第一幕 第六章「偶然とは必然である」

本名 樹日田 海斗 年齢17歳 翔太と同じ高校である。


翔太「なななななな、なんで海斗がここにいるんだ?!」

海斗「そそそそそそ、そっちこそなんでいるんだよ?!」

お互い困惑をしていた。

雹美「あんたたち知り合いなの?」

翔太「あ、あぁ友達だ。中学からのな」

海斗「まさかこんなとこで会うなんて思いもしなかったよ。」

翔太「それな!あ、あそこのベンチで座って話そうぜ!」

 そう言い、俺達はベンチへ向かった。

翔太「おいしょっと。で、気を取り直してなんでこの世界に来たんだ?」

海斗「俺は部活帰りに部室に忘れ物しちゃって、部室に戻ったんだよ。そしたら椅子の下に本を見つけたんだ。そんで中身開いたら急に光が出てきたんだ。それで俺はこの世界に来たんだ。」

翔太「お、俺と同じじゃんか。俺も市民図書館で適当に本読もうとしてたまたま選んだ本を開いたら光がブァってでてきてこの世界に来たんだ。しかも一時間前くらいにな。」

海斗「そうだったのか…まさか俺の人生にもこんなことが起こるとは思わなかったよ。」

翔太「ほんとにそれなぁ。」

海斗「…あ!俺こんなことしてる場合じゃなかった!すまん俺やる事あるからまたね!」

 そう言い、急いでどこかに行ってしまった。

翔太「い、行っちゃった…感動の再会だったのにぃ…ま、いいか俺らもやる事あるしまた会えるだろ。」

雹美「そうね。それじゃさっきの事務室に戻りましょ。」

翔太「おう!」

 そう言い俺らは事務室に戻っていった。

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 カーマッカ王国 近隣

海斗「やはりいたか…」

 少し口角を上げ不気味な表情になり

海斗「この世界でならあいつに勝てるぞ……!!」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一方翔太達は…


 ドアをガチャっと開けて

翔太「エトラスさーん戻ってきたぞー!……エトラスさん?」

雹美「エトラスさんだけじゃなくて他の事務員もいないわ」

翔太「ど、どうして…ん?机に置き手紙?」

 机に置いてある手紙を取るとそこには衝撃の内容が書いてあった。

翔太「えぇっと…貴様にはライフカードの申請はさせない。召喚者はあの方に渡すのみ…」

雹美「なっ…!」

翔太「な、なんだよこの内容…!手紙と言うよりも殺害予告じゃねえか!」

 なんなんだよこれ…なんでまず召喚者ってこと分かってんだ?俺の事を召喚者だって分かってるのは海斗とこいつとエトラスさんだけだぞ?…ってまさかこの中に犯人が…

 

雹美「まって、この予告状魔力の痕跡があるわ。これはペンで書いたものじゃない!」

翔太「なんだとじゃあその魔力を追っていけば犯人がわかるのか!」

雹美「いえ、残念ながら私は感じ取ることはできるけど、それは一時的なものでずっーと感じるのは無理なのよ。」

翔太「ま、まじかよ…じゃあ俺がやってみよう。」

雹美「あ、あんたがやるの?やり方わかるの?」

翔太「分からねえよ。だからお前がいるんだろ。お前は俺のガイドなんだろ?」

雹美「そ、そうね!ふふ、よく私を頼ってくれたわ!そこは感謝してあげる!」

 なんだコイツ急に調子乗るやないか

 

翔太「じゃあ早く教えてくれ!」

雹美「まず、この予告状に手を差し伸べて。」

 俺は言われた通りに手を差し伸べた。

雹美「そして感じ取るんだっていう気持ちになるの。」

 

 感じ取るんだっていう気持ちになるような気持ちになった。…いや嘘だ全くわからん。なんだ感じ取るような気持ちって、まあでも何かを感じ取るのは普通に難しいことだもんな。こうゆう時は目を瞑って精神統一しつつ感じ取る気持ちになろうとする気持ちになれば…

 

翔太「スゥー…」

 5秒ほどだった瞬間ぶぁっというなにかエネルギーのようなものを感じた。

翔太「……!これか…これが魔力……!わかる、わかるぞ!これなら探知できる!早く行くぞ!」

雹美「え、えぇ」(何となく言っただけなのにほんとに感じるなんて…しかも私よりも…)


 俺は王宮をすぐ出て入口の前で足に力を溜め込んだ。そして思いっきり蹴った。俺は無意識に「魔力変換」 というのを行っていた。

 「魔力変換」とは魔力を力のエネルギーに変化することを意味する。そして今回翔太は魔力変換で脚力に力を変えて、スピード・ジャンプ力を大幅に強化した。


翔太「うわぁぁぁぁ!!と、飛んでる!俺が飛んでるぅ?!」

 す、凄い、飛ぶってこんな感じなのか…!ってあれ?どうやって降りよう… あ、どんどん落ちてくやっぱ重力はあるよねうん あ近づいてる地面にあ、やばいどうしよあ、やばいやばいやばい


 ズドーンと地面に落ちてしまった。

翔太「っ……!いっ…カハッ……」

 や、やばい……!足が……いてぇ…!痛すぎて逆によくわからん……!


 俺は足だけにもろ喰らい、それ以外の部位はあまり怪我をしていなかった。


 やばい……!ハァッハァッ!汗が…!血がぁ……!足だけなのに……!こんなに辛くなるなんて……!あ……意識が……とお………の……い…て………………。


 俺は意識を失い…


  死んだ。


 

 

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