第15話 探索 実家ダンジョン 地下7~9階

 今日は朝から3人で集まり、庭のダンジョンを探索予定だ。


 今回はひなたさんに後衛で俺に補助魔法を掛けてもらい、双葉さんにはポーターに専念してもらう。


 モンスターを倒した際の魔石やアイテムも結構な量になるので、ポーターがいるのは有難い。


 ダンジョンで得た利益もギルドにプールしつつ、ギルド員にもしっかり配分していくつもりだ。


 ライズギルドに所属することで、生活が安定すれば、どんどん入りたい人が増えてくるはずだ。


 俺はそんな理想を思い浮かべながら2人を待っていた。


 少し待つと、2人が到着したので、ダンジョンへ入る。


 今日は地下7階以降の探索がメインなので低階層は素早く通り抜ける。


 途中少し休憩を挟みつつ、地下7階へおりる階段までやってきた。


 俺が先頭で階段をおりる。


 地下7階へおりる。地下7階は砂地が多いエリアのようだ。


 慎重に探索をしていく。辺りにモンスターはいない。


 突然、気配察知スキルでモンスターの位置が把握できた。


 すぐ近くにいることがわかる。


 だが、視界にはモンスターは見えていない。


 となると、


「皆、モンスターが下から来る。動いて!」


 俺がそう言うと2人は左右に散らばった。


 俺は前方に動き、さっきまでいた場所に向かって構える。


 突然砂地からムカデのようなモンスターが飛び出してきた。サンドワームだ。


 体長は3メートルを超えるため、非常に大きい。


 噛まれると毒になる可能性があるので注意が必要だ。


 俺はすぐさまサンドワームに攻撃を仕掛ける。


 同時にひなたさんから防御力アップの補助魔法をかけてもらう。


 これなら多少の攻撃も耐えられそうだ。


 サンドワームに攻撃は通るが、致命傷にはならない。


 ひなたさん、双葉さんの位置を把握しつつ攻撃を続ける。


 数分打ち合ったところでサンドワームの動きが鈍くなった。


 そこでファイヤーソードを唱える。


 紅くなった刀身を思いっきり振るい、サンドワームの頭を切り落とした。


 ここでひなたさんのレベルが上がったようだ。

 大きな魔石を双葉さんが回収する。


 サンドワームは勝てなくはないが、倒すのに時間が掛かるな。


 何体か倒してレベルアップしないといけないな。


 その後もサンドワームを少し時間は掛かるが倒していき、レベルがあがった。


 九条 蓮

 レベル : 15

 HP : 64

 MP : 59

 攻撃力 : 46

 防御力 : 43

 素早さ : 31

 魔力 : 30

 運 : 31

 スキル : 【気配察知】【剣術】【気配遮断】【盾術】【身体能力強化】

 魔法 : 【ファイヤーボール】【ヒール】

【ファイヤーソード】【ウインドカッター】

 称号 : 【ダンジョンの管理人】


 とりあえずサンドワームも倒せることは分かったので先に進むか。


 俺たちは下の階への階段を探す。


 階段はそれから1時間ほど探索して見つかった。


 思ったより時間が掛かってしまった。


 すぐに地下8階へおりる。


 この階はまた森林エリアのようだ。


 ゴブリンの強化体であるホブゴブリンが生息している。


 ただ上の階で戦ったサンドワームに比べれば、なんて事は無い。


 俺たちは順調に倒していく。


 下への階段もすぐに見つかった。


 このダンジョンの最下層である地下9階にやってきた。


 このエリアも森林のエリアのようだ。


 このダンジョンは全体的に森林エリアが多いな。


 このエリアのモンスターはトレントのようだ。


 森の至る所にトレントの反応がある。


 俺は反応のある箇所に遠距離からファイヤーボールを放つ。


 木のモンスターであるトレントには効果抜群のようで、一撃で倒すことができた。


 遠目から狙えるトレントをファイヤーボールで倒していく。


 トレントから運良くドロップした木片は双葉さんが確実に拾ってくれている。


 探索を続けていく。


 森林を抜けて更に進んでいくと、遠目にもわかる非常に大きな木が見えた。


 神社とかにある樹齢何百年の御神木のような大きさの大木だ。


 俺たちは大木に近づいていく。


 気配察知スキルでモンスターの気配を感じる。


 大木から反応がある。


 もしかしてこの大木がモンスターか。


 トレントの王様、トレントキングなのか。


 大きすぎて攻撃が通るのかと普通のハンターなら思うだろうな。


 俺は火属性の攻撃パターンがあるため、トレントは相性が良い。


 俺は遠目からファイヤーボールを数発放つ。


 トレントキングに命中し、トレントキングが動きだした。


 トレントキングが俺を確認した時、すでに俺はトレントキングの真下まできていた。


 俺はファイヤーソードを唱え、根っこをつたって、トレントキングの顔付近まで跳ぶ。


 剣を一閃し、トレントキングに大きな傷を負わせた。


 俺は、一旦トレントキングから距離をとる。


 怒り狂ったトレントキングは大量の木の実を飛ばしてくる。


 木の実と言っても1つ1つがソフトボールくらいのサイズだ。


 当たるとかなりのダメージを負うだろう。


 俺はファイヤーボールで応戦する。


 ファイヤーボールで耐えているあいだに、ひなたさんが防御力アップの補助魔法を掛けてくれた。


 よし、突っ込んでみるか!


 敢えて突っ込んでいくことで虚をつくことができた。


 トレントキングの背後に周り、剣を振り下ろした。


 トレントキングは断末魔をあげながら倒れた。


 ふー、何とかなったな。


 やはり属性の相性は重要だな。


 今回は3人ともレベルが上がった。


 九条 蓮

 レベル : 16

 HP : 69

 MP : 64

 攻撃力 : 51

 防御力 : 48

 素早さ : 35

 魔力 : 34

 運 : 34

 スキル : 【気配察知】【剣術】【気配遮断】【盾術】【身体能力強化】

 魔法 : 【ファイヤーボール】【ヒール】

【ファイヤーソード】【ウインドカッター】【ファイヤーシールド】

 称号 : 【ダンジョンの管理人】


 ファイヤーシールド : 盾に炎を纏わせ、防御力がアップする。


 また火属性か…やはり両親の影響かな…。

 

 何にせよ強くなれてるのは良いことだな。


 俺は気持ちを切り替える。


 トレントキングから「トレントの大木」がドロップした。


 これは大きいな。


 双葉さん持って帰れるかな…。


 下への階段だけ確認できたら俺が持って帰るか。

 幸い下への階段はトレントキングがいた場所から少しのところにあった。


 ひなたさん、双葉さんが不思議そうに聞いてきた。


「何で階段があるんですかね?」


 俺は称号のことを2人に話した。


「成長していくダンジョン…聞いたことないですね」


 ひなたさんは少し考えながら呟いた。


「ということは、このダンジョンの価値はまだまだ上がるってことなんですね」


 双葉さんがそう言い、驚いている。


 俺たちは、このダンジョンについて考察を話しながら、地上へと戻った。


 地上へ着いた頃にはすっかり辺りは暗くなっていた。


 俺は2人を駅まで送っていった。


 18歳になったらすぐ車の免許をとろう。


 家まで送ってあげられたら、俺としても安心だしな。


 地下9階まで探索できたので、明日以降はソロで活動することにした。

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