タイムオーバー

あなたがここにいた温もりが

僕を未だに温めている

次第に冷えゆくといえど

僕は未だに動けない


このまま死んでいくんじゃないか

それでもいいと思ってる

「もう私を求めてくれないの?」なんて

あなたが言うこともない


時間になったんだ

魔法が解けるように

それはまるでシンデレラ

そんな大層なもんじゃない


ああもうタイムオーバー

暗くなってく世界

炎も燃え尽きちゃうね

とうとう寒い世界


あなたが僕にくれた魔法は

制限時間付きだって知らなかったよ

なんで制限なんてつけたの

最初からそんな気じゃなかったのかい


じゃあこの温もりはなんだよ

確かにここにあったんだよ

あなたの匂いがした部屋

魔法は解けたはずなのに


時間は進んでるのに


嫌になったんだ

まるで夢から覚めるように

それは白昼夢のよう

朧げな魔法の夢


ああもうタイムオーバー

何も見えない世界

もとからあなたしか見えていなかったけど


これから何を見ていこうか

残った時間は一体どれくらいだろう

まだ残ってるかな

きっと残ってるさ

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