小学校③
小学3年の時のちょっとした出来事。
僕はその2月に浩香からチョコレートを貰った。
赤と白のリボンで結ばれ、片方が赤で反対が銀色のピカピカシャカシャカした紙に包まれた小さな箱に入ったチョコレート。
中身は右と左で大きさの違うハートみたいな形だった。
『おいしい?』
ハートっぽい形の大きい方を齧って口の中でモグモグする。
中にピーナッツを砕いたような欠片がいくつも入っていた。
『ピーナッツが邪魔。』
僕はチョコレートは何も入っていない普通のが好きだった。
浩香が怒った顔で睨んでいたけど嘘は吐けない。
『それとちょっと苦い。それから……』
次々と文句を言っている内に、浩香は涙目になり、そしてえぐえぐと泣きながら帰って行った。
入れ替わりに部屋に入ってきた母にこっぴどく叱られたのは今でも納得出来ていない。
素直な感想を言ったのに母親に叱られた……浩香なんて大嫌いだ。
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