第50話 揺れる心

 俺はダンジョンで襲われた日から、毎日、学校へも行かずライズダンジョンにソロで潜っている。


 ギルドの皆から心配されたが、大丈夫と言い、ダンジョンへ向かう日々を過ごしている。


 何もしていないと双葉さんが切られる瞬間、倒れる瞬間をいつも思い出し、どうにか出来んたんじゃないかと考えてしまう。


 自分が無力だということを認識した。


 自分では強くなったと思っても、結局は目の前の少女1人守れなかった。


 もっと、もっと強くならないといけない!


 そんな強迫観念に駆られ、俺はライズダンジョンの深階層に挑む。


 低階層は無視し、地下14階へ向かう。


 地下14階、ミノタウロスと対峙し、俺は剣術で圧倒する。


 隙をつき首を落とそうと切りつけるが、発達した筋肉が邪魔をして切れない。


 俺はすぐにその場を離れる。


 さっきまで俺がいた場所をミノタウロスの斧が切り裂く。


 俺はファイヤーソードを唱え、再度接近戦を仕掛ける。


 ミノタウロスに対し、上から剣を振り下ろす。


 ミノタウロスも斧を振って対応しようとするが、それより早くこちらが腕を切り落とした。最後に首を落とす。


 地下14階でミノタウロスを大量に相手していく。


 ミノタウロスとの戦いで、戦闘での行動が最適化されていく。


 無心で正解が導き出せている。


 俺はさらにミノタウロスを狩る。


 レベルが上がった。


 九条 蓮

 レベル : 28

 HP : 117

 MP : 110

 攻撃力 : 90

 防御力 : 89

 素早さ : 72

 魔力 : 71

 運 : 74

 スキル : 【気配察知】【剣術+】【気配遮断】【盾術‪】【身体能力強化+】【シールドカウンター】【ソードスラッシュ】【狂人化】

 魔法 : 【ファイヤーボール】【ヒール】

【ファイヤーソード】【ウインドカッター】【ファイヤーシールド】【ファイヤーストーム】

 称号 : 【ダンジョンの管理人】


 俺はまだまだ戦い足りず、階を上がっていく。



 地下13階で視界に入ったオーガを倒していく。


 オーガが複数体でも関係なしに近接戦を仕掛け、圧倒していく。


 本当にひとつ上のレベルへ上がれたみたいだ。


 誰に挑まれても負けない実力を手に入れたい。


 仲間を守れる力を手に入れたい。


 その一心だけだった。


 地下13階もオーガを倒し尽くしたところでレベルが上がる。


 九条 蓮

 レベル : 29

 HP : 120

 MP : 114

 攻撃力 : 93

 防御力 : 92

 素早さ : 76

 魔力 : 75

 運 : 77

 スキル : 【気配察知】【剣術+】【気配遮断】【盾術+‪】【身体能力強化+】【シールドカウンター】【ソードスラッシュ】【狂人化】

 魔法 : 【ファイヤーボール】【ヒール】

【ファイヤーソード】【ウインドカッター】【ファイヤーシールド】【ファイヤーストーム】

 称号 : 【ダンジョンの管理人】


 盾術+ : 盾術のランクアップスキル。盾の扱いが更に洗練される。達人級。


 盾術がランクアップした。


 これでさらに防御が安定する。


 そろそろ夜になるな、俺は地上へ戻り出す。


 油断せず、階を上がっていく。


 何事もなく、地上へ戻った。


 辺りは真っ暗で、もう皆帰っているか、寝ているだろうな。


 そう思い、ギルドホームへ向かうと、双葉さんが残っていた。


「おかえりなさい。あまり無理はしないでね」


 そう言い、夜食を出してくれた。


「ありがとう」


 俺はそれしか言葉が出なかった。


 双葉さんの作った夜食はとても美味しいものだった。


 その日の夜は久々にぐっすりと眠ることができた。


 次の日、俺はギルドの皆に謝罪した。


「みんな、心配かけてごめん。

 もう大丈夫だから、心配しないで」


 周りからは


「本当に心配したんだからね」


「無理はしないでね」


 といった声がした。


 俺はこの仲間の期待を裏切らないよう頑張りたい。


 ○


 アビスギルドとの模擬戦があと数日に迫り、ギルドに緊張感が出てきている。


 俺は高槻さん、ヒデキ、ゆうりさん、天霧くんとの模擬戦をおこなっていた。


 高槻さん、ヒデキとの模擬戦では、接近戦で少しずつ優位になっていける感覚があり、魔法を組み合わせていけばほぼ勝てるところに来ている。


 普段戦っている人と模擬戦をすることで実力が向上したことを実感できた。


 あとは当日までやれることをやるだけだ。


 ――――――――――――――――――


【★あとがき★】


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