第25話 ギルド見学と入団
地区予選のあと、俺達はギルドホームで祝勝会を行っていた。
今日はさすがに疲れたので、料理は注文して届けてもらった。
いつもの3人にゆうりさんを加えたメンバーで料理を囲んでいる。
みんなが俺とゆうりさんをおめでとうと労ってくれた。本当に優勝出来てよかった。
実は決勝戦の後は少し大変だった。
ギルドへ勧誘していた何人かに声を掛けたまでは良かった。
途中でクラスメイトに囲まれてしまい、色々と話しかけられた。
さも友達ですと言った感じで話しかけてきて、こいつらは自分たちが今までどんな風に接してきたのか忘れたのかな?と思ってしまった。
怒りよりも呆れてしまった。
そこへ鮫島も現れて、クラスメイトから罵詈雑言を言われているのをみて、不覚にも可哀想にと思ってしまった。
クラスメイトのことなど正直どうでもよい俺はすぐに帰宅したのだった。
そして、今に至る。
「それにしても、高槻さんがうちのギルド入りたいって言うとは思わなかったねー、びっくりしたよ」
亜希さんが言うと、今日戦ったゆうりさんは、
「今日のリベンジをいつかしたいな。強くならないと」
そう言った。
「そうだね、それに加えて何人か声掛けてる人をギルドに招待して、見学してもらうから、その時はよろしくね!
あと、団員のオーディションは2週間後で、面接と個人の特性に合わせた実技を見せてもらうつもりでいるから」
と皆に伝える。
生産系のスキルの優劣はわからないため、惣次さんも手伝ってくれる。有難い。
魔力操作スキルを持った人が見つからないかなと淡い期待をしている。
○
競技会でスカウトした人たち向けの見学会を平日の授業のあとに開いた。
10人ほど声を掛けたが、結局来てくれた人は、準優勝の高槻さん、雷魔法の小鳥遊さんの2人のみだった。
やはり高校生がギルドマスターのギルドは信頼されづらいのかな。
「2人とも今日は来てくれてありがとうございます。一応自己紹介しますね、ギルドマスターの九条蓮です。
今日はライズギルドの説明をさせてもらって、入団の意思があるならそのまま契約手続きに入りたいと思いますので、よろしくお願いします」
俺がそう言うと、高槻さんは
「入るわ」
と言う。その雰囲気に小鳥遊さんが少し引いている。
俺は高槻さんを説得?しつつ説明に入る。
ライズギルドの人員、保有しているダンジョンのこと、清水商店との提携について説明する。
この段階で小鳥遊さんも、話しに食いついてきた。
将来性があるのでは?と興味を持ってくれたようだ。
そのあと、ギルドホームの施設を紹介した。
こちらは新築ということもあり、かなり好評だった。
そもそも高校生が設立したばかりのギルドにまともなギルドホームがあるとは皆思っていないため、驚かれる。
説明が終わり、小鳥遊さんが入団の意思を示してくれた。
来年は大学に進学する予定らしいので、ダンジョン探索のところで力になってもらう。
高槻さんも当然のように入団してくれた。
ひとつ条件を提示されたのが、定期的に俺との模擬戦を行うことだった。
俺としても有難いので二つ返事でOKした。
高槻さんは少し笑ったような気がした。
「
「
実力者が一気に2人も入団したことでダンジョン探索、協会の依頼もかなり受けられるようになると思う。
これからよろしくお願いしますと2人と握手した。
○
高槻さん、小鳥遊さんの加入から、ハンター協会のダンジョン探索依頼を3~4名のパーティーで受けるようにし、順調に実績を積んでいる。
高槻さんはC級で、小鳥遊さんはD級だった。
小鳥遊さんはもう十分昇級できる実力だと思う。
小鳥遊さんの昇級試験を申請しておこう。
ダンジョンから帰ると、高槻さんとの模擬戦が待っている。
定期的にという話だったが、現状ほぼ毎回となっている。
本格的にスキルを使える施設はまだ無いため、木刀を使ってスキル無しで勝負している。
俺は身体能力強化スキルが常時発動しているのだが、それでも高槻さんを圧倒は出来ない。
戦績は勝ったり負けたりで五分五分だ。
ほぼ毎日の日課になりつつあるこの対戦が、俺の剣術を磨くのに役に立っている。
もうすぐ行われる高校生ハンター競技会の全国大会でも良い成績を残したい。
あと最近は競技会などで忙しく、ライズダンジョンの地下探索が止まっていたため、次の土日に地下10階を探索するつもりだ。
どんなエリアがあるのか、楽しみだ。
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