処かに行くから残念だけど、ここでお別れかな?」
ラポーラは花の妖精なら、花畑から離れられないと思ったのでそう伝えた。600年も生きてるんだから。ニンフュは笑顔で答える。
「うん〜ここからは離れる事は出来ないけど〜この私が育てた特別なお花を持ってて〜何か用事があって、この花に話かけてくれると〜パッ!……っこんなふうにこのお花から出てくる事が出来るの〜必要な時に話しかけてね〜この花は枯れる事はないから安心してね〜」
さすが精霊だ。そんな方法があるなんて。ラポーラは平静を装いお礼を言って花を大事にアイテムボックスに入れる。ニンフュが花から飛び出た時、ラポーラとニンフュの顔がとても近くてドキドキした事は内緒である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます