幼稚園②
卒園式。
何だかよく分からないけど、僕は先生と浩香の間に挟まれてギャンギャン泣いていた。
『まさとクン、なかないで。だいじょーぶだから。』
『うぇぇぇぇっ!よーちえんがっ!なくなっちゃうぅぅ!』
『正斗君、幼稚園は無くならないから大丈夫だよ。』
きっと、『卒園』が『幼稚園が無くなる事』と思い込んでいて、それが幼い僕にはこの世の終わりくらい怖い事だと感じていたような気がする。
隣に居てくれた浩香は、僕の頭を撫でたりハンカチで涙を拭いてくれたりしていたが、僕がその程度で泣き止むと思ったら大間違いだ。
数分後には泣き止んだ僕。
『卒園式』のゲートアレンジメントの下で、僕と浩香、それぞれの母親の4人で写真を撮っていた。
僕は泣き止んだ直後のぐちゃぐちゃの顔をしていた。
写真を撮る為に泣き止ませようとする浩香なんて大嫌いだ。
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