アカギ(赤木):Bischofia javanica

 赤木アカギはトウダイグサ科コミカンソウ亜科アカギ属の常緑高木で、その高さは25mに達します。日本では沖縄の林のやや湿った場所に自生し、那覇市の首里城に生える六本の赤木の大木は史跡名勝天然記念物に指定されています。琉球王国尚清王時代の嘉靖かせい十年(一五三一年)から尚豊王しょうほうおう代の天啓三年(一六二三年)にかけて首里王府によって編纂された歌集『おもろさうし』の第一三巻・八二二に「あかき」の歌があります。


あかき         


東方の大主

大主の前に 

あかき ゆすきの花が真白 真赤ら 咲き居るれば

おれよ 取て おりさちへ(後略)

(『おもろさうし』第一三巻・八二二)


<意味>

東方の大主(太陽)が上がってくる

その大主の前に

アカギ、ユスギの花が真白に、真赤に咲いているから

それを取って折り差して(かざしたいものだ)


 赤木の名前は樹木の材が赤みを帯びていることに由来します。葉は互生し3出複葉、小葉は卵形~楕円形で、鈍い鋸歯きょしがあります。雌雄異株で葉腋から総状の円錐花序を出し、二~三月頃に黄緑色の多数の花が咲きます。実は茶褐色で径1㎝ぐらいの卵円形に熟します。


 日本では、奄美群島、沖縄諸島、先島諸島など南西諸島および小笠原諸島に、国外では台湾、中国南部、東南アジア、ポリネシア、オーストラリアなどに分布します。


 紫檀の代用として家具材、手工芸に用いられる他、樹皮は沖縄ではミンサー織りやラタンで作ったカゴの染料、小笠原諸島ではパレオやハンカチなど草木染ぞめにも用いられます。

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