小学校①

 小学生になると親の送迎が無くなる代わりに、上級生が下級生を連れて登校する『集団登校』が始まった。

 僕と浩香はその集団登校の先頭を歩く上級生のすぐ後ろを手を繋いで登校していた。

 6年生のお兄さんは、


 『正斗君は男の子なんだから、何かあったら浩香ちゃんを守るんだよ。』


 と優しそうな顔で言っていたが、それを聞いた僕は、


 (小学校に行く間に


 と思い込んでしまい、渾身の力を込めて浩香の手を握ったらその手を振り解かれて鎖骨をグーで殴られた。

 子供心に守ってやらないとと思った人の善意をないがしろにするどころか暴力を振るってくる浩香なんて大嫌いだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る