第71話 クリスマスパーティー
スレイヤーズギルドを傘下におさめてから慌ただしい日々を過ごしていた俺だが、クリスマスは皆でパーティーをしようと提案を受け、クリスマスパーティーをすることにした。
メンバーに参加希望を聞くと、8割くらいの人が参加となった。
既婚者である八雲さんとかは、家族と過ごすということで欠席となっている。
俺は今日一日働くことを禁じられており、久々にゆっくりとした一日を過ごせそうだ。
お昼過ぎから皆ギルドホームに集まってきて、女性陣は楽しそうに飾り付けの準備などをしている。
男性陣は買い出しを頼まれている。
「いやー、まさかクリスマスパーティーに参加することになるとはな。去年からじゃ考えられなかったな」
総一郎さんがそう言うと、
「いや、あんたはずっとダンジョンに潜ってただけじゃない。私は猿ちゃんだったり、大学の同級生と開いてたわよ」
と近藤さんが反応する。
「へっ!?」
総一郎さんは驚いていた。
そんなやり取りを眺めつつ、俺はまったりしていた。
ヒデキと漆原さんが大きなクリスマスツリーを運んできた。
「うん、やはりこのくらいの大きさが無いとね!雰囲気が出ない」
ヒデキがツリーを眺めつつ言う。
確かに存在感のあるクリスマスツリーがあると雰囲気でるな。
クリスマスパーティーをやるといってもダンジョン自体は運営しているので、スタッフの方は仕事をしている。
俺は少し外に出掛け、ケーキ屋さんでクッキーや飲み物を買ってスタッフの人に差し入れた。
ダンジョンを一般開放してからずっと頑張ってくれている方達なのでとても感謝している。
差し入れはとても喜んでくれた。
ギルドホームへ戻ると双葉さんが料理を作っており、良い匂いが漂い始めていた。
「良い匂いだね。」
俺は双葉さんに話しかける。
「九条くんの好きな料理作るから待っていてね」
「ありがとう、楽しみにしてるね」
俺はそう言ってその場を離れる。
まだ時間ありそうだな。
俺はギルドホームのトレーニングルームに向かう。
少し筋トレでもするか。
トレーニングルームには男性陣が買い出しを終え、トレーニングで汗を流していた。
「皆やってるね」
と声を掛ける。
「九条先輩、プレゼントは何を用意したんですか?」
天霧くんがそんなことを聞いてきた。
今日はみんなでプレゼントを持ち寄り、交換会をすることになっている。
「それを言ったらつまらないだろ。あとのお楽しみだよ」
「まぁ、そうですね。ではあとのお楽しみということで」
俺は皆と話しながら筋トレで汗を流していく。
「そろそろ、あがろうか。今からシャワーを浴びればちょうど良い時間かな」
俺は皆に声を掛け、シャワーを浴びにいく。
シャワーを浴び終え、3階へ上がる。
料理も準備され、あとは始めるだけの状態になっていた。
「皆、準備ありがとうございます」
俺は女性陣にお礼を言う。
男性陣も集まったので、クリスマスパーティーを始める。
小鳥遊さんが進行していく。
未成年はジュースを、成人している人は好きなお酒が入ったグラスを手に持っている。
「じゃあ、皆飲み物は行き渡ったかな?
それでは、かんぱーい!」
「かんぱーい!!」
中央のテーブルに双葉さんが作ってくれた料理が並べられている。
どの料理も美味しそうだ。
俺の好きなカルボナーラもあったので食べる。お店で出てくる料理のように美味しかった。
「双葉さん、料理ありがとうね」
「九条くんもいつも皆のために頑張ってくれてありがとうね」
俺は他のメンバーにも声を掛け、話しをしていく。
最近は話せていなかったメンバーもいたので楽しい時間だ。
「はーい、そろそろお待ちかねのプレゼント交換をおこないまーす。
皆さん、くじを引いてください」
俺たちはくじを引いていく。俺はFだ。
順番にアルファベットが発表される。
あっ、天霧くんが何か大きなプレゼントを引き当てたみたいだ。皆が注目する。
「天霧、君は運が良いね。私のプレゼントを引き当てるとは」
ヒデキがそう言ったため、天霧くんも期待して包みを開ける。
鉢に入った大きなもみの木だった…
「雷光先輩、これをどうしろと…」
天霧くんは絶句している。
悲しそうな顔でプレゼントを持っていく。
あれは嫌がらせだよ、ヒデキ…
プレゼント交換は進んでいき、アロマキャンドルだったり、ゲーム機だったり色々なプレゼントが交換されていく。
俺が受け取る番になる。
Fのプレゼントはボールペンだった。
おっ、ものが良さそうなボールペンって自分ではなかなか買わないから嬉しいな。
「あっ、九条くん。それ私が選んだプレゼントだから」
瑞希さんが言う。
「ありがとうございます。大事に使いますね」
プレゼント交換も終わる。
「あれ?九条先輩のプレゼントってありました?」
天霧くんが気付いた。
人数が奇数だったので俺の分を余らせてもらってある。
時間を見ると、19時となっており、良い頃合いだった。
「俺のプレゼントはみんなへあるんだ。ちょっと外に出て」
そう言って皆を外に連れ出す。
少しして、ポンっと音がした。
暗くなった夜空に花火の光が広がる。
「皆、今日まで頑張ってくれてありがとう。この花火はみんなへのお礼です」
「わぁ、綺麗」
「冬の花火もよいなぁ」
俺たちは20分ほど花火の光を堪能した。
来年もこんな感じで花火をみんなで見たいな。
ふと、そんなことを思った。
花火が終わり、部屋に戻る。
最後に俺からの挨拶で解散となった。
どんどん人が増えていっているが、今のギルドの雰囲気が変わらないように努力していこう。
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