第7話 祖法で四人と決まってます
外から見る王宮は歴史と
城門には門番がおり、ユキ王女を敬礼で見送った。僕のことは……何だと思っているのだろうか。
冒険者ギルドは王宮と同じように歴史を感じさせる建物であるが、やはり寂れた雰囲気がしている。
ギルドの入口の扉は重かった。中に入ると左側が食堂兼酒場みたいになっていて、右に長いカウンターがあり受付の業務をしている職員が並んでいた。
ユキ王女に視線が集まるが、視線を逸らすような不自然な微妙な空気が流れる。何かあるのだろうか。
受付カウンターの奥に壁一面に掲示板があり、たぶん依頼とかが張り出されているのだろう。中央付近に若い男女の二人がいて、手持ちぶさたで掲示板を眺めているよう見える。とんがり帽子を被った女の子がユキ王女に気がつき、隣の男の子を突っついた。
「ご紹介しますね。二人とも初代勇者のパーティーメンバーだった盾師ハーデスさんの末裔で盾師バッカスさん、魔術師ヘルセポネさんの末裔の魔術師ダイアナさんです。」
そして聖女バルバラの末裔がユキ王女か。勇者、聖女、盾師、魔術師の四人でパーティー組むのかな。勇者パーティーは四人ってのが某有名ゲームでは常識だな。
「ケイタです。」
自分で勇者とか名乗れんな。
「「よろしく。」」
ふと食堂兼酒場の大きなモニターが映しだされる冒険者と魔物の戦闘シーンのような動画が目に飛び込んできた。ゲームのデモプレイのように見えるし実写のようにも見える。
街並みや建物や人々の洋装は中世ヨーロッパレベルだが、モニターだけは現代風に見える。よくわからないが、ケイタの心の内に雄大な波風が沸き立つのを感じる。
「ねぇあれって何?」
ユキ王女に聞く。
「あれは、
聞いた瞬間に電撃が走るのを感じた。記憶はないが召喚される前は配信者になりたいと思っていたんだ!
「何、何、どうやってやるの?!どうすればいいのぉ~」
ユキ王女に詰め寄るケイタをバッカスとダイアナはあきれ顔で見ていた。まるで異世界人を見るかのように、異世界人ですけどね。
「スマホがあれば出来るという話ですけど、勇者様がご希望であればスマホを用意できますので出来るのではないでしょうか。」
ユキ王女はケイタの勢いに押されて下がりながら答えた。
「スマホがあるなんて想像してなかったよ。」
どう考えてみてもワクワクするポイントを間違えているケイタであった。
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