恋するインディ・ジョーンズ: 笑いの宝探し

くらまい

第1話

 ある日の放課後、教室で僕・亮太はまたしてもクラスメイトたちを笑わせるために、自ら考えた珍妙なジョークを披露していた。そんな僕の隣でクスクスと笑う結衣ちゃんは、穏やかな性格と美しさで皆から好かれる存在だった。僕たちの間には、友達以上恋人未満の関係があった。いつも一緒にいるけれど、告白する勇気がなかった。


 ある日、クラスの担任教師が文化祭の準備について話し始めた。先生が言うには、「今年の文化祭では、各グループが様々な企画を出し合い、その中から代表的なものを選ぶことになっている。」「あ、先生!それって、イモ洗い大会とかもいいんですか?」とクラスのいたずらっ子大樹君が言った。「大樹君、それはちょっと...」と先生が苦笑いしながら言った。僕と結衣ちゃんは、偶然にも同じプロジェクトを担当することになった。僕たちは、学園祭でカフェを開くことを提案し、周囲から賛同を受けた。


 それからというもの、僕と結衣ちゃんは放課後になるとカフェの準備に取り掛かっていた。どんなメニューにするか、どんな装飾を施すかなど、僕たちで意見を出し合いながら楽しく準備を進めていた。ある日、デコレーションのアイデアに詰まってしまい、僕が思いついた提案で場を盛り上げ、皆を笑わせた。また、ある時は電気が突然消え、クラスメイトたちがパニックに陥ったが、僕が落ち着いてブレーカーを直し、状況を収拾した。「ねぇ、僕たちのカフェで、お化けカフェとかやったら面白いんじゃない?」と僕が提案。「亮太君、それ面白そうだけど、お客さんが入ってこなくなっちゃうかもね」と結衣ちゃんが笑って返した。その過程で、お互いのことをより深く知ることができ、さらに距離が縮まっていった。


 ある日、準備が一段落ついた後、僕はふとした瞬間に結衣ちゃんの美しさに気づいてしまう。その日から、僕の心には結衣ちゃんへの恋心が芽生え始めた。僕は電気のトラブルを冷静に解決したり、アイデアで皆を笑わせたりしていた。結衣ちゃんの様子が少し変わり、僕に対する態度が優しくなったり、目が合うとすぐに顔を赤くして目をそらしたりしていたが、お互いの気持ちを確かめることができず、まだ告白する勇気がなかった。



 文化祭まであと1週間を切り、僕と結衣ちゃんのカフェプロジェクトは着々と進行していた。クラスメートたちも次第に盛り上がりを見せ、学校全体が文化祭ムードに包まれていった。ある日、僕が突然クラスメートたちに向かって、「皆、どうしても言いたいことがあるんだ!」と叫んだ。皆が驚いて僕を見ると、僕は笑顔で「文化祭で一番楽しみなことって何だと思う?」と質問した。その後、僕は面白いアイデアを次々と提案し、「皆でゲーム大会を開いて、勝者には特別な景品を用意しよう!」と提案。クラスメートたちは大喜びで、学校中にその話題が広がった。


 僕と結衣ちゃんはプロジェクトで協力し合い、お互いの良いところを見つけ、さらに強い絆で結ばれていく。カフェのテーマは「星空」と決まり、僕たちは天井にイルミネーションを取り付けることにした。準備が進む中で、僕は結衣ちゃんの繊細で芸術的なセンスに感心し、彼女への想いがますます強くなった。結衣ちゃんも僕の面白さやアイデアの豊富さに感心している様子だった。特に僕が皆を笑わせたり、クリエイティブなアイデアでカフェの企画を盛り上げたりした時、彼女の笑顔が印象的だった。


 だが、僕たちの間にはまだ言葉にならない焦れったい空気が漂っていた。そんな中、クラスメートの大樹君と美優ちゃんが恋仲になるという噂が広まり始めた。彼らの仲の良さやラブラブな雰囲気は、僕と結衣ちゃんにとっても刺激的だった。自分たちもそんな関係になりたいと強く思うようになる。


