第65話 スレイヤーズギルドとの攻城戦(1)

 スレイヤーズギルドとの攻城戦の日がやってきた。

 会場は公式の攻城戦が実施されるハンター協会の施設を借用した。


 会場に着くと、スレイヤーズギルドが先に着いていた。

 間宮兄弟がこちらに近づいてくる。


「逃げずに来たのは褒めてやる。

 だが今日負けて貴様らのギルドはスレイヤーズギルドの傘下に入ることになる」

 間宮(弟)が言う。


「弟の言う通りだ。本来うちのギルドとの攻城戦なんて出来る格のギルドでもないのに図々しい。軽く倒してやろう」

 間宮(兄)も言う。


 そして言いたい放題言った2人は離れていった。


「ふー、やれやれ、小物程よく吠えるね」

 隣にいたヒデキが間宮兄弟をみた感想を言う。


「あんな奴サクッと倒してやりますよ!

 絶対に勝ちましょう」

 天霧くんが気合いを入れている。


 俺たちは攻城戦の準備に取り掛かる。

 この攻城戦も雷光放送の撮影班がはいり、撮影していく。俺はスタッフの方に挨拶しておく。

 試合開始の30分前に全員で集まり、役割の最終確認を行う。


「みんな攻城戦のルールは頭に入っていると思うけど、再確認するよ」

 俺は念の為、ルールを再度説明する。


 城を模した会場で行う20対20の試合である。

 城を守る側と攻める側があり、先に相手の大将が持つ旗を取った方が勝利となる。

 慣例でギルドランクの高い方が守備側となる。ギルドランクが同じ場合はコイントスで決める。時間は60分で行われる。

 

 60分で勝負がつかない場合は代表者同士の1対1で勝敗を決める。

 主なルールは以上だ。

 ちなみに城は非常に強固な材料で作られており、耐魔法防御にも優れた建物である。並のハンターの攻撃では傷一つつかないと評判だ。


 ギルドランクの高いスレイヤーズギルドが守備側となり、こちらは攻める側である。

 城が強固であるため、守る側に有利な勝負となる。


「よし、じゃあ頑張っていこう!」


 試合開始5分前となり、フィールドに出て配置に着く。


 ライズギルドは城から500メートルほど離れた位置で待機する。

 スレイヤーズギルドは城の中で待機となる。


 時間となる。

 俺たちはまず、高槻さんとヒデキが先頭を駆ける。その少し後ろをゆうりさん、天霧くんが続く。

 俺はその次を走り、少し間をあけて、総一郎さん、猿渡さんが走る。


 その後ろが小鳥遊さん、ひなたさん、山川さん、小倉さんとなる。


 相手も数人が外に出てきている。もう少しで高槻さんとヒデキが相手と戦闘に入るといった所で、空から水の塊が落ちてきた。

 これが佐伯さんの魔法か!

 早めに気づけたので高槻さんは回避し、ヒデキは防御して対応する。

 まだ距離が離れていると思ったので少し驚いた。


 小鳥遊さんに雷魔法で城を狙える?と聞くと厳しいと返答があった。やはりA級は凄いな。


 小鳥遊さんには相手の先頭グループを雷魔法で狙ってもらう。

 雷の柱が相手の先頭グループを襲う。

 当たったと思ったが、何事も無かったかのようにこちらに攻撃してくる。

 防具が耐魔法防御に優れているか、防御魔法のスクロールでも装備してるのかな。

 注意が必要だな。


 魔法は効果は薄いようなら接近戦で倒すしかない。俺たちは遠距離魔法に気をつけつつ、接近戦に持ち込み倒していく。

 高槻さんとヒデキが2人倒す。俺も旗を持ちながら、相手を倒す。

 相手の先頭グループはC級ハンターのみのようでB級ハンターたちはまだ城の中のようだ。


 天霧くん、ゆうりさんも相手を倒していく。

 相手の先頭グループを危なげなく倒した。

 5人倒したので、12対15となった。


 次の相手がなかなか出てこない。仕掛けて出てきてもらうしかないな。


 俺たちは警戒しつつ城に近づく。

 小鳥遊さんが雷魔法を城に向けて放つ。

 城に雷の柱が落ちるが、あまり効いていないようだ。

 今度は俺がファイヤーストームを放つ。

 炎の柱が城を襲う。城自体にはダメージはそこまで無いが、急激に酸素を消費しているため、城の中は酸素が少なくなっているはずだ。連続で放っていく。

 2発、3発と放っていくと、城から人が出てくる。どんどん炙り出して行く。


 出てきたところを高槻さんが切りつけていく。

 ヒデキ、総一郎さんも加わる。相手は残り7人となり、後は間宮兄弟とB級以上しか居ないはずだ。

 ここからが本当の戦いだな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る