第76話 入団希望?

 今日は地域の防災イベントにゲストとして呼ばれたため、ギルドの代表としてかれんさんと一緒に参加している。


 場所はギルドホームから徒歩10分くらいにある総合公園だ。


「俺だけでも良かったのに」


「蓮くんが参加するなら私も参加するわ」


 そんないつものやりとりをしつつ、イベントの開始を待つ。


 地域貢献をギルドとしてひとつの目標に挙げているので、こういったイベントもなるべく参加するようにしている。


 地域の消防隊や警察がブースを出しており、ライズギルドもブースを出している。


 パネルを使ってライズギルドの地域における役割を説明している。


 内容としては地域防災におけるダンジョンの管理体制といったものだ。


 今の世の中で安全に生活していくためには、ダンジョンの管理体制の充実はとても重要となっている。


 管理できていないダンジョンはダンジョンブレイクが発生する可能性が高く、非常に危険だ。


 ライズギルドは地域の安全のため、道場の開設などでダンジョン管理に協力していることを示している。


 パネルをみた方から声をかけてもらい、道場に参加したいと言ってもらったりもした。


 あと主催者である役所からの要望は、ギルドマスターとして少し話しをすることと、模擬戦を軽く見せて欲しいというものだった。


 ライズギルドの番が来たので、壇上にあがる。



 俺は軽く自己紹介をしたあとに、ギルド設立の経緯や、ダンジョン管理について思っていることを話していく。

 拙い話しだったと思うが、皆しっかり聞いてくれている。

 話しを聞いている中に小さな子供から中学生くらいの子までおり、ここでのアピールも大事だなと気合を入れる。


 とりあえず事前に考えていた内容は話せた。



 最後にかれんさんとの模擬戦を披露する。


「お姉ちゃんがんばってー」


 かれんさんへ子供たちからの声がとぶ。


 模擬戦は周りに被害が出ないようにセーブして行う。


「じゃあ、かれんさんいくよ!」


 俺はかれんさんとの距離を詰めていく。


 お互いにファイヤーソードとアイスソードを唱え、剣がぶつかる。


「うぉー、かっけぇー」


「おねえちゃん、まけるなー」


 子供たちの声援がとぶ。


 俺は距離をとり、ファイヤーボールを放つ。


 かれんさんは火の玉を剣で切り裂いた。


「すげー!!」


 続けて、かれんさんは氷魔法を放ってくる。

 俺はファイヤーシールドで氷の塊を防ぐと、ソードスラッシュをお返しする。


 これは氷魔法で相殺され、かれんさんはこちらに駆け出し、近づいたところで連撃を繰り出してくる。


 俺は分身スキルを警戒しつつ、かれんさんの連撃に対応していく。


 かれんさんの攻撃にタイミングをうまく合わせると、シールドカウンターが発動した。


 かれんさんを衝撃が襲う。


 この衝撃で少し後退したかれんさんを俺は追撃する。


 この好機を逃さず、攻撃を繰り返し、最後は顔の前に剣を突き出し、模擬戦は終了した。


終わった瞬間に子供たちが駆け寄ってきた。

大興奮なようで、しばらくはオレもかれんさんも囲まれて身動きがとれなかった。


「おおきくなったらライズギルドにはいるからねー」


 何人かの子供がそう言ってくれ、今回のイベントに来てよかった。


 子供たちの目標になれるように今後も頑張らないとな。

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