第54話 騒動の余波
「九条先輩、好きです!付き合ってください」
俺は昼休みに屋上に呼びだされ、告白されている。
相手は知らない一年生の女の子だ。
これで、今月5件目か…
「ごめんね、今は誰とも付き合う気はないから」
女の子は泣きながら走り去って行った。
屋上から降りると、ヒデキがいた。
「もう終わったかい?」
「終わったよ、女の子が走っていっただろ?」
俺たちはそんな会話をしながら食堂へ向かう。
あの動画の影響と、高校生で唯一のB級ハンターということで急に友達が増え、知らない人から告白されることが増えた。
どこへ行っても誰かに見られている気になってしまう。これは慣れないな…
「有名になった証拠だからね、有難く受け入れるといい」
ヒデキは軽くそう言うが、今までが無視されてきたようなものだから、ギャップがあり過ぎる。
昼食をとり、俺はヒデキとわかれ教室へ戻る。
教室では視線こそ集まるが、もう話しかけてくるような奴はいない。
ふと教室の隅に鮫島をみつける。あれ以来クラスでもハブられたようだ。まぁ俺には関係ないが。
放課後はギルドホームの会議室に集まる。今日は週に1回の進捗共有の場だ。
行っている事業の進捗をみて、進め方を議論する。
ゆうりさんからダンジョン探索部に頼んでいるトレントの木片収集について共有された。
探索部の皆もモチベーション高くやってくれており、今のところ順調のようだ。
トレントを多く倒すため、レベルがそこまで高くない部員にとってはメリットも多い。
探索部の3年生2人から、ライズギルドに加入したいという話しを受けている。
性格としてもここまでみてきて、問題ないので加入してもらうつもりだ。人材確保も少し目処がついてきた。この辺は既にゆうりさんがギルドに加入しているのも大きいようだ。
次に木工細工についてはあかねさんから共有してもらう。
あかねさんが加工した木工細工などを清水商会の販路を使って売っているが、売れ行きは好調だ。
トレントの木片が上質なことと、動画配信でライズギルドの知名度が上がっており、欲しがる人も多い。
あまりに忙しい時はあかねさんの友人がバイトとして手伝ってくれている。ギルドに加入してくれないかなと思っている。
武器、防具製作についてはりょうさんから共有してもらう。
いまのところ、装備が必要と申請したメンバーには供給できている状況である。ここから、外販に繋げていきたい。まずはメンバーの実績をもっと積んでいき、装備品をPRしたい。動画配信とうまく絡めれば効果がおりそうだな。ヒデキと相談するか。
動画配信事業についてヒデキから共有してもらう。こちらはシリーズ化が決定し、定期的に探索動画が配信されている。
シリーズ化されたことで、メンバー各人にスポットライトがあたる回もあり、ギルドメンバーの知名度向上に繋がっている。
特に女性陣は人気が出ているみたいだ。
状況を見つつ、無理のない範囲で配信していけたらと思う。
最後にダンジョン運営だが、これは亜希さんから共有してもらう。
平日はそこそこ、休日はフル稼働と言った感じで予定通りの利益を上げれている。
またショップの売上も好調で、惣次さんからも褒めてもらったようだ。
また階層を増やしていきたい。
今はとても良い状況なので、これを続けていきたい。
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