第33話 誘いの拒否
「晴斗一緒に帰らないか? 」
「晴君! 今日こそ私と2人きりで下校するよね? 」
帰りのホームルーム終了後。架純と祐希が晴斗を誘う。
もはや最近では恒例行事となった。
「白中君! 私達も混ぜて! 」
「相変わらず風紀委員と学級委員は早いな」
千里と玲香も後で合流する。
ちなみに、祐希以外は晴斗と別クラスだ。
「ねぇねぇ4人共。そんな陰キャとじゃなくて俺達と帰らない? 」
「そうそう。帰宅した後は一緒に遊ぼうよ。絶対に楽しませるから! 」
クラスでもイケイケの男子2人が4人の美少女をまとめて遊びに誘う。プラスで晴斗を貶して。
「「「「は?」」」」
4人同時に苛立ちの声が漏れる。
架純と玲香は睨め付ける。祐希と千里はニコニコ笑みを浮かべるが、目は一切笑ってない。
「ちょっとどうしたの? 4人共なんか怖いよ? 」
イケイケの男子2人は共に頬に冷や汗を流す。4人からの圧力に恐怖を感じたようだ。
「どうしたのじゃない? 先ほど晴斗を馬鹿にしただろう? なぜ馬鹿にした? 」
架純が男子2人に詰め寄る。苛立ちを抑えられないみたいだ。
「そうそう。玲香もそれは気に入らないな。何か白中晴斗君が悪いことでもしたの? 」
玲香も架純に同調する。
「それならうちが話を聞くよ。生徒会書記のうちが」
余裕のある笑みを浮かべる千里。
「謝って欲しいかな。晴君に」
4人の後方からメラメラ燃えたぎるオーラが現れる。盛んに火が燃える。
「ご、ごめん。やっぱりさっきの誘いは無かったことで」
「う、うん。俺もそれでいいわ。それと白中君。ごめんね。馬鹿にして」
「「では、さいなら〜」」
大慌てでイケイケ男子2人は教室から退出した。4人の美少女達から逃げるために。
「さっ。邪魔者も消えたし。もう少し楽しい楽しい会話をしましょうか! 」
パチン。
千里は両手を合わせる。
「そうだな。気晴らしに晴斗と会話をしよう。それにしてもムカついたな〜」
架純は未だに怒りが抜けないようだ。
「玲香もだわ」
「これから飽きるまで教室で会話しようね! 多分、私が飽きることはないだろうけど」
4人の美少女はそれぞれ空いた席に座る。晴斗の近所の席だ。
偶然にも晴斗の周囲の席は全て空いていた。席主が既に下校していた。
「うん。じゃあ何から話そうか」
最近、劇的に生活が変化したとしみじみに思いながら、晴斗は返答した。
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