まじで子共の純粋さにやられかけたんだけど。

*現実とは何の関係ありません。


「ねえお姉さんあそぼー」

真子まこちゃんが片手にゲームの本を持ちながら、裾を引っ張る。

「いいよ。何して遊ぶ?」

「勇者ごっこ。皆でやるの」

周りの男子達、話に気づき興味深そうに近寄ってきた。

「私もやる」

「僕もやる」

皆がそう言う中で一人、嫌そうな子共が一人。

皆の視線が突き刺さり、冬至とうじがしばらく悩んだ結果

「俺も・・・・やる。てかやればいいんだろ!?」

と折れた。

「決まったね。じゃあ誰が勇者するの?」

「配役はもうきまってるの。隼士しゅんじは武闘家でろうは僧侶で私が魔法使いで冬至は勇者」

一個一個説明を聞いていき、

じゃあ残り的に私が魔王か・・・・と一人納得しかけた時

「お姉さんの職業はね、ニート!!」

純粋な笑顔と裏腹に、破壊力がある言葉に、心の中の何かを失う。


「ま・・・魔王いないけど、大丈夫なの?てかなんで私ニートなの?職業じゃないじゃん」

あっ・・・と言われて気づく真子ちゃん。

そして付け加えた。

「だってここに、書いてあるもん。お姉さんは良い人だから新しい職業にしてあげたいと思ったから・・・・」

本をめくり私に見せる。

そこには、新職業登場!というタイトルの下に

遊び人と書かれた文字があった。


言いたい事は分かった。

あと悪気がない事も分かった。

でもなニートは無いだろ。

どこから覚えてきたんだよ。

あと色々失礼だからやめなさい。


「ごめんなさい・・・・」

「いや大丈夫だよ真子ちゃん。ちょっと驚いただけだから」

よしよしと慰めている隣で

「おいニート、早く魔王討伐に行くぞ」

空気の読めないガキ大将が何か言っている。

意味分かって言ってんのか、てめぇは。

と心の中でツッコんで

この遊びを海の底に沈めた。



――続く――

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