第23話 高校生ハンター競技会 地区予選(2)
昨日に引き続き、競技会が行われ、今日は3回戦からスタートとなる。
ここを勝てればベスト8となり、全国大会に出場できる。
とても大事な1戦となる。
そして対戦相手は高校のクラスメイトの鮫島だ。
高校でも数少ないD級ハンターというブランドもあり、クラスの中心人物になっていた。
何故か俺を目の敵にして、言いがかりをつけてきていた。
今後の平穏な高校生活のためにもここでけりをつけようと思う。
観客席をみるとクラスメイトが結構来ていた。
最近ではクラスメイトの俺に対する対応もだいぶ変わってきているが、まだ大半が鮫島寄りだ。
俺はストレッチをしながら頭の中で次の試合のシミュレーションをする。
正直鮫島がここまで勝ち進むとは思っていなかった。
競技会前にみたときのままなら、そこまで苦戦せずに勝てると思っている。
何か強力なスキルを覚えたとかかな。
時間となり、俺の試合の番になった。
「さぁ、3回戦。この試合はなんと、高校のクラスメイト同士の対決だー!
圧倒的な実力で相手を倒してきた九条選手と壮絶な打ち合いを制してきた鮫島選手の試合が間もなく始まります」
鮫島は両手剣を手に持ち、鎧をきている。
一撃に特化したタイプのようだ。
俺達は台にのぼり、礼をする。
試合開始の合図とともに鮫島が攻撃を仕掛けてくる。
両手剣を振り回してくる。
あれだけ振り回せるなら力はあるんだな。
俺は確実に攻撃を避けていく。
鮫島の攻撃がやんだところで、俺は反撃に出る。
素早く連撃を入れていき、鮫島は防戦一方となる。
このまま押し切れるか。
「お前だけには負けたくねぇ!」
鮫島が叫ぶ。
鮫島の目が赤くなり、表情は虚ろな感じになっている。
鮫島が攻撃をしてくる。
速い!俺はバックステップで距離をとる。
すぐに鮫島は追撃を繰り出す。
一撃一撃が速く、重くなっている。
これは狂人化スキルか?身体能力が大幅に向上している。
ただし、攻撃に狙いは無さそうだ。
ただ力任せに剣を振り回している。
俺はファイヤーボールを鮫島の足元に放つ。
火球が地面にあたり、火柱がたつ。
その火柱に飛び込むことで、鮫島の隙をついた。
俺は鮫島の横っ腹に一撃を叩き込む。
鮫島は台から落ち、気絶した。
「戦いのピリオドが突如訪れた!!
クラスメイト同士の戦いは九条選手の勝利です」
俺は観客からの拍手に応える。
観客席のクラスメイトをみると、呆然としていた。
俺はそれをみて、笑ってしまった。
何人かのクラスメイトが鮫島って実は大したことないんじゃないのか、などと言っていた。
来週から鮫島も学校で肩身が狭いかもな。
さて、次の試合に備えるか。
俺は気持ちを切り替える。
俺はゆうりさんの試合を観戦する。
ゆうりさんの対戦相手は、司会者の説明では双剣使いの男子でスピードで相手を撹乱するタイプらしい。
ゆうりさんの苦手なタイプではあるな。
冷静に対応できるかで勝負は決まるかな。
試合が始まると相手は距離を詰め過ぎず適度な距離感を保っている。
一撃一撃は軽いが手数があるので、侮れない。
対してゆうりさんはそんな相手に冷静に対応している。
隙を虎視眈々と狙っている感じだ。
相手にあえて攻撃させていた、ゆうりさんにチャンスが訪れた。
相手が攻撃をし、バックステップで戻ろうとした際に足が滑ったのだ。
ゆうりさんはこれを逃さす、槍で一突きし、相手を吹き飛ばした。
そして、よろよろと起き上がろうとする相手に槍を突きつける。
相手が降参し、試合終了だ。
これでゆうりさんも全国大会に出場することが決まった。
残りの試合が行われ、ベスト8が出揃う。
俺とゆうりさん以外は剣士タイプが4人、魔法使いタイプが2人だった。
一人強そうな人がいた。
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