失恋
SHIHO
第3話
そーだよね、彼女いるもんね。知ってたことなのになんで涙が出ちゃうんだろう。もう、嫌になったちゃうじゃん。それにしても、あの子可愛かったな、、、。私じゃ到底及ばないよ、、、。
「あーやー!!え、何泣いてんの??」
「あ、亜夢。泣いてなんかないよ。大丈夫、」
「ほんとに大丈夫??大丈夫ならいいんだけどさ。」
「うん、で、どうしたの??」
「あ、そうそう。知ってる??1組にとんでもなく可愛い子がいるんだって!」
「え、1組??」
「そう!見に行かない??」
私は何となく頭にどんな人か浮かんで来た。
「私はー、いーや。見に行かないよ。亜夢行ってきなよ。」
「えー、綾行かないのー、まー私見てくるー」
「うん、行ってらっしゃい」
絶対和希の彼女さんだよ、それ。毬菜ちゃんだよ。可愛かったもん私じゃ到底追いつかないよ。
「あや〜!ただいま〜」
「あ、おかえり。どーだった??」
「もー気になるなら行けばいーじゃーん。」
「いいから〜」
「あのね〜凄い可愛かったよ。名前はねーえっと〜、、、、なんだっけ???」
「毬菜じゃない??」
「あ、それそれ!毬菜!!知ってたの???」
「まー、一応。」
「なーんだだから行かなかったのね〜、なんで知ってるの??私ら初対面だったよ???」
「うーん、実はね、、。」
私は今までにあったことを亜夢に話した。中学入るまで好きだった人のこと、その人を今も忘れられてないこと、その人と再開した事、その人に彼女がいたこと、それに、、あの約束も、、。
「そんなことがあったんだね。ごめんね。気づけなくて傷つけちゃったかな??」
「んーん、大丈夫だよ。」
私、あの子に勝てる自信ない。諦めようかな。この恋もあの約束も全部、、、。
「ねぇ、あなただっけ?綾って」
急に名前を呼ばれて私はびっくりした。そして、振り返ってみたら、毬菜ちゃんがいた。
「う、うん。どうしたの??」
「ううん、見えたから寄っただっけ、ごめんね〜」
それだけを言うとさっそうと帰って行った。何だったんだろ?
でも、私はそれが嫌味だと悟った。帰って行った先には和希の姿があった。あからさまにくっついて歩いていた。さっきのは話しかけに来たんじゃなくて一緒にいるところを見せに来ただけだったんだ、、。世の中性格が悪い方がモテるとは聞いたことがあるけど、実際に体験したのは初めてだった。
私は動揺とイライラでその場で泣き崩れてしまった。
「綾!!大丈夫??」
失恋 SHIHO @SHIHO05
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。失恋の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます