第92話 探索 ライズダンジョン 深階層フルメンバー

 夏休みに入り、1度はフルメンバーでダンジョン探索をしようという話しになり、今日がその日だ。


 フルメンバーなら地下19階まで探索できると思っている。


 持っていく荷物もかなりの量になるため、俺の収納指輪と今回は双葉さんにもポーターとして参加してもらう。


 ライズギルドの総戦力での探索は久々なので楽しみだ。社会人メンバーがどれだけ伸びているのかも気になる。


 準備を終え、ギルドホームでミーティングを行う。


 皆に声を掛ける。

「皆、おはようございます。

 今日は久々にフルメンバーでライズダンジョンに挑みます。日程を合わせてくれてありがとうございます。

 今回の目標は地下19階まで探索しきることです。強力なモンスターが出てくると思うので無理はしないでくださいね。

 ダメージを負ったらひなたさんか小倉さん、俺に言ってください。

 では楽しんでいきましょう!」


 俺たちはライズダンジョンに入る。


 低階層は茅森さん、流石くんをメインで進んでいく。厳しくなってきたら他のメンバーが入れ替わりサポートする感じだ。


 とはいえ、2人共初心者の域はとうに脱している。特に流石くんの矢での攻撃はかなりの精度を誇り、遠距離から相手の頭を射抜いていく。最近は接近戦に備えて、剣術も天霧くんに鍛えてもらっているらしい。


 地下9階までスムーズに探索できた。今は茅森さん、流石くんの2人に戦闘ごとに追加で2人メンバーが入る形で探索している。


 今はトレントキングを相手に戦っている。


 流石くんの矢がトレントキングの胴体に刺さる。

 トレントキングは木の実を流石くんに対して飛ばす。これに対してかれんさんが氷魔法で対抗する。


 その隙に茅森さんとヒデキがトレントキングに近づき、トレントキングに攻撃を加える。


 すぐにヒデキは雷魔法をトレントキングへ放つ。小鳥遊さんの雷魔法にも負けない雷撃がトレントキングの頭上から落ちてきて、トレントキングを真っ二つにした。


 ヒデキの魔法が凄いレベルアップしてるな。

 あれなら殆どのモンスターにダメージを与えられるはずだ。


「あっ、レベル上がって魔力操作スキルを覚えました」


 流石くんが嬉しそうに話す。

 魔力操作スキルを使えば魔力で作った矢を放てるようになるらしい。


 地下10階に降りて、早速見せてもらった。

 地下10階はオーガが生息している。


 オーガ1体がこちらを見つけて近づいてきた。

 流石くんが弓を構える。

 手に魔力を込めると矢が現れ、それを放つ。淡く発光した矢が凄まじい速さで飛んでいき、オーガの眉間を捉える。一撃必殺のヘッドショットだ。


 凄い威力だな。矢であれだけの威力が出せるなら魔法みたいなものだな。


 この光景をみた他のメンバーも顔色が変わっていた。

 もっと強くなりたいと全員が思っているようだ。


 地下10階の残りの戦闘は先輩達がこぞって参加し、流石くんは休憩となった。

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