生後②

 『あたし、まーとまさとクンのことすきー!まーとくんはぁ?』


 『しゅき?しゅきってなぁに?』


 『すきっていえばいいのよ!』


 『しゅ、しゅき……』


 まだ3歳にもなっていなかった頃、幼馴染の浩香は、『好き』の意味も分からない僕に『好きと言え』と強制してきた。

 【三つ子の魂百まで】を物心付いた頃から実践しようとし、人の思想を思い通りに動かそうとした浩香なんて大嫌いだ。

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