第66話 スレイヤーズギルドとの攻城戦(2)

 スレイヤーズギルドの残り人数は7人。

 次は誰が出てくる?


 次の瞬間、また空から水の塊が俺たちを襲うが手前に落ちる。城から1人の男性が出てくる。あれが佐伯さんか。

 痺れを切らしてA級が出てきた感じか。


 高槻さんとヒデキが近づこうとするが、強力な水魔法で近づけない。

 高槻さんとヒデキは、氷と雷の魔法で応戦するが、如何せん相手の水魔法がシンプルに強い。近づけず後退する。


 次は誰が行く?一瞬メンバー間でのアイコンタクトがあった。

 ゆうりさんが前に出る。

 ロックドラゴンの防具がどこまでA級の魔法を防げるか。

 魔法がある程度防げたならゆうりさんの勝ちだと思う。装備の雰囲気からも近接戦闘は得意ではなさそうだ。

 相手の近接系が出てきてフォローすれば話は変わってくるが今のところそんな雰囲気は無い。


 ゆうりさんが突進スキルで相手に近づいていく!相手の水魔法がゆうりさんを襲う。

 盾と鎧の耐魔法防御が水魔法を防ぐ。だが衝撃は消せておらず、ゆうりさんが吹っ飛ぶ。ダメージはそれほどなさそうだ。

 ゆうりさんは再度相手に近づき、接近戦に持ち込もうとする。もう一度水魔法がゆうりさんを襲う。ゆうりさんは今度は吹き飛ばされないように、槍を地面深く刺す。

 何とか衝撃をやり過ごし、相手に近づくことが出来た。

 相手はかなり驚いており、距離をとろうとするが、もう距離はほとんど無い。

 このチャンスを逃さず、高槻さんとヒデキも距離を詰めていく。

 ゆうりさんの槍での攻撃を相手は杖や防御魔法でギリギリ防ぐ。やはり生粋の魔法使いのようで接近戦は苦手のようだ。


 高槻さんとヒデキも加わったところで勝負ありだ。佐伯さんは降参した。


「おいおい、なに負けてるんだ!?それでもA級か!!」

 間宮兄弟が残ったB級ハンターを連れて姿を現した。自分の仲間に向かって酷い言い草だ。


「こんなギルドは負けた方が良い薬になる」佐伯さんが呟いた。


 佐伯さんも不満があるんだろうな、さっきの言われ方からしたら当然か。


 さて、残りを相手しないとな。時間はまだ全然残っている。


 間宮兄弟以外の4人が攻撃を仕掛けてくる。こちらも高槻さん、ヒデキ、総一郎さん、猿渡さんが対応する。

 4人とも問題無く対応している。

 高槻さんとヒデキもB級相手に遅れをとることなく戦えている。


 少しして勝敗がついた。こちらの4人が競り勝った。


 そして間宮兄弟のみが残った。


「さぁ、どうします?」

 俺は2人に問いかける。


 間宮(兄)が前に出る。

 てっきり降参すると思っていた。


 最後はギルドマスター同士の1対1だ。


 俺も前に出る。

 間宮(兄)は剣士タイプで剣と盾を持っている。確か風魔法を使うって調査書に書いてあったな。


 俺は近づいて、接近戦に持ち込む。

 並の剣士には負けない自信がある。


 剣での攻防を繰り返し、少しずつ戦況が俺に傾いてきた。


「くっ!」

 相手に余裕は無さそうだ。このまま押し切れる可能性もあるな。

 俺は相手の隙をつき、剣を振り下ろそうとすると、後ろから衝撃がやってくる。


 どうやら間宮(弟)が魔法で攻撃してきたみたいだ。

 俺が攻撃された瞬間に、高槻さんが既に動いていた。高槻さんの攻撃で間宮(弟)は吹っ飛び、そこにさらに氷魔法で追撃が入る。


「高槻さん、やり過ぎないようにね」

 俺は一応釘を刺しておく。


 高槻さんは軽く頷いた。


 俺は間宮(兄)に向き合う。表情を見るともう余裕は全く残っていない。


 もう無駄だな。終わらせよう。

 俺はファイヤーソードを唱え、切りかかる。

 最初の一振には対応されたが、そこで体勢が崩れる。その隙を逃さずに連撃を加える。

 相手はたまらず降参した。


 ライズギルドの勝利だ。

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