あと一歩

ponz

君と

「ねぇ、これ知ってる!?」

隣にいるのは俺の幼なじみ、満衣まい

保育園が同じでそこから仲良くしている、

腐れ縁みたいなものだ。

「聞いてんのか?」

「え?」

「だから、鳥野先輩が二股してたんだってば!」

「マジか」

「マジだ」

「いやー、あんなにラブラブだったのにびっくりだよね、晴人」

くそ、かわいすぎる…彼女にしたい

そう、俺は満衣が好きなのだ。

あれは、俺と満衣が中学生の時の事だ。

俺はいつものように満衣と帰っていた。

くだらない話をしながら満衣が笑いながら

「私たち一生こんな話をしながら笑ってるんだろうね」何気ない一言だった。

それがきっかけだった。

それからというもの会うたびに今までなんともなかった満衣の顔がとても可愛く見える、話しかけるだけでも一苦労だ。

「私、こっちだから」

「おう」

「じゃあまた明日」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「うん?」

満衣からLIMEだ、なんだろ


『ねぇ、賭けをしない?』

『次の定期テストで負けたほうが

勝ったほうの言うことを聞くって感じのさ』

                 『いいぜ』

『じゃあ決まり!』

『負けないからね』


そこからの俺はゲームもせずずっと勉強していた

そして運命の日、俺の順位は2位

「晴人ー見て見て、私1位だったよー」

なん…だと…

になにしてもらおっかなー」

付き合うチャンスだったのに…

「じゃあー放課後、いつものとこで待ってて」

俺はどんな辱しめを受けるのだろうか

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ごめーん、遅くなっちゃった」

「で、俺は何をすればいいんだ?」

「えっとね、私と…」

「私と、なんだ?」

「私と付き合ってほしい///」

「え?」

「私、晴人のことがずっと好きだったんだ」

フリーズした、思考が追い付かない

「ほら、小さい頃バレンタイン渡したことがあったでしょ?あれ、晴人が好きだったから渡したのに晴人、あのあと他の子と付き合っちゃてすごい悲しかったんだから」

えっと、つまり…

「両思いってこと…?」

「え///」

「あっ」

「///」

「かわいい」

「ッー///」

「俺も、満衣のことが大好きだ」

「付き合ってくれるの?///」

「あぁ」

「嬉しい///」

「手、繋いでかえりますか?//」

「うん//」

空はもう茜色だった

俺の顔も赤く染まっているのだろうか

手を繋いだからだろうか

満衣の鼓動が伝わってくる

この手を離したくない、一生

                   ~終~








おまけ

「というか、晴人こうなるまで告白出来なかったんだね、チキンじゃん」

「悪かったな、チキンで」

「そういうとこも好きー」

うちの彼女可愛すぎんだろ

              今度こそ終わり。

              めでたしめでたし

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あと一歩 ponz @41386

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