第20話 ハンター協会 支部長との会合
ハンター協会から帰ろうとした俺は、受付の小早川さんに引き止められ、いま支部長との会合の場にいる。
支部長は40代半ばと言った感じの細めの男性だ。
ただし、支部長という要職につけるだけの実力があることはわかる。
隙が全くないのだ。
支部長が先に話し出す。
「初めまして、九条君。支部長の
「初めまして、八雲さん。九条蓮です。
協会と良い関係でいたいと、こちらも思っています。よろしくお願いします」
挨拶を終え、本題に入っていく。
まず、今日の探索について八雲さんからも改めて謝罪された。
C級の4人組パーティーが戻らなかった時点で警戒度を上げるべきだったと、
協会の判断ミスを認めていた。
次回からは確実に対応するよう指示系統を改めると仰っていた。
次に、出現したデュラハンについて何か変わったことは無かったかとも聞かれた。
デュラハンと戦うのも初めてだったので、分からないと伝えた。
最後に今回B級モンスターを倒したことは、大きな実績になったので引き続き頑張って欲しいという話だった。
協会としてもB級以上のハンターが増えて欲しいみたいだ。
その後はライズギルドの今後について話したりした。ちなみに八雲さんは元A級ハンターであり、探索の時に怪我をし、いまは後進育成のため、ギルド職員をやっているみたいだ。これがA級か…まだまだ上がいることを痛感した。
いつの間にか1時間ほど時間が過ぎていた。思ったより話すのに熱中していたみたいだ。
結果的に良い情報交換ができた。今後もハンター協会とは良い関係が築けそうだ。
俺は八雲さんと小早川さんに挨拶をして帰宅する。
協会から帰宅し、庭のダンジョンの様子を伺う。平日もそこそこ入場者がおり、もう俺が定期的に探索しなくともダンジョンブレイクは起きなさそうだ。ダンジョンを一般開放した目的の1つが達成された。
俺は地下9階の階段を封鎖するため、ダンジョンに潜る。
今日は時間もそれほどないので、封鎖だけしようと思う。
各階層を小走りで抜けていく。他のハンターが戦闘中の可能性もあるので、モンスターは倒さずに走り抜ける。
地下9階につくと、前回トレントキングを倒した場所へ向かう。
目的の場所に着いたとき、他のハンターがトレントキングと戦闘中だった。
よく見ると、まさかのダンジョン探索部の部員達だった。模擬戦で対戦した3人に、回復魔法が使える後衛を加えた4人パーティーだ。
もう、ここまでこれるようになってるなんて凄いな。それと同時にさすがにトレントキングに勝つのは難しいだろうなと予想していた。
まずトレントキングに対して相性が良い攻撃ができる人がいない。たしか部長は氷と土だったし、ゆうりさんもそういった攻撃はパターンにないはず。残りも2人も同じだろう。
俺はもしものときは助けに入れるように状況を見守る。
見守り始めて10分ほどたった頃、決着がつきそうになる。
やはりパーティーとしての攻撃力が足りておらず、決定打を与えられなかったようだ。
それに対し、トレントキングは遠距離から木の実攻撃を延々と繰り返し、探索部は防戦一方になってしまった。
俺は探索部に一言入れ、加勢する。
俺は今日の探索で手に入れた首無しの剣を使い、ファイヤーソードを唱える。
刀身が黒く染まり、禍々しい黒炎を纏う。これが闇属性か。
ふと周りを見ると探索部のメンバーが少し後退りしている。かなり禍々しいからな。
俺はトレントキングに向き直り、戦闘を開始する。
ゆうりさんがトレントキングに向かって走り出す。
トレントキングがゆうりさんに注意を向ける。
その瞬間、部長が氷魔法でトレントキングの気を逸らす。良い連携だ。
俺はトレントキングの左側に回り込み、一撃を叩き込む。ついでにファイヤーボールを至近距離で放つ。
この攻撃でトレントキングはほぼ虫の息となる。そこに、ゆうりさんの槍が突き刺さる。
これがトドメとなり、戦闘は終了した。
探索部の部員は皆レベルが上がったようだ。
皆から助けてくれてありがとう、という言葉をもらった。
ゆうりさんは
「まだまだ遠いな…」と呟いた。
皆俺が部活に関わる前に比べ格段に実力が向上している。
競技会まであと少し頑張って欲しい。
俺はみんなと別れ、下への階段の所にいく。
予定通り地下10階へ行けるようになっていた。俺は進入禁止の貼り紙を貼った。
破った場合は、出入り禁止かつ取得アイテムの没収というペナルティも書いておく。
下の階の調査をしないと。もし、強いモンスターがいたら大変だからな。
また今度ギルドメンバーと探索に出ることを決めた。
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【★あとがき★】
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