第27話 探索 ライズダンジョン 地下12階

 地下12階へおりてきた。


 この階も岩場のエリアのようだ。


 岩場の陰からゴブリンが数体現れる。


 特に問題なく、倒す。


 少し進むと、気配察知で大量のモンスターの気配を感じる。


 ひらけた場所にゴブリンの集落のようなものがあるようだ。


 少し観察していると一際大きいゴブリンが1体いた。


 周りのゴブリンから崇められている。


 あれがゴブリンキングか。


 戦闘力としてはそこまでではないが、なにせゴブリンの数が多いな。


 300体くらいいるのか。


 魔法を出し惜しみせずに、どんどん倒していかないといけない。


 俺たちはゴブリンたちのいる方へ進み、まもなく戦闘となった。


 俺は覚えたばかりのファイヤーストームを唱える。


 辺り一面に炎の柱がたち、大量のゴブリンを倒せた。


 これは強いな。範囲も広いし、言うことなしだが、MP消費は多いな。


 各自順調にゴブリンを倒していく。


 残り50体位のところでゴブリンキングがこちらにやってくる。


 ゴブリンキングはゆうりさんが倒したいと言うので、譲った。


 ゴブリンキングの攻撃を巧みに盾で受け止めつつ、攻撃を繰り出す。


 ゆうりさんの方が優勢だな、このまま押し切れるか?


 結果、そのまま押し切りゴブリンキングを単独で倒した。


 また一段強くなったな。


 ゆうりさんはレベルがあがり、ホーリーシールドを覚えたようだ。


 光系の防御魔法だ。

 タンカータイプのゆうりさんには相性の良い魔法だな。


 ゆうりさんも嬉しそうに微笑んでいる。


 今回はこの階で、野営をする。


 ゴブリンも全部倒したのでよほど危険はないと思う。


 双葉さんがテントとかを準備していく。


 皆で手伝い、直ぐに設置が終わる。


 料理は俺と練習中の双葉さんが担当する。


 食事を終え、各々休憩している。


 小鳥遊さんがクリーンの魔法が使えるとのことで使ってもらった。


 体全体の汚れがなくなり、一気に快適になった。


 あとは順番にテントで寝ていく。


 今はゆうりさんと見張り番をしている。


「九条くん、私は強くなれているかな?」


 ゆうりさんは少し不安そうに言う。


 高槻さんが入団してから、一層努力していることを俺は知っている。


 やはり同い年で意識しているのかな。


「大丈夫ですよ、強くなってます」


 俺はそう言いきった。


「ありがとう、やはり君といると落ち着くな」


 そんなことを言う。


 そのあと、取り留めの無い話しをしつつ、過ごし、交代の時間となり、テントで寝た。


 時間となり、起きて軽くストレッチをする。


 この階はあと階段を見つけたら、地上へ戻ろうと思う。


 想像以上にダンジョンのレベルが上がっているので、無理は禁物だ。


 あと戻ったら協会にもこのダンジョンの特性について説明した方が良いな。


 モンスターがかなり強くなっているので、管理対象になるかもしれない。


 もしものときは交渉するか。


 俺はそんなことを考えつつ、階段を探していた。


 ほどなくして階段は見つかり、俺たちは地上へ戻り始める。


 戻りは、特に何も起こらず順調だった。


 地下10階以降はやはりC級ハンター以上のパーティーに制限しようと思う。


 基本モンスターがオーガになることから、そう決めた。


 俺は、その後も協会にも連絡し、ライズダンジョンについて相談したいことがあり、八雲さんとの面会を申し込んだ。


 夕方なら少し時間がとれるとのことで、その時間にハンター協会に向かう。


 協会の応接室に通され、少し待っていると八雲さんと小早川さんが入ってきた。


 俺は挨拶をして、近況などを共有する。


 そして、本題のライズダンジョンの特性について話す。


「階層が増えるダンジョンか…」


 八雲さんが何かを考えつつ、呟く。


 結論としては、協会管理ではなく、そのままライズギルドで管理していくこととなった。


 理由としては、協会での管理ダンジョンの数が管理上限に近く余裕が無いことと、一般開放でうまく運営していることを把握できていることの2点だ。


 俺としては気が楽になった。


 協会管理になってもおかしくはない。


 八雲さん、小早川さんに感謝を言いつつ、ギルドへ戻る。


 帰り際に小早川さんに、地区大会の優勝おめでとうと言われた。


 今度ご飯でも行きましょうと誘われた。


 ギルドに戻り、ギルドホームにいたメンバー、スタッフを集める。


 ダンジョン地下10~12階を開放することを説明する。


 この階はハンター等級を制限することもあわせて説明した。


 早速スタッフの人が入場者への説明資料を修正してくれている。


 あの階層はそれなりのハンターでも手こずると思うから、もっと高い等級のハンターとかも来てくれるかもな。


 どんどんライズダンジョン、ギルドを大きくしていくぞ。

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