第3話① 交差するヒカリ


謎の声が聞こえたヤミ助。


京介という名前、這い上がる闇は光へ集約する、世界はすべて闇の下にできている、その闇が、基盤が崩れ...という言葉。


彼に力が目覚めた。それは英雄であり、敵役である。彼の心にうずめく闇と光の混合物、それが能力の源であるとヤミ助はすぐに気づいた。



次の日、彼は久しぶりに学校へ行った。なんだか校門近くが焦げ臭いような、黒ずんでるように感じたが、いつもと同じようにクラスに入り、授業を受けた。唯一違うのは、灰茶がいないこと。


先日、会ったばかりではないのか。なぜどこにもいない。そう思っているときに、あの時一緒に神社?にいた奴が話しかけに来る。


「あなたに言わないといけないことがある、放課後屋上に来て!」


そう言い放ち、逃げるように自席へ向かった。ごくごくいつも通りの授業を全て受け、ついに放課後になった。


空青く染まる下に、俺は目の前の人物を見つける。灰茶だ...いや、様子がおかしい。なにやら、ドロドロっと溶けてあの少女に変わった。


「悪いね、ヤミくん...」


俺はすぐに察した。こいつは俺と同類だと。


「ヤミくんとなぞの神社?行った日覚えている?それから私、異能に目覚めたのよ」


「ああ、俺もきっと目覚めたはずだ」


ヤミ助は自信なさげに語った。


「きっと...いや、絶対よ。私たちは異能をのよ」


「そうだな...それで、なぜ俺を...」


「灰茶は死んだ」


俺は驚きを隠すことができない。灰茶が死んだ?なにを馬鹿げたことを...昨日あったはずではないか。


「昨日の灰茶は私。あなたの病院に行くのに、私自身が行くのは誰かに疑われそうだから。そしてそこで知ったわ、あの刑事さんから灰茶は死んだはずっとね...」


「いや、嘘だろ?そんなわけ...」


俺は明らかに狼狽える。灰茶は今まで幼稚園の頃からの幼じみで親友だった。そんな彼といきなりのお別れなんて...


「一応、灰茶くんが向かった病院を調べてみたけど、どこにもないの。それに彼の家族なんだけど、昨日彼の家の前に立ってみたら更地になっていたわ。何かあると思わない?」


確かに怪しさはあるが、それよりも死んだという事実に驚いていたので、そこまで情緒は回ってない。灰茶とは幼稚園の頃からの旧友で、親友。そして、互いに同じを持つ少年だった。


勝手に俺の前から姿を消しやがって、そう憤りも生まれる。



彼との出会い、先ほど幼稚園の頃からと言ったが、半分嘘だ。幼稚園児だった頃はただのほほんと過ごしたに過ぎず、が、あまり関わりは少なかった。あの日が来るまでは...












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