第44話 ダンジョン探索部への提案
ライズギルドとして、木工製品の製作を事業化する計画をスタートさせている。
いまは外部のハンターに、ライズダンジョン地下2階でトレントの木片を採取することを依頼している。
このままでも利益的には回るのだが、もっとライズギルドとして良いやり方はないかを検討していた。
その中の一案としてトレントの木片採取をダンジョン探索部に定期依頼として出してはどうかと提案があった。
これはゆうりさんからの提案で、俺も考えていたアイデアだったので、提案として取り上げた。
その後ギルドメンバーで話し合い、進める方向で話がまとまったので、ギルド探索部に話しをしようと俺とゆうりさんで部活を訪ねた。
全国大会のあとも定期的に探索部には顔を出しているので、事前に新部長に打ち合わせを打診した。
ちなみに全国大会が終わった段階で3年生は全員引退している。
新しい部長へは2年生の爽やかイケメン剣士の
ダンジョン探索部と俺との模擬戦で先鋒として出てきたヤツだ。
あの試合ではあまり良いところがなかったが、あの後から鍛錬に精をだし、実力はかなり上がっている。
ハンターランクもD級に昇級している。
俺とゆうりさん、藤堂の3人で話をする。
「藤堂、悪いね、ギルドホームまで来てもらって」
「いや、ギルドホームへは俺が行きたいって言ったしね。九条には部として世話になっているからさ。それで話って?」
俺はライズギルドのギルドマスターとして、定期依頼の提案を行った。
藤堂が内容を吟味してから、藤堂が話す。
「うちとしては申し分ない内容だけど、本当に良いのか?」
「ああ、こっちとしても依頼を受けてくれる人が安定的にいる方が良いし、それにこれって一種の先行投資なんだよ」
藤堂にライズギルドのなりたい姿と現状を説明する。
俺は人材確保がどうしても他のギルドに追いつかないことを話した。
そこの解消にダンジョン探索部と連携できないかを考えていることも話す。
探索部からライズギルドへのルートを作りたい。
「探索部の部員もライズギルドの依頼をこなしてギルドホームに寄っていくだけで愛着って自然と湧いたりするだろ?
そうやっていつの間にかうちに戦闘職でも事務職でも加入するなんて流れを作りたいなと思ってる。
長期的にライズギルドの基盤を作る投資なんだよ」
「九条は凄いな、そんなことを考えているのか…」
「元々はゆうりさんの提案だよ」
「九条くんも同じことを考えていたじゃない。2人の案よ」
ゆうりさんがすぐさま答える。
「で、部長としてはどうかな?」
俺は藤堂に気持ちを確認する。
「俺個人としては賛成だよ。ただ部全体のことでもあるから、部員にも意見を聞きたい。少し時間をくれないかな?」
俺も部の総意として受けてくれないと意味が無いので了承した。
次の日、ギルド探索部として定期依頼を受ける連絡を藤堂からもらった。
緊急で会議を開いてくれたみたいだ。
よし、これでまた種まきができたから、いつ芽吹くかな。
これはだいぶ時間がかかるやつだけどね。
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