第78話 社会人パーティー

 4月からかれんさん、ヒデキ、ゆうりさん、山川さん、小倉さんが今年から社会人としてライズギルドに所属している。


 学生の頃と違い100%ライズギルドに力を注げるため、5人でパーティーを組んで精力的にダンジョン探索をしてくれている。


 もともと総一郎さん、猿渡さん、近藤さんの社会人パーティーもいたが、3人にはスレイヤーズギルドの幹部になってもらっており、向こうのギルドの仕事がかなり忙しくなってしまっている。

 そのため、3人は探索に費やす時間が捻出できていないのが実状だ。


 今回新たにダンジョン探索をしっかり時間をかけて出来るパーティーを組めたことは、ギルド的にも大きい。


 今ちょうど進捗共有の場でダンジョン探索の状況がヒデキから説明されている。


 最初は山川さん、小倉さんが実力的にダンジョンの深い階層は厳しかったが、今では問題なくついてこれるようになっているようだ。


 短期間でそんなに実力が向上したのか、凄いな…


 俺はその話を聞いて、自分もダンジョンへ向かいたくなったが、立場が違うので仕方ない。


 今やれることを一生懸命やるしかないと切り替えた。


 パーティーの成果も素晴らしかった。

 途中で止まっていた地下14階より先を攻略し、今は地下16階まで探索できているみたいだ。


 来週には更に下の階に行くだろう。

 本当に頼りになるパーティーだ。


 ○


 ヒデキからハンター協会の会長である権藤の調査結果が伝えられた。


 結果としては再調査ということだった。


 権藤が協会を運営する中で悪どいこともやってきたことは分かったが、俺の両親の事件に関しては手掛かりはうまく掴めなかったようだ。


 引き続き、調査させて欲しいと諜報機関から申し入れがあった。


 ヒデキも少し申し訳なさそうにしている。


 さすがにかなり前のことだし、隠しているだろうから仕方ない。


 無理言って依頼しているのでやってもらえるだけ有難い。


 ただ次回の調査結果も進展がなければ、やり方を変えないといけないな。


 ○


 スレイヤーズギルドのギルドホームで八雲さん達との幹部会を開いている。


 現在の進捗状況を共有する。


「ということは、現在動いている業務は順調ということですね。いい状況ですね」


 スレイヤーズギルドのダンジョン運営も仮スタートしており、今のところ順調だ。


 清水商店のショップも併設しており、評判も上々だ。


 モールの建設の方も計画通りで来年頭に開業となる。周辺地域からの期待も大きいので、失敗出来ない。


 あと、メンバーのレベルアップの件は、佐伯さんをメインで動いており、選抜メンバーをまず鍛える方法でやっていっている。


 佐伯さんの経験を後進に伝える場が無かったのでそれを作った形だ。今のところうまくいっている。


 早くスレイヤーズギルド生え抜きで佐伯さんの後継者を育てないといけない。


 スレイヤーズギルドもモールが完成して問題が起きなければ、間に入っていかなくても良い気がしている。


 現状でもほぼ八雲さんに大事なところはお願いしているので、こちらに来る回数は減らそうと思う。


 ライズギルドの皆がかなり成長しているから、置いてかれないようにしないのと、夏には高校生ハンター競技会もある。

 最後の大会になるので全国2連覇したい。


 それに向けてまた鍛錬をしていこうと思う。


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