崩壊は突然に

@kisaragis

第1話 始まりの日

2022年10月8日朝8時ベランダ。

俺はタバコに火をつける。

台所で妻が朝食を作っている音、鳥の鳴き声、通学する子供たち。仕事に行くのが憂鬱になる音だらけだ。

俺の名前は高橋大(ひろ)31歳職業は普通のサラリーマン。

しかし俺の過去は普通では無い。3年前の今日俺は元妻と離婚した。下で朝食を作っている妻は離婚後1年で結婚した新妻だ。俺はタバコの煙を見つめながら3年前のことを思い出す。

2019年7月2日

「はぁ。あついなまじで。」

俺は仕事で外回りをしていた。セミの鳴き声と照りつける太陽にうんざりしていた。

すると携帯が鳴る。

『暑いから体調気を付けて。あと今日も残業で帰るの遅くなるからお弁当でも買って食べて』

当時の妻高橋恵美29歳からLINEが届いた

恵美はウォーターサーバーの営業の仕事をしており、夏になると忙しくなり帰りが遅くなることが多かった。

いつものように仕事を終えコンビニで好きな焼肉弁当を買い家に帰る

「ただいまー、、って誰もいないよな。」

寂しく帰宅した俺は冷蔵庫を開け帰って早々ビールを飲んだ。

「そういえば最近あいつの料理食ってないな」

気がつけば1ヶ月程こんな生活が続いていた

去年はそんなに続かなかったが忙しいのだろうとその時は深く考えることは無かった。

俺は日頃の疲れもあり恵美が帰ってくる前に寝てしまった。

次の日の朝リビングの机の上には朝食の用意はなかった。

この日恵美は朝帰りどころか帰ってきてなかった


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