 文化祭の準備が進むにつれて、学校中でさまざまな出来事が起こり始めた。例えば、演劇部の練習中に大道具が壊れてしまったり、美術部の作品がいたずらによって汚されたりと、困難やトラブルが次々と発生した。しかし、僕と結衣ちゃんはそんな状況を乗り越えて、お互いに助け合いながらカフェプロジェクトを進めていった。淳平君が「美術部の作品が汚されたのは、実は僕のせいだったんだ。誤ってペンキをぶちまけちゃって」と告白したとき、クラスは一瞬シーンとなったが、すぐに笑いが起こった。「淳平君、いつもドジだね」とクラスメートが冗談を言い、淳平君も笑って頭をかいた。


 ある日、僕と結衣ちゃんが教室で作業をしていると、偶然にも大樹君と美優ちゃんがキスをしているのを目撃してしまう。その瞬間、僕たちの心に決意が生まれた。どうしてもお互いの気持ちを伝えたいと強く思い、いつか告白する機会を作ろうと誓った。




 そんな中、クラスメイトの英樹君が僕にアドバイスをしてくれた。「おい、告白の方法なんて簡単だぜ。お前、いつもクラスでジョークを言って笑いを取ってるだろ?それを活かせばいいんだよ」と言って、僕はひらめいた。そうだ、自分の得意なコメディを使って告白しよう。それなら、きっと結衣ちゃんも喜んでくれるはずだ。


 告白リレーが始まり、僕たちの順番がやってきた。ドキドキしながらマイクを握った僕は、深呼吸してから結衣ちゃんに向かって言った。「結衣ちゃん、僕は君と一緒にいると、まるで映画のような冒険をしている気分だよ。僕たちの物語は、"恋するインディ・ジョーンズ"!だから、僕と一緒に手を繋いで、愛のトレジャーハントに出かけよう!君と共に、愛の宝物を探し当てる冒険を楽しみたいんだ。そして、最後には伝説のキスの秘宝を手に入れるんだ!」と、緊張と期待に満ちた声で告白した。


 結衣ちゃんはにっこりと微笑んで言った。「それなら、恋するインディ・ジョーンズと共に、伝説の"キューピッドの矢"を探し出しに行こう!愛の遺跡でキューピッドの矢を見つけたら、わたしたち二人で最強の恋愛パワーを手に入れるんだもの!途中でちょっぴり危険な罠に遭遇しても、わたしたちの愛はきっと乗り越えられるはずよ!さあ、手を繋いで、愛の冒険の始まりだわ!そして、最後には伝説のキスで、この冒険を締めくくろう!」と、冒険心に溢れた返答が返ってきた。




 告白リレーが終わり、僕と結衣ちゃんはクラスメイトたちに祝福された。その後、大樹君が僕たちに近づいてきて、「おいおい、おめでとう!でも、これで僕たちのロマンチックな告白大会が終わっちゃうなんて寂しいよね。だから、最後にみんなでジョーク大会をやろうよ!」と提案してきた。


 そこで、僕たちはジョーク大会を開催することにした。大樹君が最初にマイクを持って立ち上がり、「美優ちゃんとのデートのために、僕は月に行って星を拾ってきたんだけど、重力がなくて持ち帰れなかった!」と言った。会場からは笑い声が上がり、次々とクラスメイトたちが面白いジョークを披露し始めた。


 僕も結衣ちゃんもジョーク大会に参加して、笑いの渦に包まれた。僕は、「僕が結衣ちゃんに太陽をプレゼントしようと思ったけど、熱すぎて持ってこれなかった!」と言った。結衣ちゃんはクスクスと笑い、「じゃあ、私はあなたに銀河をプレゼントしようと思ったけど、広すぎてラッピングできなかったわ!」と言い返した。


 ジョーク大会が終わり、僕たちのクラスは一つになった。僕と結衣ちゃんの新しいカップル生活が始まり、ジョークやブラックジョークを交えた楽しい会話がさらに増えた。ある日、僕は結衣ちゃんに、「ねえ、もし僕たちが火星でデートしたら、どんなデートになると思う?」と聞いた。


 結衣ちゃんは笑いながら答えた。「うーん、火星でのデートは、砂漠を散歩して、赤い空の下でロマンチックなディナーを楽しむかな。でも、酸素がないから、呼吸ができないかもしれないけどね!」僕たちは笑い合いながら、これからの未来を楽しみにしていた。

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