第21話 ギルドホーム完成、今後のギルド拡大
ダンジョン経営は順調な滑り出しをみせ、俺はそれ以外にも、ハンター協会の依頼業務をこなしたり、ライズダンジョンを部活として探索したりと充実した日々を送っていた。
そんな中、ギルドホームの工事が終わり、完成した。
ギルドメンバーたちと使用しており、快適そのものだ。
各階にトイレ、シャワールームを設置してえる。
1階は会議室や事務室を配置し、今後の活動方針を決める会議などで使用している。
2階はメンバーが簡易的に過ごせる部屋などを作った。あとトレーニングルームも作ってあり、ここで本格的な筋トレが行える。
ちなみに3階は俺の家となっており、時間が合えば、皆に夕飯を振舞っている。
今日もそんな日だった。
いつもは基本俺が1人で作るが、今日は双葉さんが手伝ってくれた。
「じゃあ、卵を割ってボウルに入れておいて」
「うん」
双葉さんは慎重に作業していく。俺に触発されたようで料理を覚えたいとらしい。
今日はオムライスとスープを作っている。
双葉さんが手伝ってくれて作業が捗った。いまも洗い物をしてくれている。
事務室にいる亜希さん、トレーニングルームにいるひなたさんに連絡を入れる。
皆が揃って夕飯を食べる。
誰かと一緒に食べるご飯はやはり美味しいな。
○
ギルドホームが完成した際に、ギルドメンバーの双葉さんから相談を受けた。
来年高校を卒業したらギルド職員として雇って貰えないかという相談だった。
俺としては信頼できる人であり、職員はいま清水商店から派遣されている2人のみなので有難い申し出だった。
俺は申し出を承諾した。双葉さんはとても喜んでいた。
○
今日は、清水商店へ足を運んでいる。
提携して1ヶ月での収支についての共有と、最近トレントを倒して手に入る「トレントの木片」を活用した商品の事業化について惣次さんに相談しており、ある程度検討が済んだとのことなので内容を聞きに来たのだ。
収支の方はと言うと、想定より少し利益が出ている感じであった。
ダンジョンの入場者は想定程度であり、その後のショップでの売買が想定より利益が出ている。
やはりダンジョン横の常設ショップは需要があるな。
トレントの木片の方はと言うと「事業化は可能 ただし 専門の職人が必要」との事だった。
トレントの木片は魔力を帯びており、強度が高い。そのため、通常の加工法では加工出来ないらしい。
魔力操作スキルをもった職人が必要となる。
そのスキルを持った職人がなかなかいないということだった。
魔力操作か…。すぐにはどうにか出来ないな。
悩んでいる俺をみて、惣次さんがアドバイスをくれた。
「どこかのタイミングで団員募集をしてみてはどうかな?
九条君が良い成績をあげる前提だけど、競技会の後に募集すれば結構あつまるんじゃないかな?」
団員募集か…。規模拡大していく上では避けられないかな。
「アドバイスありがとうございます。
俺も規模拡大していくには募集した方が良いと思います。
競技会で良い成績をあげて募集してみます」
まだ設立したばかりのライズギルドは人員不足だ。
ダンジョンに潜るハンターはもちろん、ギルドを支えてくれる生産職なども増やしていかなければならない。
いまは清水商店がバックアップしてくれているから何とかなっている。
だけど、ずっとおんぶにだっこでは愛想をつかされてしまうかもしれない。
俺は順調に進んでいるときこそ、危機感を持って動こうと心に誓った。
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