第97話 探索 ライズダンジョン地下19階
地下18階でレッドドラゴンを倒した俺たちは、いま地下18階で休憩している。
「九条先輩、ここまでは本当に順調に来れましたね」
「そうだね、
「そういえば、さっきの戦闘でレベルアップして、遂に魔法を覚えましたよ」
「おー、遂にだね。おめでとう。何を覚えたの?」
「風魔法です、九条先輩と同じでした」
風か、俺はウインドカッターしか使えないが、もっと強い魔法まで覚えることが出来れば便利な属性だと思う。
天霧くんもこれで遠距離攻撃も出来るようになったからオールラウンダーに近づいたな。更に強くなっていける。
ギルドの実力を常に把握していないといけないので、今回の探索で最近のメンバーの成長ぶりがこの目で確認できたのは良かった。
休憩を終え、地下19階への階段へ向かいつつ、地下19階の情報をヒデキに確認する。
「地下19階は大量のミノタウロスがでるエリアだったよ。前回は地下18階で疲弊し過ぎていて、捌ききれずに撤退した感じだね。今回は問題なく探索できると思うよ」
「ミノタウロスか。油断しなければ問題ないだろうね」
俺たちは下の階へ続く階段に到着する。
平原エリアで少し進むと至る所にモンスターの気配がする。全部がミノタウロスか。
これは全部倒すのは骨が折れるな。
大量にいる相手に対しては、魔法で対応するのが無難だな。
俺たちは各々の得意魔法を惜しみなく放っていく。
瑠衣さんが巨大な水の塊がを空中に浮かせると、かれんさんがそれを凍らせて放つ。無数の氷の塊がミノタウロスたちを襲う。
天霧くんも覚えたばかりの風魔法を試している。天霧くんが魔法を放つと竜巻が発生し、ミノタウロスたちを巻き込み、上空へと持ち上げる。
竜巻がなくなり上空からミノタウロスが地面に叩きつけられる。ミノタウロスたちは致命傷を負い、虫の息となる。
天霧くんはいきなり強い魔法を覚えたんだな。羨ましいな。
「ナイス、天霧くん」
俺が声を掛けると、嬉しそうにありがとうございますと返してくる。
次のハンター競技会の地区予選は天霧くんが最大のライバルかもな。
魔法攻撃で弱らせたミノタウロスを近藤さんと猿渡さんが攻撃し、倒していく。
これを繰り返すこと2時間、やっと最後のミノタウロスを倒し切った。
「やっと終わったわね」
近藤さんが呟く。彼女と猿渡さんはずっと最前線でミノタウロスを狩ってくれた功労者だ。
「2人ともお疲れ様です」
俺は2人に声をかける。
「久々のダンジョン探索がなかなか重労働だったわ」
「ほんとだな。まぁお陰で実践感覚は取り戻せたよ」
2人と総一郎さんにはスレイヤーズギルドの幹部もお願いしており、忙しい中ダンジョン探索に参加してくれて感謝している。
俺たちは地面に散らばる魔石を拾ったあと、地上へ向けて戻り始める。
帰りは、いつも通り問題は起きずに地上へ戻れた。
フルメンバーでの探索は定期的にした方が良いと感じた探索だった。皆の日程を調整して月に1回はやっていくか。
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