意味深なメールとちょっと大人げなかったかなと後悔する私


さすがに前回、大人げなかったなーと感じ。

真子ちゃんに謝罪の意味を込めて、一つ提案してみる。

「よかったらさ・・・一緒に料理してみない?」

「料理?」

首を傾げる。

「そう、食材を使って、別の料理に変化させる一種の魔法」

私は嘘はついてない。ほら美味しいもん食べたら、気分いいじゃん

一種の魔法じゃん。

「魔法!」

目が輝き出す真子ちゃん。

コクコクと何度も頷いて、やる!と元気よく返した。

「よし!じゃあ着いてきて!!」

キッチン下に踏み台を置いて、子供用のエプロンを着ける。

初めての体験なのか、そわそわと落ち着きが無い。

まず料理の基礎ということで、カレーの食材などを用意する。

さすがに子供用の包丁はないため、大人用の包丁を渡す。

怪我しない様に見張る・・・・・までもなかった。

ザクザクとまるで知っているかの様に、器用に人参を星形に切っていく。

「さすが・・・双雷家。遺伝なのか?それとも実際さばいたことあるのか・・・・」

そこでふと疑問に思う。彼女は将来同じ道を進むのか?

なんて、不確定な未来を想像しながらも、隣でスムーズに事が進んでいる事に驚き、

彼女を褒める。

鍋に全ての食材を入れ、水を入れ蓋をする。


「ねぇこれで出来るの!?」

「出来るとも、きっと美味しいものが出来上がるに違いないさ」

笑うと彼女もつられて笑った。

「じゃあ出来るまで待っとく」

ん?

何処で?

彼女はトテトテと踏み台に上り、蓋の上から中身をじぃーと見つめだした。

「大丈夫だよ、真子ちゃん。タイマーセットしといたから」

「見守るの!」

強い意志を感じたので、彼女の意思を尊重することにした。

勿論放置では無く、時々様子を見に来てる。

行く度に、彼女は律儀に報告してくれる。


そんなやり取りを繰り返している度に

ppppppp!

とタイマーが鳴る。

ピッと止めて

彼女に会いに行くと

「みて!凄くゴポゴポしてる!!」

目を輝かせながら、彼女は沸騰している事を教えてくれる。

「そうだね。じゃあそろそろルー入れようか!!」

「うん!」

箱から甘口のカレールーを取り出した。

彼女はパキッと割って入れると

グツグツと沸騰した水に、ルーが浸かり溶けていき

カレー色が広がっていくと同時に良い匂いもしてきてお腹が減ってきた。

最後のルーも真子ちゃんが入れようとしたとき、

「私もやりたい」

冬至達と遊んでいた隼士が割り込んできた。

「やだ。私がやるの!!」

空箱を手に持ち、パコパコと隼士の頭を叩く。

「やめてよ」

箱を奪い取り、ゴミ箱にツッコんだ。

まな板に残された最後のルーが寂しそうにしているのを見て

これ以上の喧嘩が起こらないように

私はそのルーをさらに半分にし、二人に渡した。

「喧嘩すんなよ?」

二人は喜びの色の目に変わり、ポチャンと二つ

綺麗な音と共に水しぶきをあげた。


―5分後―

「完成!」「完成した!」

人数分お皿を用意し、ご飯をよそい

作ったカレーをかける。

そして机に並べた。

「おーいガキ共~!夕飯出来たぞ~!」

スタスタと蝋と冬至と何故かどや顔気味の隼士が集まってきて

地面に座る。

「良い匂い、僕のお腹が減った」

「俺はもう食うわ」

先に食べ始める、冬至。

一口食べても無言だった彼に、

衝撃が来たのか、食べるスピードが上がった。

一番最初に「おいしい!」と感想を述べたのは

真子ちゃんだった。

残りの二人も、悪くないとか普通だなとか言っているが

カレーが乗ったスプーンを口に入れるスピードが速い。


「めっちゃ美味しいよ!。真子ちゃん。」

率直な感想を述べると、彼女はもう一度自分の作ったカレーに視線を移して振り向いた。

「ありがとう!お姉さん!」

と言ってまたカレーを口に含んだ。


この歳で、星や、ハート器用に切り取る姿は、まさに戦闘の一族殺し屋

の所業。・・・・・まぁまだひよっこだけどね。


ごちそうさま!


皆それぞれ解散する。

残された私は洗い物を片付けた。


いつもなら静かで寂しいが、今日から違う。

チラッとヒーローごっこをしている、子供達をみる。

そう五月蠅いのがいる。


「まあ悪くはないけどね」

ジャバジャバと水道から流れる水によってこの言葉はかき消される。

――――――――

就寝

――――――――

「つっかれたー」

布団にダイブする。

「俺も疲れた」

「私も」

「じゃあ僕も」

「何に疲れたんだぁ?」

カチッと急に光が消える。

真子ちゃんが眠そうに、目をこすっている。

「もう寝ようか」

それぞれ布団に入る。

そして数分後位には、皆すやすやと夢の中。


私も夢の中だったのだが

ぶーぶーとメール受信のバイブが鳴り目が覚める。

「う・・・・ん?」

寝ぼけながら、トークアプリを開けると

王からダイレクトメッセージが届いていた。

"大丈夫か?お主達は無事でいるか?しっかりと代金は振り込んだから安心するがよい"

寝ぼけているせいなのか、後半は理解できても前半が理解できなかった。

無事?

何故心配口調なのか。

私は

"ありがとうございます。私達は無事ですよ"

と返すとすぐに

"それは良かった。あとお主気をつけろ。こればっかりは最強でも手に余るかもしれん"

と返事が来る。

"元ですけどね  、と言いますと?"


ピコン

入力中の時に、画面に表示されたのは

"双雷家、帝章家、刀経家、法章家のトップ4人が殺された。

きっと奴らは、その血を受け継ぐ子達を狙う筈だ!だから・・・・だからあの子達の事を守ってやってくれ!"

の文字を見て

目を見開き、

「はぁ!なんだと!」

と無意識に大きな声が出る。

あと衝撃の真実すぎて、布団から這い出る。


(殺された?だと。じゃあこいつらの両親達はもう・・・・)

チラリと気持ちよさそうに眠る子達を見て、私は眉をひそめる。

・・・・・・。

そうだ黙っていよう。それがいい。

時が来たら話せばいいだけ。

"消灯 神子徒しょうとう みことにお任せ下さい。どんな奴らが来ても私が守り通します"

とだけ、返信し携帯の電源を落とした。

ゴロンと寝転がり

暗くて見えなかった天井が、慣れて見える様になった所で

目を閉じる。


おやすみなさい。


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最近の子共って怖いわーまじで bbキャンセル君 @aiumi

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