第62話 第2、第3ダンジョン
「譲ってもらったダンジョンにも効果があるなんて、称号って凄いですねー」
天霧くんがそんなことを言う。
俺たちは譲渡してもらったダンジョンの下層を探索するために、パーティーを組んでダンジョンに潜っている最中だ。
「俺も驚いたよ。けど、こうなってくるとどんなダンジョンでも地下10階よりも深いダンジョンになってしまうから、安易には取得出来ないな」
下手に取得しても、モンスターを倒すところに人員を割かれてしまい、経営として厳しくなる可能性もある。
取得するのは厳選していかないとダメだな。
今回の探索パーティーは俺、天霧くん、
地下10階までは、ゴブリンがメインのダンジョンというのは前回の探索で分かっているのでこの辺はサクサクッと倒して進んでいく。
そこより下層がどうなっているのかを確認しに行く。
順調に地下に進んでいき、地下10階でゴブリンキングを周りのサポートもありつつも、天霧くんが倒した。かなり上達しているな。やはりセンスがあるから、伸びるのも早い。この戦闘は撮影班も気合を入れて撮っていた。このままだと今回の配信は天霧くんの活躍回になりそうだな。
俺たちは地下11階におりる。
地下11階は森林エリアのようだ。辺りを見渡すと、モンスターの気配が複数体ある。そこに目をやると、キノコのモンスターがいた。マタンゴだ。毒の胞子を飛ばしてくる厄介なやつである。
俺たちは胞子を撒かれる前に魔法攻撃を加える。火、氷、雷の魔法がマタンゴたちを襲う。それぞれの魔法が当たり、ダメージを与える。火の魔法では一撃のようだ。相性って本当に大事だな。
俺たちはマタンゴを倒していく。途中トレントも出てくるが、問題ない。
地下12階へおりる。
ここも森林エリアだな。ゴブリン、トレント、マタンゴなどが生息している。
俺たちはマタンゴの胞子にだけ注意しつつ、モンスターを倒していく。
普通のモンスターレベルなら天霧くんがほとんど倒してしまう。昇級試験を受けてもらった方が良いな。
俺たちは地下13階へおりる。
このエリアは石畳のエリアみたいだ。少し進むと、前から3体のモンスターの気配がする。
オークだ。こちらに気づかれる前に小鳥遊さんが雷魔法を放つ。1体に命中し、倒した。
残りの2体を俺と高槻さんが対応し、隙を見て天霧くんが倒していった。良い動きだ。
大体のマッピングも出来たし、撮影班に確認すると素材の量は問題ないようなので地上へ戻る。
ライズダンジョンに比べて狭いので、探索の時間はだいぶ短くなる。ある意味メリットだな。オークくらいが出てくるなら一般開放しても需要はありそうだな。一般開放する方向でメンバーと相談しよう。
このダンジョンは猿渡さんに管轄してもらおう。あとでお願いしておくか。
俺たちはギルドホームへ戻り、先程のダンジョンの使い方を考えていく。
猿渡さんにも入ってもらう。ついでにこの前近藤さんに頼んでおいた、ギルド周辺のダンジョンの情報も確認する。周りに2箇所あるな。ギルドに近いなら一般開放する際に効率などを考えてもメリットが多いと思う。
惣次さんとも相談して、ショップ配置はどうするかを相談して、取得するなら所有者と交渉していこう。
○
惣次さん、猿渡さんと俺でダンジョンを増やすことについて、意見出しを行なった。
惣次さんからは、
「追加したダンジョンも拡張されるのかい?ハンターに需要がありそうか次第だが、増やすのは良いと思うよ。ライズダンジョンは今もフル稼働に近いから、経営的には少し余裕を作った方が良いしね」
猿渡さんは、
「ギルド周辺の2つのダンジョンはどちらも下級ダンジョンですが、片方はメタルスライムが稀に出るみたいです。こちらの方がハンターに需要がありそうですね」
と説明してくれる。
「猿渡さん、そのメタルスライムが出現する方のダンジョンを取得する方向で調整してください」
俺は猿渡さんにお願いした。
「わかりました」
○
数日後、猿渡さんがダンジョン所有者とダンジョンの譲渡について交渉してくれた。
このダンジョンだが、地下2階までの小規模なダンジョンだが、メタルスライムがたまに出るのが特色だ。
ただ、階層が少ない過ぎてダンジョン経営にも向かず、メタルスライムもなかなか動きが素早く倒しづらいのが難点だ。
結果として、譲渡ではなく、少しお金を支払い、ダンジョンを購入という形となった。
所有者の方としては、そこまでモンスター退治に困っている訳では無いので無償での譲渡には難色を示し、少しでもお金を払ってくれるのならということだったので購入した。
一般開放できれば、すぐ元はとれるくらいの値段だったので良しとした。
ライズギルドとして、3つ目のダンジョンを取得した。
このダンジョンも拡張されたかを確認するため猿渡さんと早速ダンジョンに潜る。
1階、地下1階はスライムやゴブリン、あとは蝙蝠のモンスターであるバットが生息している。
みつけたモンスターを素早く倒していき、元々の最下層である地下2階へおりる。
地下2階では、火の息を吐くレッドスライムと吹雪を吐くアイススライムが生息していた。あと、稀に経験値が大量に獲得出来るメタルスライムが出るみたいだ。
レッドスライムもアイススライムも見た目はスライムなので、その見た目に惑わされて油断するとブレスでやられてしまう。
俺たちは油断せず、魔法攻撃を仕掛けるようにした。
レッドスライムへは氷魔法、アイススライムへは火魔法を使うようにする。
効率よくモンスターを倒せる。
視界の先にモンスターの気配があるが、素早く動いているのがわかる。メタルスライムみたいだ。
俺は逃げられる前に一気にメタルスライムへ近づく。小鳥遊さんが雷魔法で威嚇する。
メタルスライムへは魔法が効かないようだが、一瞬動きが止まった。
俺はその隙を逃さずファイヤーソードを唱え、剣を振り下ろす。メタルスライムを一撃で倒すことが出来た。
ここでレベルが上がる。
九条 蓮
レベル : 30
HP : 125
MP : 119
攻撃力 : 97
防御力 : 95
素早さ : 80
魔力 : 79
運 : 80
スキル : 【気配察知】【剣術+】【気配遮断】【盾術+】【身体能力強化+】【シールドカウンター】【ソードスラッシュ】【狂人化】
魔法 : 【ファイヤーボール】【ヒール】
【ファイヤーソード】【ウインドカッター】【ファイヤーシールド】【ファイヤーストーム】
称号 : 【ダンジョンの管理人】
さすがメタルスライム!パーティーで組んでいてレベルを上げられた。獲得出来る経験値は段違いのようだ。
俺たちは下への階段をみつけ、下へおりる。
ダンジョンが拡張されていることは確認できたので、今日はこれで地上に戻る。
レベル30になったので、他のダンジョンも3回目の拡張が進んだ。また確認しないといけないな。
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