第45話 B級昇級への障害
俺はレベル30を目標にして、またソロ探索を行い始める。
ライズダンジョンは一般開放していることもあり、そこまで大量にモンスターを倒せないため、ハンター協会の依頼を受けている。
ここまで5件ほどC級依頼の中でも難易度の高めのものを受けて、レベルは2つ上がっている。あと5レベル、まだまだ遠いな。
九条 蓮
レベル : 25
HP : 106
MP : 99
攻撃力 : 82
防御力 : 79
素早さ : 60
魔力 : 61
運 : 60
スキル : 【気配察知】【剣術+】【気配遮断】【盾術】【身体能力強化+】【シールドカウンター】【ソードスラッシュ】
魔法 : 【ファイヤーボール】【ヒール】
【ファイヤーソード】【ウインドカッター】【ファイヤーシールド】【ファイヤーストーム】
称号 : 【ダンジョンの管理人】
平日は授業があるため、そこまで深い階層のダンジョン探索依頼は受けられない。
割が悪くて他のハンターが受けない依頼の中から俺的にはメリットがある依頼を受けていく。
いつものようにハンター協会の受付横で依頼を探していると、声がかかる。
「こんにちは、九条くん」
声のした方をみると、八雲さんがいた。
「こんにちは、八雲さん」
「いま、少し良いかね」
俺はそう言われ、頷くと応接室に連れていかれる。
「急に悪かったね。協会として伝えたいことがあってね。君のB級昇級の件なんだ」
あー、確かにデュラハンを倒した時に、あと少しみたいなニュアンスの話しをされた気がする。
最近はまた一段と依頼をこなしているからな。規定の功績に到達していてもおかしくない。
「素直にあがれるなら、そんな言い方はしないだろうから、何か障害でもあるんですか?」
「よく分かったね、そうなんだよ。君のB級昇級を協会内の議題にあげたら、一部から反対にあってね。
そのまま押し通すことも出来たんだが、相手が私との敵対派閥の者なんだが、最近増長していてね、ちょっとこれを機会にお灸を据えたいなと思ったんだ」
「それで俺にどうさせたいんですか?
模擬戦でボコボコにしてくれとかですか?」
「そうなんだよ、その一部の者が今回に限りB級ハンターと模擬戦をして、B級ハンターに勝ったら昇級させてもよいと言い出してね。本来B級以上は協会から任命してなってもらうものなのに」
「それでB級ハンターも自分たちが選ぶみたいな感じですか?」
「それもわかってしまうか?
そう、自分と繋がりのあるアビスギルドから対戦相手を用意するみたいだ。
このアビスギルドというのがあまり評判の良くないギルドでね。裏で非合法なことをやっているという噂があるんだ。
協会としても調査したりしたが、証拠を掴めなくてね…
それと前に話したライズギルドをよく思わない連中というのがアビスギルドみたいなんだ」
「なるほど、そこで俺のB級昇級で餌を入れてみたってことですね。とりあえず俺は模擬戦で相手に勝てば良いだけですか?」
八雲さんはにこっと笑顔になり、
「勝ってもらえれば、あとはこっちで何とかするよ。協会も九条くんも、どちらもメリットのある解決法と思ってね」
俺はこの話しを受けた。
B級昇級の模擬戦は2週間後となった。
俺はギルドホームに戻り、先程の話しをメンバーに共有する。
「ひとまずアビスギルドに注意しないといけない状況になった。皆もなるべく単独での行動は避けるようにしてほしい」
「アビスギルドの情報が欲しいわね」
ゆうりさんがそう言うと、
「雷光グループの諜報機関を使えばいい。レン、良いかな?」
「むしろ良いのかい?使わせてもらって」
「もちろんだとも。私としてもライズギルドが不利益を被るのは困るのでね」
「ありがとう。じゃあお願いできるかな」
「じゃあ、すぐ調査するとしよう。
漆原くん、至急アビスギルドについて調査して欲しい」
ヒデキは秘書の漆原さんに指示をだす。
漆原さんはヒデキがギルドにいる時は一緒にギルド関連の仕事を担当してくれている。
「わかりました、明日の放課後までにまとめておきます」
そういって部屋を出ていく。頼もしいな。
「俺は模擬戦に向けて、さらにレベル上げに行くから、申し訳ないけどギルドのことを頼んだ」
そう俺が言うと、皆が口々に任せてと言ってくれる。
模擬戦は絶対に勝たないとな!
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