第84話 ギルドの底上げ アーチャー誕生
今回、月夜見ギルドから嫌がらせを受けたが、狙われるのはやはりハンターランクの低い子たちばかりだ。
ここをレベルアップさせることがギルド全体の底上げに繋がり、他のギルドへの抑止力になると俺は判断した。
そこで茅森さんと流石くんのレベルを早急に上げるため、ダンジョン探索に付き合う事にした。
流石くんには事前に少し試してもらっていることもあるので、そこの成果がみられたら嬉しいな。
もしものときに俺1人だと2人を守りきれない可能性もあるため、もう1人同行をお願いしたところ、瑠衣さんが手を挙げてくれた。
「九条先輩、宝条さん、よろしくお願いします」
茅森さんと流石くんが挨拶をしてくれる。
「うん、よろしくね」
瑠衣さんが笑顔で返す。
「今日からちょっと集中的に鍛えていこうと思うから、よろしくね」
俺たちはライズダンジョンに入る。
茅森さんと流石くんの今の実力だとゴブリン辺りが丁度いいくらいかな。
フォローしつつ、もう少し強いところにも挑んでいこう。
「とりあえず低階層は2人で行けるところまで行ってみようか。もしものときは、俺と瑠衣さんでフォローするから」
「わかりました!」
「あれ?しょうたろう、弓使うの?」
茅森さんが聞いた。
「九条先輩から使ってみたら?って言われて練習してきたんだ。それなりには扱えるようになったよ」
流石くんの顔からは自信がうかがえる。
やはり部活で使い慣れている武器の方が良さそうだ。
流石くんが加入した際に弓道部でなかなかの腕前ということを聞いてから、鍛冶師のりょうさん達に弓の製作について相談していたのだ。
「弓に魔力を込めると矢の速度や飛距離が上がるんだ。凄い武器だよ。
もっとうまく魔力操作が出来れば矢も魔力で作り出すみたいだけどね」
流石くんが説明する。
剣士タイプ2人だと少しバランスが悪かったのでこれで、前衛後衛をわけることが出来るのでバランスが良くなるはずだ。
2人が先行してダンジョンを進んでいく。
視界にスライムを発見する。すぐに流石くんが矢を放つ準備をする。
結構遠いけど当たるのか?
魔力を込めることで少し弓が青く発光する。放たれた矢は物凄い速さでスライムに命中する。一撃でスライムを倒すことが出来た。
凄い!この距離を当てれるなら相当アドバンテージになるな。
「しょうたろう、やるねー!!」
その後も流石くんの矢がモンスターを的確に射抜き、毎回先制攻撃を仕掛けることが出来ている。
茅森さんもダメージを負った状態とはいえ打ち漏らすことなく、相手にトドメをさせている。
いいコンビになっているな。
順調にモンスターを倒していき、レベルも上がっていく。
流石くんに弓を使ってもらうのは正解みたいだな。アーチャーはあまりいないから貴重な戦力になるぞ。
俺は明日以降どうやって2人を鍛えていこうか頭の中で考えつつ、ワクワクしていた。
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