アキグミ(秋茱萸); Elaeagnus umbellata

 秋茱萸アキグミはグミ科グミ属の東アジアからヒマラヤにかけての、川原や日当たりのよい原野に群生する落葉低木。日本では、北海道南部から九州に分布し、林などに生育します。和名の通り、春に花が咲き、秋に果実が実ります。


 果実は小さくやや渋いが、食べられます。アキグミの花は四月の終わり頃から五月にかけて咲き、花弁はなく、萼が花の形となっています。萼筒の長さは6~7㎜で、先端は4つに分かれており、淡い橙色。果実は長さ6~8㎜で小さく、十月から十一月に紅色に熟し、美味ではないが食べられます。


 グミの仲間には白色の星状毛や鱗片が枝・葉・花・果実などにあるのが特徴で、葉の裏は白銀色となって光沢があり、風にひらめき白く見えます。根に共生菌類を持ち、空中窒素を固定する能力があるので、荒れ地でも生育できます。この能力に注目され、法面などの緑化に使われることもあります。


 茱萸グミには落葉する「秋茱萸」と「夏茱萸」、常緑の「春茱萸」がありますが、秋茱萸、茱萸は、俳句歳時記で秋、晩秋の季語として詠まれています。


転生のなぞを解いてる茱萸の木よ 斎藤慎爾

あきぐみに陽の匂う風吹き来たる 金子兜太

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