自己紹介の時間だけど・・・さすがにできるよね?


「さて、今日から君たちの教育係に任命された、     

消灯 神子徒だ。よろしく、ガキ共」

最後にしれっと重圧をかけながら、笑顔を見せる。

パチパチ!

女の子から拍手が来た!が、ボロボロの男共からは

ブーイングが来た。

「虐待」

「暴力教師」

「絶対法律で裁く」


「もうなんとでも、言っとけ。さて次、君が自己紹介する番だけど・・・。さあ、一番目にする勇敢な子は誰だ?」


三人は狂暴な目を向けるなか、小さく手を挙げる女の子。

「私の名前は、双雷 真子そうらい まこと言います。好きな事は・・・・ぬいぐるみ遊びです。・・・・よろしくおねがいします」

私は大きな拍手を送り、問題の奴らに視線を移すと、

魔槍が飛んできた。

もちろん避ける、でもさっき魔法で修復したばかりの家がまた後ろで壊れる音がする。

「ハッ誰がお前に自己紹介するんだよ」

「そーだそーだ」

「犯罪者に言う事無し」

口々に言う彼らの事を

フッと笑い、余裕を見せた。

「言ったよね。弱い奴は強い奴に従うそれがルールだって」

視線を私から逸らす彼らを見て、素直じゃないなぁと思った。

「忘れたのなら、もう一度思い出させてあげるよ?。・・・・そんなに自分を貫きたければ私を超えてみな。話はそれからだ」


リーダー格の男の子は手を強く握りしめ

「俺は、帝章 冬至ていしょう とうじ!お前を超えて真の王になる男なんだ!!覚えておけ!」

と半ヤケクソ気味に叫んだ。


私は目を細める。

帝章家ねぇ・・・確かに純粋な王の血筋。

政治にも関われるし、願うのであれば現王の跡継ぎにだってなれる。

色々な可能性を秘めている家系だ。昔に血が絶えたと思っていたけれど、

まだいたんだね

今後が楽しみで口角を緩める。


「私の名前は、刀経 隼士とうけい しゅんじ。武器製造の家系」


「僕の名前は、法章 蝋ほうしょう ろう・・・それ以外に何も言うことない」

私は三人に拍手を送る。

法章家は、法律関係の家系。双雷家は、戦闘の一族の家系。

どれも最強の血を引いていて油断はできない。

それ相応の固有の魔術を使える筈だから。


「改めてよろしくね。じゃあ早速だけど・・・・」

後ろで突き刺さっている魔槍の方を指さす。

「あれ撤去しよっか・・・ねえ?冬至君?」

言いたい事が伝わったのか、彼はそっぽを向いた。

(・・・・アンタが魔法で作った魔槍が壁にぶっ刺さってて邪魔なんだけど)


ドデカいため息を吐いて、渋々私が引き抜いた瞬間

徐々に増幅する魔力を感じ取り、誰もいない方へと投げつけ壁に当てると、爆発した。


横目で、元凶を睨みつけると、彼は何を言いたいのか分からない表情で

こっちを見ていた。


それを見て、やったんだろ?

遠隔操作で爆発させたんだろ?

と心の中で彼を問い詰める。


(てか自己紹介するだけなのになんで家壊れるんだよ・・・)

内心ドン引きである。

とりあえず壊れた部分に視線を向ける。

「創造魔術は確かに無限だけど、結構体力使うんだよ」

詠唱を唱え、壊れた部分に光の結晶が集まりだす。


光の結晶が完全に集まり、破損した部分を覆った所で

「創造魔術」

両手を強く握りしめると、崩壊していた部分が、元の姿へと戻る。


皆はなんとも言えない顔をしている中で


一人背中を向けている男の子冬至は、創造魔術とだけ呟いた。


―続く―

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