第一幕 第四章「未知との遭遇」

翔太「だ、誰が喋ったんだ?」と俺は疑問と恐怖を抱いた。

???「こっちを見ろ。俺だ俺」

翔太「どっちどっち?」俺は首を左右に捻り、探した。

???「いやここだぞここ違うそっちじゃない!もうちょい右だ。そうそう!そこそこ…いやいや通り過ぎだぞもうちょい左…そっちじゃない!背中をかいてもらってるわけじゃないぞ!人間共!」

 とこの蛇は喋った。

 

翔太「おい、お前まず名を名乗れ」

???「おい…!貴様俺が何者だとも知らずにその発言をしたのか?」

翔太「あん?知るかよお前みたいな大蛇。アナコンダよりもティタノボアよりも大きいやつなんかよ」

???「どうやらほんとに知らないようだな。俺は鬼じゃない。名を言おうじゃないか。」

なんだコイツさっきから上から目線でムカつくな

 

???「俺は魔王軍 最高司令官 暗緑の大蛇 ガイジャ・エメラスだ。」   

その言葉を聞いた瞬間俺はゾッとした。魔王軍の最高司令官だと?!それって全ての魔物を支配してるようなもんだよな…

 

雹美「あんた、なんで私を殺す気がなかったのよ」

ガイジャ「お前らに言う必要は無い。わかったならさっさとここから去れ。そしてカーマッカ王国に伝えておけ。「俺は被害を及ぼすつもりは無い。」と」

翔太「魔物の言うことを簡単に信用できるかよ。」

ガイジャ「もしそうでなければ俺は小娘を殺していないぞ」

翔太「た、確かに…」

 俺は素直にガイジャの言うことに従い、雹美と共にカーマッカ王国へ向かった。

 

翔太「にしても急展開過ぎたな。まさかこんなことになるなんてよ…」

雹美「そうね。これに関しては私も予想外だったわ。」

翔太「でもお前すごいな。あんな強いやつの攻撃を止めたんだぞ。」

雹美「あの程度だったから私でも止められたけど、もし本気であの攻撃をされたら今の状態の私じゃ適わなかったわ。」

翔太「今の状態?他になんかあるのか?」

雹美「あ、それは気にしないでちょうだい。あなたには関係ないことよ。」

 

 少し意味深だがまあ気にしないことにした。こんな感じでぺちゃくちゃ話してる内にカーマッカ王国の正門に着いた。

 

翔太「で、でけぇな…」

カーマッカ王国の外観は巨大な石の壁で城内を囲んでいる。マンション10階以上いやもっとあるのでは無いだろうか。

翔太「で、こっからどうやって入ればいいんだ?」

雹美「まず入国審査を受けなければ入ることは出来ないの。」

翔太「じゃあその入国審査はどうやったら合格なんだ?」

雹美「簡単よ、身分証があれば入れるわ。」

翔太「保険証があれば平気か」

雹美「保険証?何よそれそんな聞いたことない証明書は使えないわよ」

翔太「え?この世界には保険証もないのか?自分が生まれた時に発行される身分証なんだけど…」

雹美「あ~それに似たようなやつはあるわ。ライフカードって言うやつね。これは身分証として役立つわ」

翔太「ライフカード?何だそれ」

雹美「ライフカードは自分の生誕期が書かれた硬紙よ。自分は何族で何月生まれなのかとか」

翔太「な、何族とかもあんのか…でも何月とかはあるんだな」

雹美「当たり前でしょ?そんなん無かったらどうやって時間を把握するのよ。」

翔太「確かにな。1月2月とかって言うもんな」

雹美「1月2月?数値は使わないわよ。睦月皐月とかって言うわ」

え、和風月名?!この世界は全く別の世界では無いのか?

翔太「な、なんでその月名を使ってるんだ…」

雹美「これが当たり前だからよ。それ以外なにかいる?」

翔太「いや、まぁ…」

当たり前ならそれを追求しても分からないよな

雹美「あんたの世界にもその月はあるの?」

翔太「あるけど普通は使わねえよ。」

雹美「へぇ~そうなの。ま、この世界ではこの月名を言ってよね。」

翔太「お、おぅ」

正直和風月名なんて全部覚えてないぞ…


そして俺たちは入国審査へと向かった。

門番A「止まれ!」門番B「止まれ!」

門番2人はダンッ!!という音を立て槍を地面に刺した。

そして翔太はビクッ!となった。

 

門番A「身分証を提示しろ!なければここの入国を拒否する!」

逞しい声で俺らに言った。

雹美「はい。これでいいですね?」

門番Bは雹美が差し出したライフカードを手に取り確認した。

門番B「…よし。通ってよいぞ。」

言ったとともに巨大な門が開いた。

 

門番A「あとは貴様だ!身分証を提示しろ!」

と俺に向かって言った。

翔太「え、ええと…こ、これで…」

そう言い結局俺は保険証を提示し、門番Bに差し出した。

門番B「……?これは何だ?分からないぞ。それになんなのだこの文字は初めて見たような…ん?」

ま、その反応になりますよねぇ…

門番A「おい!貴様!こんな硬紙で通れると思っているのか!おちょくっているのか?殺すぞ!」

翔太「ええええ?!」

こ、殺す??い、いくらなんでもこれは…

門番B「ま、まて、この硬紙もしや…」

と疑問を抱くかのように言った。

門番B「お前はまさか転生者か?」

翔太「ま、まあ似たようなもんだ。」

するとすぐに態度を変えて

門番B「こ、これは申し訳ない!ライフカードを持っていないのも無理は無い!」

と、開き直ったかのようにこの門番は言った。

翔太「そ、そうなのか?」

門番B「あぁ!この文字はあの石碑と似たような文字だからな!まさかと思ったのだ」

門番A「これは大変失礼した。さっきの御無礼お許しを。」

翔太「まあ仕方ねえよ!気にすんな!でも殺すは言い過ぎだと思うけどな…。で、その石碑はどこにあるんだ?」

門番B「あぁ、その石碑はロックフィールドにある。ここから行くのだとしたら1週間はかかるだろう。」

雹美「ロックフィールドねぇ。あそこはかなり危険な場所よ。まだあなたは行かない方がいいわ。」

翔太「そ、そうかそれは仕方ないな。まあとりあえずその石碑は時間がある時に探すよ。とりまこの門を通らせてくれ。」

門番B「かしこまりました。それでは良い旅を。」

と言い、大きな門を俺は通った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る